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聖なる旅


阿蘇編2003

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2003.5.17〜5.18

5月 18日 (前編)
 昨夜は眠るのが遅かったにも関わらず、4時頃に目が覚めて、そのまま起きていた。わずか数時間の間に、深い夢もみていた。
 私たちの泊まったホテルは、料金の手頃なところとして、Saemiちゃんが探してくれていた。場所が水前寺公園前と聞いて、思わずピンと来るものがあった。名前からして、水に関わりがありそうだなと思っていたら、水前寺公園の水が枯れると、九州の水が枯れると伝えられていることを知った。(行かなくっちゃ!) 園内には神社もあるようなので、朝一番にお参りしてから出発することにした。
 Mikiちゃんだけは、ホテルパックで予約していたので別のホテルに泊まっていた。7時30分の開園に合わせて、ロビーで待ち合わせ。すると、Mikiちゃんの乗ったタクシーの運転手さんが、ここから帰りの空港までタクシーで周ってくれるという。最初の予定では、阿蘇の駅までJRに乗って、そこからタクシーで周ろうという話になっていた。今から乗れれば移動も楽で時間も稼げるし、料金も妥当だったので交渉成立。

 正式名は、水前寺成趣園。約360年前に細川家三代が、この地に御茶屋を設けたのが始まりだそうで、園内は桃山様式の優美な回遊式庭園になっている。まず最初に目に入ったのは、正面に見える山々。東海道五十三次を表した仮山泉石で、一際高い山は富士山を表しているそうだ。私には、その山はピラミッドのようにも見え、同時にこの後に向かう阿蘇の山を象徴しているようにも思えた。私たちが庭園に入ったと同時に、その山の真上に曇り空の中から太陽がおぼろげに顔を出した。池の水は阿蘇の伏流の湧水で透き通り、見ているだけで清々しい気持ちになった。その中で、鯉が気持ち良さそうに泳いでいる。(龍ちゃんの子供だ!) 御神水の長寿の水を頂いて、神苑・成趣園を境内とする出水神社を参拝。この神社は、明治維新の際に、歴代の藩主をこの地に祀って永く報恩の誠を捧げたいと、有志が集って創建されたそうだ。(龍馬ちゃんの時代だ・・・) 記念碑には復興の願いを込めて「光復」と書かれていた。本殿横の立派な五葉の松の木に、HWを撒きながら、九州の水から日本、そして地球全体の水を清めて下さるように祈った。時間があれば、ゆっくりしたかったけれど、運転手のおじさんがそろそろ出発しようと迎えに来た。日曜日ということもあって、阿蘇方面は道がかなり混むので、早目に周りたかったようだ。Saemiちゃんを空港まで送って行き、ここからはまた三人になった。


 次に向かったのは大観峰。阿蘇が一望出来る名所で、一昨年の元旦に金色の初日の出を拝ませてもらったところ。(阿蘇・初日の出編) この日は、ガスが多くて空は曇っていたけど、うっすらと浮かんだ五岳は、より涅槃像らしく見えて神秘的。(写真左) ここに、とっておきの場所があると、山田さんから聞いていたので、行ってみることにしたのだ。頂上の展望台から、細い道を下った先にあるという。途中から道はどんどん細くなり、崖道になった。その先に、それらしき岩が見えてきた。「あんなところまで行くの?」とKazukoさん。確かに、一見するととんでもない場所のように見える。(写真右) でも、ここまで来たら行くしかないのよ。絶対に大丈夫だからと、Kazukoさんを励ましつつ、私とMikiちゃんはペルーのワイナピチュを思い出し、「わ〜ペルーみたい、ワイナピチュ再現!」とはしゃぎながら、どんどん進んだ。(笑) 次第に景色が変わってきた。ところどころに色鮮やかな花が咲き、蝶々たちが姿を見せて、「あと、もう少しよ。」と迎えに来てくれた。そして、今まで見たこともないような金色に光って、カラフルな色の虫が何匹も飛んできて、私たちの周りを飛び交っていた。なになに、一体何があるの〜♪ 


