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聖なる旅 



ハワイ 編




2006.12.6〜12.14
                                                                                

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12月10日
 柾至は先にベッドに入ったものの、なかなか眠れない様子。アポロを抱えて数回繰り返す。長い一日になるから、少しでも休ませたい。隣から遠隔ヒーリングをすると、ようやく眠った。v(^^)v
 数時間後の2時頃に起きた。シャワーを浴びて、ジュエリーエッセンスもたっぷり塗り塗り。まだお腹は空いていないと思うけど、走る直前よりも早めのほうが良いので、オーガニックカフェのサンドイッチと玄米おにぎりを食べさせた。あとは、途中で補給出来るように、スポーツゼリー2パックとカロリーメイト、玄米のシリアルバーなどを、ウエストバッグに入れて持たせた。

 日本から友達に電話で激励してもらって、ロビーの集合場所へ。他にも、たくさんのツアーグループが集まっていた。「お〜、マサシ!」 ご一緒させてもらうグループの中に、もう一人ペルーで一緒だった人がいた! うれしいサプライズ&久々の再会で、気分もますます乗ってきたみたい。(よかったね〜♪)
 ツアーに参加しているわけではないので、申し訳ない気がしたけど、やっぱり乗せてもらえて良かった。外はまだ真っ暗で何が何やらわからなくて、自分たちだけだったら、辿り着くまでに迷子になりそうだったから。(笑) それに初めてだったから、誰かと一緒というだけで心強いものがある。承諾して下さったツアー会社の人にも、心から感謝です。(ペコリン)

 アラモアナ公園の会場に着いて、バスから降りて出発地点へ。次々に人が集まって、すごい人だかりだ。(参加者は、3万人ぐらい!?) 目標タイム別に、出発地点が分かれている。経験がないから、予想タイムなんて検討もつかない。とりあえず、みっきーさん達と同じ場所へ。
 スタートするのを見届けたいと思ったけど、たくさんの人で邪魔になりそうな気がした。それに、彼も一人になってフォーカスしたいだろうから、私は4時半ぐらいまで一緒にいて、その場所を離れることに。
 もうこれ以上は、何もしてやれない。私も激励したいけど、余計なプレッシャーをかけたくないから、言葉もあまり出て来ない。これから彼は、自分との戦いに入る。あとは、元気に帰ってきてくれることを信じて、心の中で応援するだけだ。・・・まるで戦場に送り出す親の気分。(^^) 後ろ髪を引かれながらも、にっこり笑顔で別れた。


 アナウンスが流れて、次第に盛り上がってきた。5時のスタートの合図に、花火が打ち上げられた。ド〜ン、パ〜ン。お〜っ!! すぐ目の前なので迫力ある〜。 歓声が上がると同時に、ランナーのスタート! 隣の道路からは、車椅子のランナーが猛スピードで走って行った。そのスピードには、びっくり〜! あまりに速くて、写真も残像しか写ってない。(^^) 


 ランナーの最後尾に続いて、レースデーウォーキングもスタート。参加者は、思ったよりも多い。ゴールまで10kmで、それまではマラソンと同じコースになっている。だ。夜明け前で肌寒いかと思っていたけど、1kmぐらい歩いたところで少しずつ汗ばんできた。
 時計台のアロハタワーが見えた。ダウンタウンに入ったようだ。お店の前にサンタさんも出てきたよ。参加者の人たちが、次々に並んで一緒にパチリ。 ウォーキング組は、これだから良い。(^^) ダウンタウンの観光も出来て、一石二鳥だね。(へへへ) 
 ホーンを吹いている天使さんもいた。キラキラ光ってきれい。おっ、あれは! カメハメハ大王だ。「こんにちは、おじゃましてま〜す。(^^)」 これまたゴールド色にキラキラと眩しい。 この時間に来れて正解かも♪


 サンタさんにスノーマン、ゴールドに七色のツリーなどなど、クリスマスのイルミネーションが並んでいる。みんなで写真をパチパチ。私は、キリストちゃん誕生の馬小屋の前で撮ってもらった。(また誕生なのだ〜)


