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聖なる旅 



セドナ 編



2006.3.18〜3.29
                                                                                                                                      

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 3月22日(前編)
 ホテルには、豪華なビュッフェの朝食が付いていたので、せっかくだから食べて行こうとMC。私は食べることよりも、早く外に出たかった。でも車が雪にすっぽりと覆われていたので、時間が掛かった。昨夜も、かなり降っていたようだ。ホテルを出たのは、7時前になった。

 パーク内を走っていると、太陽が顔を出し、次第に明るくなってきた。雪に陽射しが反射して、キラキラ光っている。 入れ違いに、戻って来る車が多かった。 日の出を眺め終えて、ホテルに戻っているのでしょうね。みんな考えることは同じ。(^^) 私たちは、間に合わなかったけど、必然的にそうなったのなら、それも良いと思えた。 (昨日からは、少し成長しました。^^;)


 さすがグランドキャニオン、パーク内の広さも半端じゃないので、中に入っても辿り着くのに時間が掛かった。
 朝日のポイントである、マーサポイントへ。数あるポイントの中でも、一番人気の場所。特に日の出と日没の時には、たくさんの人で溢れ返っているという。駐車場から展望台まで、雪の中に足跡がいっぱい。こんな季節でも、たくさん来ていたのね。(ハイシーズンの時などは、ゲートに入るまでも渋滞で時間が掛かるのだそうです。)

 ようやく展望台の前に立った。雲の割れ目から、光が射し込んでいる。何て神々しい光・・・。天空から光が降りている。雲が、その光に照らされて輝いている。眩しいくらいだ。胸が込み上げてきて、涙がこぼれた。その光を通して、神の存在を感じたから・・・。言葉も何もなかった。ただ、「ありがとうございます。」と心の中で繰り返し唱えていた。

 
 そして、キャニオンを覆っていた雲が動き始め、峡谷がゆっくりと現れてきた。断崖が、何層にも折り重なっている。 ずっと、ず〜っと先のほうまで。 何てスケールが大きい。何て地球は大きいのだろう。この途方もない広大無辺さを目にすると、日常の悩みなど全く取るに足らないものだと感じる。 私たちが住んでいる地球は、こんなにも美しく、偉大で、素晴らしいものだと知ることが出来る。その中に存在する私たちは、何をすることも可能なのだと思えてくる。小さな狭い世界の中だけで、人生を終えてしまうのが勿体無く思える。私たち自身が心をオープンにすれば、そこには無限の可能性が開かれているのだから。


 しばらくすると、また白い雲がゆっくりと覆い始めた。 交替で柾至と写真を撮っていると、一緒に撮ってあげると声を掛けてくれた。この時は、人もまばらだった。日の出前後はたくさんの人で、写真を撮るのも難しかったかも。 朝焼けの美しい空は見逃したけれど、今日の私たちにとっては、この方が良かったのね。 静かに、自分の内なる世界に入ることが出来たから。それに、今よりももっと気温が下がって冷え込んでいたはず。だから日の出を観たら、足早に帰って行く人が多い。 一方、分刻みで景色が変わるので、なかなか離れられない私たちなのでした。(^^)

 
 
 お隣のヤバパイポイントに来た時は、駐車場から真っ白な雲に覆われていた。それがまた神秘的で凄かった。私たちは、その雲の中にいた。
 風もなく、穏やかだった。昨日の激しい嵐が嘘のように、落ち着いていた。全く、私の心と同じだった。あの雪の嵐が、私の奥に終い込んでいた痛みや悲しみを、浮上させ解放してくれた。もう忘れよう、忘れなければと、解放しないままに蓋をしてしまっていたことだった。もう今更、何をしても終わったことだからと。でもそうして、見ない振りをしたままでは、ずっと残ったままなのだ。今よりも前に進みたければ、もっと自分を活かしたいと思うのであれば、より深い癒しをすることが必要になる。クリアにすればするほど、そこに新しい光が生まれてくるから。そして、新しい力が加わってくる。 
 昨日は春分の日。毎年この日には、必ず何かが起こっていたけど、今年は嵐まで呼んでしまって。(笑) 龍神さまから、雪の精霊さんたちも、お世話になりました。そして、いつも温かく見守ってくれている太陽神にも、心から感謝します☆


 その後、ブライトエンジェルロッジの中へ。(エンジェルちゃんにも、お世話になりましたね。^^) 暖炉の前で、冷たくなっていた足先を暖めた。カフェで軽く下ごしらえをして、ゆっくり一息。焼きたてベーガルやブルーベリースコーンなどが、おいしかった♪ 
 ロッジの裏にある、ルックアウトスタジオからは、イシス神殿やブッダ神殿が、頭の上のほうだけ姿を見せていた。まるで天界に浮かんでいるようだ。ここは、一体どこの世界なの!?って感じ。(^^)
 他にも、ヤキポイントからはヴィシュヌ神殿というのも見えるそうだ。 ここもこうして、神殿の名前が付けられている。そう、昔の人々はわかっていたのですね。自然界の中に神が存在することを。

 コロラド川まで降りられる長いトレイルもある。谷底トレイルだ。馬に乗って降りるツアーもある。(それはラクチンかも。写真右) でもさすがに、今日は止めておきます。(笑) 
 また、ルックアウトの断崖には、カリフォルニアコンドルの巣もあるらしく、日没前に飛んでいることもあるという。この辺りかな・・・雪で何も見えないけど、御挨拶だけしておいた。コンドルちゃん、元気でね。 またいつか会いましょう。 その代わりに、野生の鹿ちゃんが登場。わ〜い、ここでも会えてうれしいな♪


