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聖なる旅


剣山編

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2002.5.3〜5.6


5月 5日
 いつものように朝5時前に、松山へ到着。始発のバスに乗って駅へ行き、汽車で今治へ。兄たちが出発の準備をする間、私と柾至は向かいの祇園神社へ行った。お参りした後、ゆっくりと境内を周ってみた。やっぱり朝は清々しくて気持ちがいい。参道脇で、柾至が蝶々を見つけた。じっとして動かない。ケガをして飛べないのかと思い、光りを送っていた。でも実は違っていた。良くみたら、2匹の蝶々が交尾をしていたのだった。黒に緑のラインが入った羽がきれいに重なって、ちょうどMの形に見える。神聖な儀式をしているみたい。(しかも神社の中・・・)もちろん見るのは初めて。 しばらくすると、2匹はくっついたまま飛んで行った。何だかとても貴重なものを見せて頂いたような気がして、思わず感謝☆ 小さい神社だけれど(子供の頃は、広いと思っていた)、とても気持ちがいいところ。夏は、ここで蝉の鳴き声を聞きながら、遊んでいたんだよね。ところで、主祭神は誰だったのかと思い、見てみるとまた須佐之男命! 兄が呼ばれるはずだ〜。これでまた納得!早速、兄にも教えてあげた。近くにいても、気づかないものです。^^; 今だから知らされたってことかな。
 石鎚のハイウエイに差し掛かる頃には、高速も渋滞。ここで休憩して中に入ってみると、石鎚山の写真や本、ビデオが展示されていた。その写真の中には、大日輪や虹などの神秘的な写真が一杯あった。さすが、四国一の霊峰だ。いつかまた登ってみたいな。 ここで買った手作りの巻き寿司と柏餅が、すご〜くおいしかった♪ そう言えば、今日は子供の日だったね。

 思ったよりも時間がかかったので、後はそのまま剣山に行くことにしていた。それが、いつのまにか、かずら橋の近くまで来てしまった。帰りに寄るつもりだったが、これは今行ったほうが良いということだと思い、行ってみることにした。連休だけあって、ずらっと長い列。橋を渡るだけなのに、何でこんなに!? ようやく橋が見えるところまで来て、遠目に渡っている様子が見えた。あんなにゆっくりと渡っていたら時間もかかるわね。・・・なんて思いながら、橋の手前まで来て、ようやく事の重大さに気づく!(笑) うそ〜、こんなの渡るの〜!? いや、知らなくて良かったのかも。30分も並んで、今更引き返せないし・・・。このかずら橋の高さは川から約14m、橋の長さ45m、幅は2m。日本三大奇橋の一つで、重要有形民族文化財にも指定されている。しらくちかずらを利用して作られたつり橋。信じられないことに、足元を見ると隙間だらけ。手すりをしっかり掴もうと思っても、外向きに傾いているし、おまけにゆらゆら揺れている。足がすくんで、動けないよ〜。子供の頃CMであったあの橋は、ここのことだったと気づく。一歩一歩ゆっくりと進んでも、とにかく揺れて怖い。先は見ると、まだまだ長〜い。本当に最後まで辿り着けるのかな。柾至は、そんな私を置いてさっさと行っている。姉は、そんな情けない姿の私を心配して、「大丈夫?」と待っていてくれる。心臓バクバクで (結構怖がりです〜)、もう気が遠くなりそう。中には小さな子供たちもいるし、赤ちゃんを抱っこして渡っている人もいる。ちょっと足を滑らせると落ちても不思議がない橋なのに・・・。秘境と言われているが、ここはちゃんと自然界の存在たちに守られているような気がした。それにしても本当に怖かった。一生に一回でいいな・・・これも貴重な体験だ。(笑)

ちゃんと、掴まってね〜
そんな! この上を渡るなんて・・・

 その先にある大歩危小歩危で一休みして、剣山へ。山の中をくねくねと走る。私も疲れが出てウトウトしていたものの、少し気分が悪かった。柾至も寝ていたが目を覚ました後、ビニールの袋を取り出して戻していた。そこで車を止めてもらった。しばらく休憩しようと外に出たところに民家があり、おばあさんが庭の手入れをしていた。兄が声を掛けたら、お庭を案内してくれた。色取り取りのお花に、珍しい高山植物まであった。わざわざ遠くから写真を撮りに来る人もいるとか。今は一人暮らしらしい。帰るときに、その中の植物を鉢に入れて分けてくれたりして・・・♪ 思わぬところで、いい時間を過ごせた。柾至も気分がすっきりしたみたいだし、私もお花のエネルギーで回復! v(^^)v