 この辺りが 5km地点。ゴールまでは、あと半分。マラソンの人たちにとっては、ここまでがウォーミングアップになるのかな。 はあ〜すごいなあ・・・。
 給水所のところに来ると、ランナー達が飲んだ紙コップが、道に散乱していた。それをかたずけながら、私たちにもドリンクを差し出してくれた。ご苦労さまです。(^^)

 6時半を周った頃から、少しずつ空が明るくなってきた。淡いピンク色に染まっている。スタート地点のアラモアナに戻ってきた。ショッピングセンターのサンタさんが可愛い〜♪
 空が、オレンジがかったゴールド色になった。あ〜きれいだなあ〜。昨日の夜も、スコールが降っていたみたいね。
 お店の前では、スタッフの人たちが応援してくれている。「がんばってくださ〜い♪」(日本人のお店が多い。) てくてく楽しんで歩いているだけだから、ちょっと照れくさいけど。(笑) マラソンのランナーたちは、この温かい応援の声に励まされるから走れるという。 うん、わかる気がするな・・・。


 カラカウア通りに入り、ワイキキの中心まできた。この辺りから、ウォーキング組もバラバラに。ゴール地点は、ビーチを通り過ぎた先にあるけれど、ホテルの近くに来たので、私も戻った。7時半ぐらいだったから、歩いたのは2時間半ぐらいかな。それで、すでに足が痛かったりするから、日頃の運動不足が・・・。(^^;  マラソンしている人たちは、まだまだこれからなのにね。(すいませ〜ん。笑)

 歩いただけでも、汗をかいていた。ゆっくりシャワーを浴びて、着替えた。何も食べないで出たので、バルコニーに座ってサンドイッチをパクパク。アポロで一休みして、ジュエリーエッセンスを塗り塗りして、9時過ぎに出た。バスに乗ったら、また行き過ぎちゃったので、歩いてゴール地点へ。(バスの番号は合ってるんだけど〜。笑) 

 アスリートなどの上級ランナーたちは、すでに戻ってきている。さすが速い! 日頃から走ったりしてトレーニングしている人や、フルマラソンに何度も参加している人たちは(中級ランナー)、5時間ぐらいだそうだ。制限時間というのがないので、完走を目的にして10時間以上かける人も多いという。自分のペースでOK。それがホノルルマラソンの良いところみたいね。(^^)
 10kmを過ぎたダイヤモンドヘッドの上りの後には、長くて単調なハイウエイが続く。折り返しのハイウエイを過ぎた35kmからが苦しいという。そして最後の上り坂・・・。柾至は、せいぜい体育の授業で走るくらいで、ハーフマラソンどころか、10kmマラソンの経験もない。この日10kmも歩いていない私には、想像が出来ない。40km以上も歩くことさえ大変に思える。(確か、インカトレールで一日に歩く距離がそれぐらいだったかな) 軽く考えていたけど、彼は大変なことにチャレンジしていたのよね。いや、ちゃんと考えていたら、逆に参加させなかったかも。(笑) 10才の時に、インカトレール&アヤワスカをすることになったのも同じで、これが私たちのパターンになっているのだけど。(ほほほ)

 広いカピオラニ公園は、戻って来るランナーたちと、それを迎える人たちでいっぱい。ハワイ島ツアーのガイドさんに教えてもらった、ステージに行って待つことにした。すると、そこにガイドさんもいた。(^^) ステージでは、地元のバンドの人たちの演奏があった。またそこで、ボブマーリーの唄も。(!) それで気持ちが落ち着いてきた。ちょっと心配になっていたけど、大丈夫だと思うことにした。

 ゴール地点に近づいたら、合図で携帯を鳴らすことになっていたけど、じっと座っていられなくて、フィニッシュエリアに行ってみた。この時間には、かなり日差しが強くなっている。戻って来る人も汗びっしょりだ。そこで携帯が鳴った。良かった〜、どうやら無事みたい。(^^) 
 今どこにいるのかな・・・と思ったら、もう一度電話が鳴って、すでに中に入っているという。急いでステージのところに戻ったら、すぐ横の池の前に立っていた。あ〜良かった〜、ちゃんと立っている。(笑)

