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聖なるペルーの旅


2001.9.27〜10.10


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10月 1日
 さあ、今日からいよいよインカトレールへ出発。ベッドで寝るのもしばらくお預け。オリエンテーションのときに、一度スタートしたら、最後まで必ず行ってもらうと言われていた。そう、途中何があっても引き返せないのだ〜。だから、前の日からちょっぴりドキドキしていた。朝は、早めに目が覚めたので、部屋の中で軽くストレッチとヨガの太陽礼拝のポーズをしてみた。朝日に向かってお祈りを始め、五十鈴を鳴らすと自然と涙が出てきた。何だろう、これは・・・。ここまで導いてくれたことへの感謝の気持ち・・・それと同時に、これから始まろうとしている大切な何かに対して、先にその喜びを感じたかのようだった。柾至が起きて、教えてもらったイエス様のお祈りを一緒にすると、また涙・・・。
 朝から見事な快晴。この頃には、高地にもかなり慣れてきたので、体調もバッチリで気分も上々! 朝食もしっかり食べて、準備はOK。 バスを待っている間、ホテルの庭でみんなでサークルになり、イエス様のお祈り。そこで、言霊についてエハンから注意があった。言葉の持つエネルギーはとても強く、それは周りにも影響するので、苦しくても愚痴やネガティブな言葉は発しないようにしよう、とのことだった。賛成!! 少し遅れて、アドリエールと数人のポーターを乗せたバスが迎えに来た。荷物を荷台に載せて、出発。
 登山口までの道は、すごいガタガタ道で、こんなところ通れるの?って感じで、途中は線路沿いも走っていた。左手には、ウルバンバ河。その川沿いで編物をしているおばあさんの姿も見られ(右横の写真)、ほのぼの気分。雪で覆われた山がすぐ近くに見え、霊峰の一つであるベロニカの山頂も顔を出していた。約1時間ぐらいで登山口に着くと、ポーター達が待っていた。水や雨具、着替えなどトレール中に必要なものだけ、自分たちでバックパックに入れて持ち、それ以外のものはポーター達が運んでくれる。荷物を並べて、重量を測り、重すぎるものは減らすことになった。ところが、あれれ・・・!? 私たちのバッグが一個ない!バスの荷台を見てもらったが、そこにもない。ホテルに置き忘れたのでは、と言われたが、柾至も他の人も載せるのを見たと言う。と言うことは、途中で落ちたのかもしれない。確かに、あの道だとその可能性は十分ある。ドライバーが、その道を戻って探してくれることになった。バッグは、後で追いついてキャンプ地に届けることになり、私たちは先に出発することになった。
 登山口でサインをして、10時半頃の出発。吊橋を渡ってスタート。(1枚目の写真) マーサが先頭に立ち、エハンはみんなの最後につき、アドリエールがその中間ぐらいに位置した。柾至は、マーサの後につく。この辺りは、標高2800mで土地が乾燥した半砂漠地帯。至るところにサボテンが見られる。1時間ぐらい経って、ようやく屋根の下で休憩。陽射しはかなり強いが、風は冷たくて気持ちがいい。ここは、子供たちもいてペットボトルの飲み物などを売っていた。全く言葉は通じないのだが、カメラを出すと近づいて来たので、一緒に撮って見せてあげると喜んでいた。照れくさそうに、でも興味深げで可愛かった。Y.I さんは、似顔絵を描いてあげていた。途中川を横切ったが、この辺りの水も、天河のように澄み切っていて、きれいだった。しばらく進むと、遺跡が出てきた。パタラクタの遺跡。ここにも、太陽の神殿があったらしい。







 午後1時すぎ頃、ランチのテントへ到着。ポーターたちは、先回りして全て準備済み。彼らは、テントや食料などキャンプに必要な道具や重い荷物を持って、ゴム草履で登り、用意して待ってくれている。彼らのおかげで、私たちはこうしてインカトレールをすることが出来る。彼らの存在は有難く感じた。ランチはパンにチキンに温野菜が一杯。私と柾至は、普段肉はほとんど食べないのだが、この時ばかりはおいしくてきれいに平らげた。そこで、しばらく休憩。私は、川で顔や髪を洗っていた。暑いけれど、湿気が少ないので、汗をかいてもあまりベタベタしない。高地なので、風が吹くと身体がすぐに冷えてくる。ところどころにあるシェルターのような休憩所には、大抵犬がいたので、柾至はいつも一緒に遊んでいた。(私は、待ってましたとばかりにどっと座り込んで休んでいる^^;) この日最後の休憩所には、チチャのお酒もあり、アドリエールは大きなグラスにガブガブ飲んでいた。それで顔色一つ変えないで歩くのだから、パワーの源みたいになっているのかも。今回初めて登山用のストック(杖)を用意して使ったが、大いに役立ってくれた。これがなかったら、とっくにバテていただろう。柾至やみんなは、前の日に杖を買っていた。
 キャンプ地に着いたのは、16時過ぎ頃で予定よりも早く着いた。みんなのペースが早かったみたい。テントは二人ずつで、すでに張られていた。川の水も引かれていたので、バシャバシャと顔を洗った。しばらくすると、洗面器にお湯を持ってきてくれた。もちろんお風呂には入れないので、この中に足をつけて軽くマッサージ。あ〜、気持ちいい〜。それだけでもほっと出来て有難い。夕食時まで、みんなテントの中で休んだ。ここで眠ると、ぐっすり眠って起き上がれないかもしれないので、日記をつけたりしていた。ティータイムもあり、コーヒーに紅茶、コカ茶、ココアなどがある。私はカモミールを飲みながら、ポップコーンをつまんで、ほっと一息。6時半頃に、みんなでダイニングテントに集まって夕食タイム。日が暮れると、辺りは真っ暗。テントに灯されたろうそくの明かりだけ。でもこれも雰囲気があって、なかなか良い感じ。ポーターの中には、コックさんもいるのでちゃんとした食事を作ってくれる。最初に出た温かいトマトスープが、おいしかった!夜になると、気温が下がって寒くなるので、これで温まる。夕食は、いつもパンとスープで始まり、メイン、デザートと出た。今日のメインはお魚で、デザートはバナナのラム酒焼きにチョコソース。みんなで順番に今日の感想を話した。今日は時間にしたら、この4日間の中では短めだったようだが、距離にしたら約16km。(記録更新だ〜) 良く歩いたなあ〜と喜ぶのはまだ早い! まだ1日目が終わったばかりで、明日がこのトレール最大の難所らしい。ワルミワニュスカ 英語ではDead woman's passと呼ばれている道がある。その道はハンパではないらしい・・・。そこでは、凄い浄化が起こることもあるとか・・・。それって一体、どんなところ〜!? あ〜ドキドキする〜。でも、考えても仕方ないので、早く寝ておこう〜。