 ようやく剣山に着いて、リフトへ直行。何とか間に合った。時間があれば、ゆっくり下から登ってもいいのだが、もう16時半過ぎだったし、荷物を抱えて、また1日登山する力も今日はない。(剣山の標高は1955m。)長いリフトに乗りながら、やっぱり乗って良かったと思う私たち。(^^) そこから、頂上までは約30分。これだけは登らなければいけない。昼間は暑かったが、この時間になると風が冷たくて気持ちがいい。私は一番後ろから、ゆっくりゆっくり登った。次第に霧の中に包まれて、周りが見えなくなる。何て幻想的! いつしか、また一人になる。時々立ち止まって、その世界を味わっていた。ようやく鳥居が見えてきたところで、待っていたかのように太陽がパァーっと顔を出した。わあ〜、きれい! Welcome!って感じで、挨拶してくれているみたい。私もそれに答えた。お待たせ〜、やっと来たよ〜♪ しばらくすると、また太陽は隠れ、空は元の状態に戻った。(ありがとう〜)


 先に着いた柾至たちが、神社の前で待っていた。他の人達は、ちょうど夕食を食べ始めたところだった。出雲に一緒に行ったKさんことMasayoさん達と再会。かずら橋のところで、おいしそうだなと思っていた塩焼きのお魚や、お野菜の煮物にお吸い物から山菜料理まで。実はまだお腹はすいていなかったのだが、どれもおいしかったし、とても残すことが出来なくて、きれいに頂いた。コンサートまで、まだ少し時間があったので、お部屋に入って窓の外を見ると、また太陽が雲の中から顔を出した。それが、普通じゃない!さーっと姿を見せたかと思うとパッと雲の中に入り、またパッと鏡が反射したように銀色に光ってみせる。そこへ、ちょうどMasayoさんが前を通りかかったので、「見て、見て!」と呼んで一緒に見た。「すごいね、何だろうね。何か合図送っているみたいね。」 他の人たちもやってきたところで、さっと雲の中に消えてしまった。カメラを取り出す間もなく、わずかの出来事だった。さっきの鳥居の前と同じ。今でも目に焼きついているけど、本当に不思議な光景・・・。

 そろそろ日が暮れようとする前に、青空が広がったので、みんなで外に出た。宿の人の話では、大抵は雲がかかっていたり、雨が降ったりして、頂上ではほとんど下の景色まで見れないそうだ。特にここ数日は、雨ばかりだったらしい。こんな風に見れることは滅多にないと言われた。(ラッキー!)

 神秘的な山の景色に見惚れていた。そこで目に留まった一つの雲。(左の写真) 「なんか顔みたい。」と柾至。ほんとだ、神様の横顔・・・!?きっと、剣山の神様だ。あっ、もしかしてソロモン! もちろんソロモンの顔など知るわけもないが、私の心の声がそう叫ぶ。そして、一人で納得している。(^^) そういえば、ペルーの聖なる谷の遺跡に彫られていた神様にも似ている。それが何であったとしても、さっきの太陽も、この雲も、私たちがここに来たことを祝福してくれている。それだけは間違いない。(ありがとうございます♪ しっかり受け止めています〜)


 午後7時過ぎに、歌島夫妻のコンサートが始まろうとした。そこで歌島さんが、星が見えそうだということで、みんなでまた外へ。(このノリの良さが好き) 三つの星がきれいに並んでいるのが、良く見える。私は、ぐるっと空を見回していた。その星と反対側の空を見ていると、点滅しながら飛んでいるのが見えた。飛行機だろうな・・・と見ていると、微妙にジグザグに飛んでいる。う〜ん・・・でもねえ〜と思っていると、その先に同じ方向を目指して、もう一つ飛んでいる物体があった。それは、いかにも飛行機です!と言わんばかりにまっすぐ飛んでいて、対照的な飛び方をしている。二つを見比べていた。すると最初の物体が、次第に追いついて行く。えっ! うそっ! そして、一瞬消えた。・・・ということは、やっぱり飛行機じゃない!?この見せ方も、以前見たときと同じ。信じ難い時には、はっきりとわかるように見せる。これも見た人しかわからない。 来て早々、次々にいろいろなことが起こっていた。さすが剣山!半端じゃない。(^^)