 ヘトヘトでヨレヨレの姿かと思ったら、まあ何とも清々しい笑顔。その顔を見て、ほっとした〜。全身汗びっしょりだけど、爽やかな顔をしている。 ちゃんと達成出来たんだね! タイムは、5時間56分。後半の途中で、かなり歩いていたと言っていたけど、初めてのチャレンジにしたら上出来だ〜。何よりも、15歳で最後まで完走出来ただけで充分。(パチパチ) たくさん言葉をかけてあげたかったのに、胸がいっぱいになっちゃって・・・。(じ〜ん)

 完走Tシャツを受け取りに行った。いっぱいブースがあって、どこで配っているのかわからず、着ている人に尋ねることに。うつむいて座っていた人に声を掛けたら・・・ん!? テレビで良く見るお笑い芸人の人だった。隣にいるマネージャーさんらしき人と、親切に教えてくれた。名前がすぐに出なくて、何も言えなくて失礼しました。(^^; 
 ホノルルマラソンには、他にもたくさんの著名人が参加しているそうだけど、とにかくたくさんの人なので、すれ違ってもわからないでしょうね。

 各ツアー会社のブースもあって、足を氷水で冷やしたり、マッサージしているところも。完走者にはクッキーやリンゴを配ってて、柾至もパクパク。足を引きずりながら、歩いている人が多い。・・・そうだろうね。まず、フルマラソンにチャレンジしようと思うこと自体がすごいと思う。(そのスピリットを尊敬します!) そして、達成し終えた人のキラキラ輝いている姿に感動し、胸が熱くなってくる。

 爽やかなブルーの完走Tシャツに、ゴール地点でかけてもらった白い貝殻のレイが似合う。記念のメダルももらっていた。改めて、完走おめでとう〜!!
 (マラソンの時に来ていたシャツは、最初のインカトレールの時に着ていたもので、2回目の去年の時も使っていた。スポーツ用なので、速乾性があって伸びが良くて丈夫。普段は使わなくて、彼にとってはチャレンジ用のシャツみたいになっている。^^)

 ステージに戻ったら、ジェイク シマブクロのコンサートが始まるところだった。(わ〜い♪) 最前列の席を取っていたので、ラッキー! 何とジェイクも、マラソンに参加していたらしい。4ヶ月前からトレーニングを始めての初参加だったとか。タイムは5時間20分ぐらいだそうだ。一息ついて、そのままステージに出てきてくれたみたい。(すごいなあ〜) 疲れている感じもなく、また爽やかな顔で。(^^) 
 ウクレレ奏者としか知らなかったけど、目の前で生のステージを観て聴いて、音楽そのままの好青年だったので、柾至も私もすっかりフアンに。(^^) 「タイタニック」のテーマ曲をアレンジしたのも良かった〜。ウクレレだけで、切なさが伝わってくる。この映画には、いろいろ思い出があったので、思わずウルウル。(帰ってから柾至が早速ゲットしてくれて、時々聴いてます。^^) リラ〜ックスして、途中で気持ち良くなってウトウトしたり。ハワイの穏やかな青空の下で、心地良い音楽を1時間以上もタップリと満喫した。これも頑張った人たちへの、素敵なギフトですね。一緒にお裾分けしてもらえて、幸せでした♪


 そろそろ私たちもホテルに戻ることに。柾至も足を引きずっていて、ゆっくりしか歩けない。何とかビーチまで歩いて、海に入って冷やすことにした。しばらく入って、気分も良くなってきたみたい。海が癒してくれたんだね。

 お部屋に戻って、ゆっくりお風呂に入って一休みさせた。アドバイスに寄ると、この時間でベッドに入ったりして長く休みすぎると、一気に疲れが出て動けなくなるという。この日のワイキキの夜は、完走Tシャツを着て足を引きずりながら歩いている人たちが、互いに声を掛け合ったりして、それぞれにお祝いして盛り上がっているそうだ。(^^)

