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聖なる旅 



セドナ 編



2006.3.18〜3.29
                                                                                                                                      

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3月21日(春分の日)
 昨夜は早目にベッドに入ったものの、1時頃に目が覚めて、朝までそのまま。またまた頭スッキリ。(^^) その間に繰り返し浮かんでいたことは、「大自然と繋がることの大切さを、人々に伝えること」 だった。
 5時過ぎに起き上がり、準備して外に出ると、車の上にまた雪が積もっていた。夜の間も、降っていたみたいね。しんしん降る雪と一緒に、自然界のエネルギーも降りていた。眠れないはずだわ。(^^)

 チェックアウトしたものの、外はまだ薄暗かったので、ロビーでしばらくゆっくりすることにした。暖炉の炎の前に座り、Diaryを書いていた。7時頃になって、キリストちゃんに御挨拶を済ませてから、出発することに。
 もう一度、ブライスキャニオンの中に入るつもりで向かっていた。パークの中には、フェアリーランドポイントや、サンライズポイントなど、まだ見所があったから。でも、その手前まで来てから、今回はここまでにしようと思い、Uターンして先に進むことにした。凍った雪道で走りにくかったのと、まだ空が雲に覆われていたので、これでは眺めることが出来ないかもと思ったから。(・・・この決断が正解だった!) それに、ナチュラルブリッジやレインボーポイントなど、今回は道路封鎖で行けなかった場所もあるから、またいつか戻って来ることが出来るような気がした。(お取り置きだ〜♪)

 
 辺り一面、雪景色。道もゆっくりしか走れない。ボンジョビの「クラッシュ」のCDを掛けた。スローでしっとりした曲だったので、雰囲気にもピッタリ。

 レッドキャニオンに来た。半分を雪で覆われた大きな岩が連なっている。シーズン中は、馬に乗って周るツアーもあるそうだ。ビジターセンターの手前には、トンネルのようになったナチュラルブリッジがある。これもゲートになっていたのよね。車を停めて、写真を撮ることにした。一通り撮り終わって、車に乗り込もうとしたところで、ふと空を見上げると、また雲が虹色に!! わ〜、きれ〜い!! 


 そうして眺めていると、その雲の間から太陽が顔を出してきた。わ〜っ! そして、その光がレッドキャニオンを照らし出した。わ〜、きれ〜い!(またこればっかり。^^) 今日は雪で曇っていたので、朝日は諦めていた。 だから余計に、うれしかった♪ ブライスキャニオンの代わりに、ここで観せて貰えるなんて感激。 それも、もしかして最初からプラン済み!? (ふふふ)  お心遣いありがとうございま〜す♪



 また数分後には、厚い雲の中へと隠れた。でも走っていると、今度は光のカーテンのようになっていた。雪景色から、広い平原になった。またその中に大きな岩山が、次々に現われる。赤い山もあれば、白い山も。映画の「砂の惑星」を思わせる景色も続いていた。(ここで撮影したかと思うくらい。^^)

 Kanabキャニオンを過ぎた頃には、また吹雪になり、真っ白な世界になって、何も見えなくなったり。(この時間は眠くてたまらず、ほぼ熟睡状態。^^) わずかな間に、お空も景色もガラリと変わるので、ずっと眺めていても飽きることがない。


 真っ直ぐな道で、ほとんど車もなかったので、交替して運転することに。ここでは、ノリノリのボンジョビにしよう。(るんるん♪) Big Water と呼ばれる場所まで走った。遠くに湖が見えてきたところで、また雨がポツポツ落ちてきた。(とってもわかりやすいサイン♪) とうとう、4つ目の州であるアリゾナに入った!

 グレンキャニオン ダムにあるビジターセンターで休憩。コロラド川を堰き止めて作られた、高さ216m、幅475mの大規模なダム。このダムによって、アメリカで2番目に大きい人造湖レイクパウエルが誕生した。ただその一方で、偉大なグレンキャニオンの峡谷が姿を消すことになっていた。・・・。
 このダムは、国の重要施設のため、ビジターセンターへ入るにもボディチェックがあった。カメラなども中に持って入ることが出来ない。かなり警備が厳しいので驚いた。中では、ダム建設の写真やビデオなども上映されていて、ガラス越しに巨大なダムの全貌を観れるようになっていた。その桁違いのスケールに、また溜息。(^^) グレンキャニオンは、グランドキャニオンよりも美しいと言われていたという。それだけが残念・・・。ダムの周辺には、キャニオンの面影だけが残っていた。でも、このダムのおかげで、美しいレイクパウエルが訪れる人の心を和ませ、町が栄えるようになったとのこと。グレンキャニオン、ありがとう ☆