 その後、幾つかのビューポイントを周った。それぞれのポイントで、見える景色が全く変わってくる。
 モーランポイントには、シヴァ神殿とソロモン神殿もある。どれかな〜と展望台に立って眺めながら、ふと足元に視線を落とした。
 え、えっ! 自分の目を疑った。 雲の上に、サークル状の虹が映し出されているのだ。 こんなところに!? 一瞬、目の錯覚かもと思った。良くみると、幾重にも重なっている。わ〜、すご〜い! こんなの初めてみた。しかも、虹を見下ろすだなんて。 最初で最後よね、きっと。 もううれしくて、ず〜っと眺めていた。すぐに消えてしまうんじゃないかと思って、何枚も写真やビデオを撮りまくっていた。 

 シヴァちゃんも、いつもありがとうございます。おかげさまで、古いものを破壊することが出来ました。そして、今度は新しく創造していきます。この虹の祝福を胸に・・・☆


 この頃には、青空が広がっていた。真っ青な空に、白い雲と白い雪。そのコントラストが、素晴らしい。その虹は消えることなく、いつまでも見えていた。私がずっと足元を見下ろして、写真を撮ったりしていたので、他の人も見にきたりして。(ふふふ) するとまた、「一緒に写真を撮りましょうか。」と声を掛けてくれた。 どうやら、私たちはカップルと思われているようだ。あらら。(可愛そうな柾至くん。よしよし 笑)


 駐車場に戻る前に、また柵を越えていく柾至。雪の中を、ズボズボ入って崖っぷちへ。 あら、楽しそう♪ 私もギリギリ崖っぷちに立って、はいお立ち台のポーズ。v(^^)v 通りかかった若いお父さん、「ワオ〜ッ!」 (お子さんには真似させないで下さいね。^^)
 爽快だ〜♪ このまま峡谷の中へ、ダイブしたら気持ち良いだろうなあ〜なんて。(笑) お空に帰る時が来たら、私はこうして帰りたい。大自然に包まれた状態で帰れたら、こんな幸せなことはない。そんなことを考えていた。・・・でも、その前にすることしておかなくっちゃね。(は〜い)


 リバンポイントは、穴場だ。アポロ寺院というのもあり、峡谷の中を走るコロラド川から、谷の奥深くまで見渡せる。ここでは雲が消えて、くっきり見えていた。見せる時には見せてくれる。この演出が素晴らしい。感謝・感謝。(^^)


 最後に、デザートビューへ。(お待たせ〜♪) Watch Tower の中へ。タワーの中は、先住民の遺跡からデザインを写したものが施され、階段の手すりまで動物の皮などを使っていて、すごく凝っている。丸い吹き抜けになっていて、その周囲は黒と白のサーペントがぐるり。やっぱりサークルなのね。(それで、さっきの虹もサークルだったのかも。) 壁にもペトログラフの遺跡の絵が描かれている。天井の壁画には、コンドルらしきものも。


 トップの展望台は、パノラマの絶景だ。宇宙船のような形の山もあり、ペルーのシユスタニ遺跡から見えた島を思い出した。 嵐で何も見えなかった昨日と同じ場所だとは思えない。でも、その経験があったから、良くわかるのだ。大自然の偉大さを・・・。私たち人間には、コントロールすることなど出来ない。人間の力など、到底叶わない。私たちに必要なのは、抵抗しないで委ね、この大自然と繋がり、同調すること。そして、大事なのは慈しむこと。そうすれば、大自然は最大の恩恵をもたらしてくれる。 大自然は、神そのものなのだから☆


 一階にあるギフトショップで、先住民の人が機織りをしていた。ネイティブのグッズもいっぱい。その中で、柾至はメディスンホイールを選んだ。十字と輪で構成されたマークで、先住民のシンボルになっている。説明によると・・・輪は始まりも終わりもないという世界観を表し、4つの方角や色、人種、季節、人生などをはじめ、さまざまな意味を内包し象徴している。十字は神聖な数、バランス、調和などの「4」を表し、輪はすべてのものと自分は繋がっているという意味の「円」であったりするという。なるほど・・・。一つ一つが繋がっていく。

 カフェで、アイスクリームタイム。昨日は、とても食べる気にはならなかったけど。(ほほほ) お店のおじさんが面白かった。カップを受け取ったら、自分で好きなだけ入れるようになっていた。(ではお言葉に甘えてタップリと。笑) おいしかった〜♪ (満足、満足) 


 もうこれで思い残すことなし。空は、鮮やかなブルースカイで、鮮やかだった。青と白のコントラストが、目に眩しいくらい。本当に、昨日はどうなることかと思ったけどね。(ふふふ) 私の古いエネルギーまで受け入れて、解放させてくれたグランドキャニオンには、心から感謝します。 ありがとう、また必ず戻ってきますね。(お礼参りに。^^)

 ・・・・・この旅から帰って、約2ヵ月後のこと。アメリカ在住のRumikoさんから、「ホピ民族は、グランドキャニオンの割れ目を通って,異次元から地球に入ってきた。」という話を偶然聞くことになった。(!) この旅で、グランドキャニオンに訪れることにしたのは、セドナからも2時間と近かったので、セドナ滞在中にドライブで寄るぐらいのつもりでいた。それが、導かれるままに予定が次々に変更して、グランドサークルまで周ることになり、春分の日に入ることになった。実際に来るまでは、有名な観光地の一つぐらいにしか思っていなかったのに。
 やはり、ガイドブックや写真を眺めているだけでは、わからないのですね。 何も知らないまま(思い出さないまま)訪れていたけれど、自分で体験することで感じ取ることが出来た。だから、この話を聞いた時には、その意味も自然と納得出来たのです。 峡谷の中に、思わず飛び込みたくなったのもね。(笑)

 後編は、次ページへ続きます。