 私たちも、夕方になる前に外に出た。ホテルの向かいにあるバス停で待っていて、やっと気付いたことが。 私たちのホテルには、観音さまたちの絵が描かれていたのです。(!) 同じような絵が描かれたカードを私も持っている。それに良くみたら、屋根もアジアンチック。 ミラマーアットワイキキホテルって、アジア系のホテルだったのかしら。・・・そこで思い出したことが。
 去年のカナディアンロッキーへの旅の帰りに、飛行機が遅れたので台北で一泊することになった。そのホテルも、ミラマー系だった。(カントリークラブのデラックスタイプ) そこでは、熊さんがシンボルになっていたけど。(ロッキーの帰りだったので、それもピッタリだった。) それで、今回はここに泊まることになっていたのね。 (今頃になってわかる。^^) またまた〜♪ ・・・当時のレポートをみると、そのホテルでも旅の最後のメッセージを受け取っていたのでした。(ちゃんちゃん)

 今日は、ちゃんとピンクトロリーバスに乗れた。(^^) ドライバーさんが、陽気で面白い人で楽しませてくれた。 私たちが写真を撮っていると、写真用にレイを差し出してくれたり。(気が利く〜♪) 心地良い風を感じながら、ワイキキの町を眺めていた。


 お目当てのレストランは、和食ビュッフェの「トーダイ」。地元でも人気で、素材が新鮮でおいしいとの評判だ。開店前の5時に着いたけど、すでに並んでいた。(お〜さすが!) 早く来て正解なり。v(^^)v
 お店の中は、かなり広い。メニューは、50種類以上はあるとか。メインは、何といってもお寿司。握り寿司から巻き寿司、お刺身もズラリ。カリフォルニアロールだけで、何種類もあって半端じゃない。どれから手をつけて良いやら。(^^)

 ホタテにアワビ、イクラにサーモン、甘エビにイカ、アナゴ・・・どれもフレッシュでおいしい! 茹でたカニも山盛りに出ていて、お皿に取ったものの、見ているだけでお腹一杯になって手が付けられなかったくらい。お野菜も一杯で、クラブミートサラダやシュリンプカクテル、大きな貝類もおいしい。他にも、うどんやラーメンまであったけど、とてもそこまで手が出ない。(笑)
 デザートには、ミニケーキにプリン、アイスクリームなど。その場で選んでクレープも焼いてくれてたけど、それも限界で無理。せっかくなので頑張ったけど、やっぱり苦しかった。(^^;

 さすがの柾至も、マラソン後だったからか、思っていたよりも食べれなかったみたい。帰りには、寒気がしていたようだ。やっぱり疲れているんだね。 

 その日の夜、みっきーさんから部屋に電話があった。明け方早くに、帰るそうだ。最後に渡したいものがあるということで、部屋の前まで来てくれた。それは、何と金メダルだった。(!)
 それも厚みがあって、重くずっしりとした立派なもの。裏には、「祝 完走 ホノルルマラソン」と日付も彫られていて、ケースにまで入っている。記念にもらったメダルよりも、ずっとずっと豪華。 参加した人のために、わざわざ作ったのだろうか。 それを柾至にまで・・・。
 「ホノルルマラソンに参加した人は、みんな金メダルですから・・・・。」 そう言って、柾至に渡してくれていた。 柾至も驚いていた。最後に、こんなギフトまで頂けるなんて。(それもゴールド!) もう何と言っていいやら、私も金色に輝くメダルを見て、しばらく言葉も出なかった。今も、彼の部屋の目立つところに飾っている。素晴らしい記念のものになった。自分との戦いに勝利したお祝いとして。 本当に、何から何まで、ありがとうございました☆


 地元の日系新聞に、毎年参加している走者のコメントが書かれていた。
 「マラソンは人生と同じ。目標を達成するためには、苦しみをも楽しむこと。自分を良く知り、自分の意志で、体をコントロールする事が大切・・・」

 そのことを、彼も実際に体験して感じたことでしょう。10才のインカトレールに続いて、去年はサンペドロを飲みながらのインカトレール、そして15才で参加したホノルルマラソン。その度に彼も進化し、成長してきている。 頭よりも何よりも、五感をフルに使って、自分の体で理解しながら・・・☆
 
 
 (この写真はカメラスポットで撮られたもので、参加者はそれぞれに見れるようになっていました。笑顔のフィニッシュが見れて良かった。^^)