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聖なる旅


 カナディアンロッキー編


            
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2005.7.26〜8.7
                          

 7月29日
 日が昇り始めた頃、目が覚めた。夜明けの湖は透き通っていて、鏡のように空を映し出していた。湖を眺めながら、ゆっくり朝食。お散歩して、湖の精霊さんにお礼を言って出発した。 Clear Water の精霊さんたちにもよろしくね。・・・後になって、この州立公園が「水の公園」と呼ばれていることを知った。素敵な時間をありがとう♪ 空には、大きな口を空けた雲が現れていた。


  ここからジャスパーまでは、約340km。 1時間ほど走った Blue River で、少し休憩。(写真下左) しばらくして、運転を交替。豊かに流れる川と雪山を眺めながら走った。三叉路のジャンクションの手前まで走り、交替した。ここからハイウエイは、16号線になる。
 しばらく走ると、カナディアンロッキーの最高峰である、マウントロブソン(3954m)が、見えてきた。お〜、これが! 真っ直ぐマウントロブソンに向かって走っているかのように、道の正面に見えるのだ。(さすが風光明媚で有名なビーバー街道!)  ビジターインフォのある、マウントロブソンパークで休憩。公園内には、カフェやレストランもあり、あちこちから訪れた人たちが、のんびりリラックスしている。二人が飲み物を買っている間、マウントロブソンを眺めていた。山の姿をした神の懐に抱かれた気がした。
 そこで出てきたのが、アイスクリーム。 わ〜い!(別に頼んでなかったけど。^^) メープルシロップの味が濃厚で、大きなウォールナッツがタップリ。シングルサイズとは思えないぐらい、ボリュームもあった。かなり満足♪ (ふふふ)


 そこから50kmほど走ったところで、Yellowhead Pass にさしかかった。この峠は、アルバータ州との州境になっている。同時に、標準時を分ける境でもあり、ここで時差が生じるのです。(1時間プラス) おもしろ〜い! 走っている道の途中から変わるなんて、日本では体験出来ませんね。(^^)
 その州境に入ったくらいから、雨が降り始めた。空は、重いグレーの雲の塊に覆われていた。あちゃ〜っ。

 ジャスパーに到着し、ジャスパー国立公園のパークゲートを通った。ここで、バンフと合わせた滞在日数分の公園使用料を支払う。そのレシートがパスになるので、車のフロントに貼っておく。 広い公園内の道を走って、表通りに出たところで、いきなり私たちの宿泊するロッジが出てきた。わ〜い、探す手間が省けてラッキー! 途中で予定を変更していたので、今日は時間を大切にしたかったのだ。
 まだチェックインには早かったので、荷物だけ預けて出発。ジャスパーでの目的であるマリーンレイクへと直行。マリーンロードに入って、1時間ほどで到着。お目当てはボートクルーズ。1時間後の4時のチケットが買えてホっと一息。(5時が最終だった) ガイドブックには、この時期は混雑するので、事前に必ず予約するようにと書いてあったが、私たちはしていなかった。それに、最初のプランでは明日の午後に予定していたから。
 さらに有難いことに、マリーンレイクに向かっている途中から、青空が顔を出し始めたのだ。ありがとうございます♪ (太陽が顔を出す時と、そうでないのとでは、湖の輝きも目に映る光景も全く違ってくる。) 途中にある大きな湖(メディスンレイク)の水が、七色に光っていた。そのメディスンレイクは、秋になると水が消えて、湖底が見えてしまうことから、ネイティブたちが神の御業と信じて、この名前を付けたと言われている神秘的な湖なのです。
 

 マリーンレイクは、カナディアンロッキーの象徴の一つでもあり、これを見ずしてジャスパーは語れないとまで言われている。でもジャスパーは、バンフに比べて交通の便が良くないので、バンフよりも訪れる人が少ないらしい。(確かに、日本人は一人も会わなかった。) バンクーバーの銀行のお兄さんも、ジャスパーに行くと話すと、「そこに何かあるの?」と言っていたくらい。(^^) それでも、私はマリーンレイクの写真を見たときに、行きたくてたまらなくなり、このコースをプランしたのだ。

 待っている間に、ちょっと遅いランチタイム。座るところを探していたら、リスのチップマックが出てきた。私たちのテーブルまで付いて来て、周りをチョロチョロ動いている。パンをあげてみたら、ちゃんと受け取って、くるりと巻いた可愛い尻尾を見せながら、両手で掴んで食べている。(ハグハグ) そのしぐさの可愛いこと! 食べ終わったら、またやって来る。それも、すぐ足元まで近づいてくるのです。話しかけると、わかっているかのような表情を見せる。その可愛さといったら、もう〜たまりませ〜ん♪  しばらくして気が付いたら、その私たちの様子を、周りの人たちが微笑みながら見ていた。(ちょっと恥ずかしかったかな。^^;) 楽しませてくれて、ありがとうね〜♪ 
 その後、駐車場に戻ったところで、今度は森の中から鹿が現れた。わ〜! お耳の中が、少し赤くなっている可愛い鹿さん。私たちの方をしばらく見た後、ゆっくりと森の中へ戻って行った。わざわざ挨拶に来てくれたみたいに。すでに、満足している私。(まだ、これからなのよ。笑)