 最初にMasayoさんのご主人から、みんなに一言挨拶。7年前にパワーストーンのお店を開き、お遍路さんを泊めるようになったのも7年前。そして同じく7年前にガイアシンフォニーを見て感動し、いつか自主上映をしたいと思い、実現したのが去年。ここに集まったのは、みんなそこからの繋がり。参加者は36人。子供を入れると39人。36は権現の数字らしく、369は弥勒(みろく)。5月5日に、神域である剣山に集まった人たち。全てが偶然ではない。
 歌島さん夫妻の音楽は、独特だった。二人のユニットの名前は、”まほろば”と付けられていた。(またキーワードが・・・) ご主人の松龍さんは、琴を演奏している。それも弾くだけではない。細いバチ(?)を持って叩いている。奥さんの智美さんは、それに合わせて言葉ではない言葉で唄っている。このリズム、声の響き・・・ 初めて聴く音楽なのに、どこか懐かしい。遠い遠い昔を思い起こす。自然と一体になり、自然と共に暮らしていたあの頃を・・・。太陽に向かって、祈りを捧げるように、激しく身体を動かせながら唄っている。そして、「アワのうた」。 私は去年の夏頃から(二度目の天河から帰ったときから)、毎朝の祈りの中に加えていた。ア(天)から始まり、ワ(地)で終わる。私は良く意味もわからないまま、ただ唱えていた。この言葉の持つ言霊に惹かれるままに・・・。このうたが天と地を繋ぐ意味を表していたと、この時に知った。その言葉を、美しい琴の音に合わせて唄ってくれた。そして、みんなで一緒に何度も唄った。(今でも、この唄は好き。柾至も覚えて、良く唄っている。) 言霊の力の眠る、この剣山で・・・。


 コンサートに続いて、Masayoさんが神楽を舞ってくれた。その後で、榊を渡された人は前へ出て踊ることになった。最初はみんな照れていたが、一度踊れば大丈夫。(^^) それぞれに思いのままに、楽しく踊り始めた。周りの人たちは、竹や自然の素材で作られた楽器で、また思いのままに音を出す。古代に行われた祭りを思い出させる。みんなで一つになって踊っていた・・・。最後の締めは、徳島の阿波踊り。みんなちゃんと指導を受けて踊った。(笑) 


出雲の神事で使っていた鐘も鳴らしていた。私にもさせてもらった。不思議な音を奏でてくれる。そして、オーストラリアのアボリジニの楽器を持って来ている人がいた。京都から自転車で来たというKouichiくん。しばらくインドにも行っていたというKouichiくんは、明るくて楽しい人だった。柾至は星を見ていたときに話しかけられて、すっかりKouichiくんのフアンになっていた。大きな笛のような楽器は、音を出すのが難しそう。柾至も教えてもらってチャレンジしていた。(右の写真) アボリジニは、アンコールワットで瞑想中に柾至の隣に出てきて、前世で関係があることがわかっていた。そして、カリンバも持って来ていた。私たちは堀田さんのカリンバの演奏を聞いて、あの可憐な音にすっかり魅せられていたのだ。その後も、いろいろお話していたら、キーワードがたくさん出てくる。インドと聞いて、私はすぐにヨガナンダを思い出したのだが、彼はそのクリアヨガを習いに行ったという。今度はイギリスに行くことを計画しているらしく、しかもフィンドホーン! 沖縄には行って来たばかりだし、いつか私が行きたいと思っていた屋久島にも行っている。京都と言えば、出雲でお世話になった修験者のYさんだが、彼も修験道を学んでいるみたいだし。次々に出てきて盛り上がった。兄も最近、京都やイギリスの人と続けて出会っていたし、おまけに名前も一字違いだったりして。(^^) 一方、歌島松龍さんはREIKIのティーチャーでもあった。出雲で会ったMarikoさんは、神社で撮った写真を持って来てくれた。私が桜の木の間から見える太陽に見惚れて、立ち尽くしているところを後ろから撮ってくれていた。そこに太陽からの光りが降り注いでいるのが写っていたのだ。そのMarikoさんは、秋山さんのことも知っていたし、知人でアートのMarikoさんに絵を描いてもらった人もいるそうだった。Masayoさんからは、今日の記念に全員に水晶をプレゼントしてくれた。剣山の山頂に泊まるだけでも充分だったのに、その場所で素敵な音楽も聴けて、魂の家族と楽しい時間を過ごす。前回見せてくれた、あの剣の雲は、このことを知らせてくれたのかな。(鳴門編で)