右に出っ張っている岩

 そして到着! その岩は、崖から三角に突き出て平らになっていた。その下は、断崖絶壁状態。(わおっ!) それも、ワイナピチュの頂上に来たみたいで、思わずうれしくなった。あの頃は、まだ高い所が怖くて、岩の上に登っただけでガクガクしそうだった。それだけ高所恐怖症だったのに、なぜかこの時は全然怖くなかった。それどころか、もううれしくて興奮状態。自分でも驚いてしまった。そこから飛びたい気持ちで一杯だった。もう怖くない、今なら飛べる! 両手を広げて、ジャ〜ンプ! ・・・したかったけど、「Miyukiさん、本当に飛ばないでくださ〜い。」とMikiちゃんにも止められたので、今回はやめておいた。(笑) 岩の先端に立って、阿蘇の山の上を飛んでいるイメージを浮かべていた。うぐいすを始めとして、鳥たちが賑やかに鳴いていた。空を見上げると、私たちの上を大きな鳥が旋回している。これがペルーなら、絶対コンドルかイーグルだよねと話していた。私たちにとっては、ここはペルーだった。(ミニミニ版って感じ) 完全に私たちだけの世界だった。ヤッホー! うれしくて、大声で叫びたくなった。阿蘇もペルーと繋がっているのを感じた。今年また訪れるための、ちょっとしたリハーサルと予告バージョン!? 

 再び空を見上げると、大きく羽を広げたフェニックスの形をした雲が浮かんでいた。 あっ、そうだ。五十鈴! 五十鈴を鳴らし、土笛を吹いた。今までとは、違う音色だった。阿蘇の山に静かに響いて行くのを感じた。瞑想をしていたKazukoさんは、この時真っ赤な強いエネルギーを感じたそうだ。しばらくして、その雲を見ると、さっきよりも一段とはっきりとした姿を表し、目が入った(魂が入った)のがわかった。(写真右) 力強く、それでいて優しい目だ。思いっきり手を振った。私もフェニックスのように、思いっきり空を飛んでみたい。私は小さい頃から、何度も空を飛ぶ夢を見ていた。でも、その夢の中ではいつも宙に浮いているようで、グラグラと不安定で今にも落ちそうな感じがしていた。それは、私の中にある怖れや恐怖心を表していたのかもしれない。でも、もう大丈夫なんだ。そのことを教えてくれていた。フェニックスありがとうね〜☆ 


自由に羽ばたいて・・・

見えますか、フェニックスの目

 再び土笛を吹こうとしたら、なかなか音が出なかった。「もう帰ったほうがいいよ。」 そうか、そろそろ戻らないといけないんだね。教えてくれてありがとう。そうでないと、ここから離れなくなるし、まだ次に行くところがあるものね。

 帰りはKazukoさんの足に合わせて、ゆっくりと登った。Kazukoさんは汗びっしょりになって、息が出来ないくらい苦しかったそうだ。一人だったら絶対に行っていないと言っていた。あの崖も見ただけでは、行こうとは思わなかったかもしれない。そこで、昨日の2次会で隣に座った人が言っていたことを、思い出したそうだ。
  「神様は試される、どんな場所でも行けと言われれば行く人かどうかを。そしてその 道があってるかどうかは鳥が教えてくれる、合ってるとお迎えに来る様に目の前を飛 んでくれるし、小さなお出迎えもある」
 その通りのことが起こりましたね。それに、目に見えるものだけで判断したり、やってみる前に出来ないと決めつけないほうがいい。今回も、いざ行ってみると、ケガ一つなくちゃんと帰って来れているし。 腰や関節も痛いからと、動かさないとますます固くなる一方。自分で動かすことで柔らかくほぐれてきて、痛みからも解放される。今はまだキツくても、後できっと楽になれるよと話していたら、実際に首の痛みが無くなっていることに気づいたみたい。良かった、良かった。v(^^)v

 タクシーのおじさんは、遅いので捜しているかもねと話していたら、Kazukoさんが名前を見て気づいたことがあった。おじさんの名前は忠臣さん。その名の通り、私たちのことをお世話してくれている感じだった。そのうえ、小柄で白髪だったので、雰囲気もピッタリ。この時から、私たちの間では親しみを込めて「じい」と呼ぶことになった。(^^)
 
 次は小国へと向かった。その途中で、久々の「林檎の樹」に寄った。まだお昼には時間があったので、店内も空いていて、すぐに入れた。三人ともアップルパイに満足し、お土産のパンも買い込んだ。特製のアップルソフトを食べていたら、Kazukoさんの身体がすっかり軽くなっていることに気づき、気分もすっきり爽快になっていると言っていた。さあ、準備は完了。いよいよ、今日のハイライトへと向かう。。
 
                                               (後編へ続く)