 お待たせボートクルーズのスタート。ガイドが付いていて、説明してくれている。マリーンレイクは、広さ2066ヘクタール、最大深度は97mを誇るカナディアンロッキー最大の氷河湖。周囲は、壮大な氷河の山々に囲まれている。その氷河から注がれた水は、深さや光によって、色が変化して見える。ここでも、太陽が出ていながら雨が降り、しばらくしたら上がるを、何度か繰り返していた。
 

 40分ぐらいして、スピリットアイランドという小さな島に到着。ここで、15分ほど降りる。この島から眺めるマリーンレイクの風景が有名なのだ。針葉樹が生い茂り、雄大な山々に囲まれている。湖面が、エメラルドグリーンに輝いていた。何て神秘的で、美しい光景。(まさに、絵に描いたような風景) その名の通りに、汚れのない純粋なスピリットを守っているかのよう。 このわずかな時間でも、小雨が降ったり、太陽が顔を出したりを繰り返していた。自然界からの祝福ですね☆


 帰路はデッキに出て、全身で風を感じていた。湖の色は、再びブルーグリーンに変わった。偉大なる氷河の山々に別れを告げて、90分のクルーズも終了。ギフトショップの入り口にいた、大きな熊さんにご挨拶。(ぬいぐるみだけど。笑) 仲間たちにも、よろしくね。


 戻る道で、マリーン渓谷へ寄ってみた。マリーンリバーの水によって侵食されて出来たもので、カナディアンロッキーでも、最大規模の渓谷と言われている。轟音を立てて流れる急流に沿った遊歩道を歩いていく。橋の上からは、高さ50mの谷底を見下ろすことが出来る。わお〜っ! 削り取られた石灰岩の岩肌は、所々がホールになって、何とも不思議な形成。(これぞ大自然の織り成す芸術作品!) 最初の橋には、30mの滝があり、その先の橋には渓谷最大の50mの滝があった。激しい音を立てて、流れ落ちている。(ドドド〜ンって感じ) 大自然の躍動感を感じ、細胞まで刺激され、その場からしばらく動けなかった。






 ジャスパーの町に戻り、日が暮れる前にピラミッドレイクへ。ここにもピラミッドマウンテンと名付けられた山があり、湖に映し出されて幻想的だった。夕暮れの静かな時間を、ほとりに座って過ごした。太陽の光で、目の前に光の道が映し出されていた。「これからも、この光の道を真っ直ぐに歩んで行きますね。」と太陽に誓った。雨がポツポツ落ち始めたのを合図に、帰ることにした。 


 その戻る道で、またまた思いっきり叫んでしまった。「あ〜!」 そう、またしても虹が出たのです! カーブの多い道だから、見逃しやすい場所だったけれど、瞬間的に目に飛び込んでいた。すぐさま車を道路脇に止めて、写真が取れる場所までダッシュ。大きくて、はっきりとした虹色だった。その後、ダウンタウンに入ってからも、まだしばらく見えていた。う〜、ありがとうございます〜☆


 スーパーで買い物した後、チェックインして部屋に入った。シャワーを浴び、夕食を済ませてリラックス。彼は、仕事のメールを出しに、ダウンタウンのネットカフェを探しに行った。しばらくしたら、突然ピカ〜ッと光って雷が轟き、激しい大雨が降り始めた。2回だけだったが、その雷鳴も凄かった。これはもしかして・・・。
 実は今日になって、私の中にネガティブな感情が湧き上がっていたのだ。それは、ちょうどマウントロブソンパークに着いてからのことだった。ほんの小さなことで、古いパターンを繰り返そうとしていた。そして、このロッジに到着した時も。そんな自分が、つくづくイヤになって、何とかしたいと思っていた。(昔と変わらない彼は、全然気付いていない。)
 マウントロブソンの頂上が雲に覆われていたこと、ジャスパーに入ったときの重い空が、それらの感情を象徴的に表しているように感じていた。それでも、マリーンレイクに着く頃には、ちゃんと晴れてくれた。それで救われた気がした。神は、こんな未熟な私でも、まだ見守ってくれているのだと。私の心も次第に晴れてきた。(動物たちは、励ますために現れてくれたようです。) そして、その美しい大自然に包まれ、どんなことがあっても、スピリットとしての美しさは変わらないことに気付いたのです。それから、祝福のレインボーが現れ、最後に雨と稲妻、雷鳴と共に、古い感情を全て洗い流してくれました。(天からのメッセージは、こうした空の動きで表してくれるのです。)
 そのメッセージに気付き、外が静かになった頃、彼が帰ってきた。嵐はネットカフェに着いたくらいのことで、周りの人たちと、「急に何だこれは〜!」と話していたらしい。(^^) ・・・ありがとうございました☆
 彼が柾至に小さい頃のように、ベッドタイムストーリーを話すのを聞きながら、私もいつしか眠りについていた。