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聖なる旅 



 黄金の龍宮 編

2010.11.19〜11.22

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 11月21日(後編)
 参道では、鮮やかな黄金色に色づいた紅葉が、風に舞いながら迎えてくれた。受付を済ませて、参集殿内にあるお部屋へ。この中には、大参集場(240名)、小参集場(66名)に、参籠室が24部屋(240名)が収容できる施設がある。
 ここでのお泊りは、「おこもり(参籠)」と呼ばれ、古くから伝わる信仰の風習になっている。金華山は、太白山と同じく、山そのものがご神体で、東奥三大霊場のひとつ。 周囲26kmの大きな山には、この黄金山神社と民宿が一軒あるだけで、その民宿には神社職員が住んでいる。

 聖なる旅やRAINBOW TOUR では、宿泊する場所も大事に考えていた。ただ寝泊りするだけではなく、太陽が沈み、月が昇り、新しい日の出を迎える・・・その間に自然界を媒体として、どれだけのことが為されるのか。それは、エジプトの「昼の書と夜の書」(太陽が永遠に再生され、地球上にいる全ての人を保護していることを示している)や、ピラミッドの働きとしても示されていた。
 
 アリゾナの旅のときは、セドナだけでなく、ザイオン、ブライスキャニオン、グランドキャニオン内にモニュメントバレー、ホピの聖地、ヨセミテ、そしてラズベガス(ピラミッド型のルクソールホテル)でさえも。またエジプトでは、シナイ山や白砂漠の中で過ごし、実際にそのことを体験してきている。そういえば、国内では、「モーゼの契約の箱」があるとされている剣山の山頂で、昇龍の日を迎えたことがあった。・・・ 

 だから今回も、金華山内の黄金山神社で一晩過ごす、おこもりをすることに大きな意味を感じていたのだった。お部屋は、15畳ある和室を二部屋予約していた。外の広いテラスからは、牡鹿半島や海峡が見渡せる。夕暮れ前の柔らかい陽射しが、部屋の中まで降り注いでいた。

   

 日が暮れる前に、やることをやっておきましょう。手水舎の龍神さまに御挨拶をした後で、足が向かったのは奥にある神社だった。すると、そこは「五十鈴神社」になっていて、伊勢神宮の内宮・外宮として、天照皇大御神と豊受大御神が祀られていた。(!) 前回、この神社には気付いていなかったみたい・・・。 それで、お参りをしてから、和龍を納めることにした。

   

 その後は、頂上へと続く道をしばらく登ってから、周囲に和龍を納めることに。一つは、海に注ぐ川の水を浄化するつもりで納めた。あと何枚残っているのかと出してみたら、六枚になっていた。(!) それも、赤い和龍()だけ。太白山で納めたのは、青い和龍()だった。三人で分けて、それぞれに場所を見つけて、祈りと光を込めて納めた。

 青葉神社にいた人は、つい数日前に行って来たばかりだと言っていた。その時は、エネルギー的に穢れているのを感じ、浄化するために、かなりの数を納めてきたという。私たちが前回訪れたときは、厚くもてなして頂いたこともあって、そのような負のエネルギーを感じることはなかった。でも今回、ほかの人からも、訪れる人たちの想念で穢れてきているらしいと耳にしていた。

 わが国最初の産金の地で、唯一の黄金の神・生産の神として信仰されていたことから、現世的な御利益を求めて訪れる人たちが多いようだった。御利益というのは、お参りだけで得られるものとは思えない。祝詞も同じで、そこに真摯な想いが込められていないと、ただ挙げているだけでは、あまり意味がないように思う。神々や高次の存在というのは、言葉に出さなくても、心の奥を全て見通しているから。
 何より大事なのは、日々の行いと想い。その功徳として、その人に相応しいものが与えられるようになっている。だから、パワーが強いとか、神々の力が強い地であるからと、訪れただけでは同じことにはならない。同じ人が、同じ場所に訪れても、その度に起こることが異なるというのもそう。その時のその人の状態によって、土地のバイブレーションでさえも、瞬時に変わっていくことがある。

 その方(男性)が、先に浄化してくれたおかげで、準備されているのが感じられた。そこで私たちが、女性性エネルギーで清めることで、陰陽和合(男性性と女性性・火と水)になる。その意味もあったことが、ここに来てわかった。 
 終わった後、一羽のカラスが真上に飛んできて、しばらく鳴いていた。そして木の間からは、光が射し込んで照らしてくれた。・・・

   

 今日はここまでにして、明日の朝ゆっくりお参りをすることにした。社務所の隣にあるお店に入り、おじさんとしばらく話していた。すると、今ここに外から入っているのは、私たち三人だけだという。つまり、入ってから明日の朝ここを出るまでの間は、完全に貸切状態になっていたのだった。(!) 確かに、呼んで頂いているのは感じていたけれど、そこまで用意されていたなんて。
 大黒天さまと恵比寿さまが、にっこり微笑んでいるのが目に入ってきた。・・・・
 
 お店を出ると、夕焼け空に染まっていた。時間にして、午後4時過ぎ。東北の日の入りは、早い。 参集殿の裏に行ってみると、待機していたかのような鹿がいた。まるで銅像のように、ほとんど動かない状態で、私たちを見ていた。
 そこに、山の上から数頭が勢い良く駆け下りてきた。合図でも送ったのか、次々に奥から出てきて、あっというまにたくさん集まった。(うふふ)

   

 その神鹿たちと一緒に、太陽が沈んで行くのを眺めていた。空全体が、黄金掛かったオレンジ色に輝いていた。

   

 パワフルだけれど、慈愛に満ちた光になっている。太陽は再び、天空の女神であるヌト神の母体の中へ ・・・ ☆

   

 参集殿内の壁には、ヴィーナスを示す薔薇の絵や、参集殿の別名である「鳳龍殿」の書に、弁財天さまの絵も。 この絵には、龍の背に乗って、黄金山神社を守っている弁財天さまと、ピラミッド型の金華山の上空にいる白い鳳凰が描かれていた。本来の働きである金華山を、表しているように・・・。
 
   

 お部屋に戻り、日が暮れた後の空をしばらく眺めていた。午後5時になって、入浴の準備が整ったとの連絡。男女別の大浴場になっていて、湯船の水もシャワーも全て、金華山の霊水になっているという。(!) ここでは、体を清める禊になっているために、「潔斎場」と呼ばれていた。 
 何気なく着替えを入れていた棚は、「33」番だったことに気付いた。 イシス女神の数霊・・・さすが、ピラミッド山。 一番風呂なのはもちろん、ここでも私たちだけなので、ゆっくりと入ることが出来た。

 午後6時から、夕食の時間。その広間の前では、二人の男性が待っていた。お刺身に鮭の焼き物、海老フライに酢の物、海草の入ったお吸い物などなど。全て三人のためだけに用意して頂いて、何だか申し訳ないくらい。
 それに、一本ずつお銚子に入ったお酒まで。(まあまあ) 私は、一杯ぐらいしか飲めないのだけど、弥栄の御神酒のつもりで有難く頂いた。そうそう、お部屋には最中のお茶菓子に、熊笹・柿葉・松葉・よもぎなどの薬草をブレンドした福禄茶まであった。 ここでも、また七福神さまが。(^^)・・・ 何から何まで、ありがとうございます。

 絵にも描かれていたように、「鳳龍殿」とは鳳凰と龍が出入りしている社。 数時間後には、満月になる。その中での夜を迎えた・・・・☆