 湖が大好きな私は、レイクパウエルで泊まろうとしたけれど、途中でブライスキャニオンに変更していた。レイクパウエルの入り江の奥には、世界最大のナチュラルブリッジであるレインボーブリッジがあるが、今はシーズンオフなのでボートが出ない可能性の方が大きかった。それで、今回はアンテロープキャニオンだけを見学することにしたのだ。(おかげで、昨日は雪の洗礼も受けられたしね。^^)

 おっと、そうこうしている内に、ツアーの予約時間が近づいてきた。アンテロープキャニオンは、ナバホ族居留地内にあるので、個人で見学することは出来ないから、ツアーに参加するしかない。私たちは、事前に11:30のツアーに予約を入れていた。地図は用意していたものの、どうもオフィスがわかりにくい。ペイジの町を、しばしグルグル。その間に、たくさんの教会の前を通った。(次々に出てくるのは教会ばかり。^^) ちょっとハラハラしたけど、ようやくオフィスが見つかった。ツアースタートの10分前だった。(ほほほ) 良かった〜♪ そこでわかったのです。もし今朝、またブライスキャニオンを周っていたら、おそらくこのツアーには間に合わなかっただろう。 雪が降っていたおかげで中止して正解! 全ては完璧。雪の精霊さん、ご協力ありがとうございます♪

 このツアーには、専用のオフィスが幾つかあるようだ。ガイドは、もちろんナバホの人たち。2台の車に分かれて出発。私たちは、中年のご夫婦と一緒。20分程、走ったところに出て来た。大きな岩の割れ目から、中に入って行った。

 波のように美しくうねった岩肌に囲まれた、狭くて細長い道を歩いていく。岩の高さは20mぐらいある。そこに太陽の光が差し込むと、ピンクオレンジの岩が光で輝く。 お〜っこれが! この幻想的な美しさ、何と表現したら良いのだろう。光が螺旋状に揺らめいている・・・。
 これも全て、大自然が造り出したもの。砂漠に降るスコールが鉄砲水となり、砂丘が固まった柔らかいナバホサンドストーンを浸食して出来たものだという。そのパワーは力強いものだけど、緩やかにカーブを描いた岩は、繊細で美しく女性的だ。神秘な女性の身体を連想させる。それも胎内にいるような感じかも。 この美しさも、光が加わることで輝いている。 光が射し込まないと、薄暗い眠っている洞窟のようなのだ。この光と影のコントラストが素晴らしい。影があるから、光の美しさが際立つ。 そして、光と一体になることで、新しい色が加わり、さらに新しい光を生み出すのだ。


 こうして、地面にまで光が届くのは、一日の内に正午前後だけだという。それで、この時間のツアーを選んでいた。(間に合って良かった〜♪) さらにベストなのは、太陽の陽射しが最も強くなる7〜8月。その時期は、幻想的な紫の光が強く加わり、美しさも際立つという。 一方、もし雨が降って、鉄砲水が流れ込むと危険なので、その時は入れない。この日は朝から雲っていたけれど、この時間には太陽が現われてくれて良かった〜。それだけで、見える景色も全く変わってくるから。 ありがとうございます☆

 
 その岩の形も、いろいろなものに見えていた。スフィンクスに、ナバホのチーフの横顔などなど・・・その人のイマジネーションで感じてほしいと、ナバホのガイドさんも言っていた。全長は150mくらいだけれど、説明を聞きながら、ゆっくり時間をかけて周っていた。

 この美しさを、少しでも収めておこうと、写真とビデオを取り巻くっていたけれど、砂には要注意。時折、細かい砂が降ってくるので、その時にレンズを上に向けると砂が入って、カメラが故障する場合も多いという。
 光が当たっているところに、砂がふわ〜っと降りてくると、神の手からこぼれるビブーティのようで、その神秘さに思わず声を上げた。
 

 出口に出ると、やはり胎内から外に出たような感じで、ペルーの再誕の儀式を思い出した。 今度は、明るい光の通路を通って出てきた感じ。(^^) 
 「光は、光によって導かれる。」 その言葉が浮かんできた。(写真左 ハートになってます♪) 大自然が創り出した、この柔らかく繊細で美しい光。私は、こんな光を放ちたい・・・☆
 
 再び折り返して、時間まで自分たちで、もう一度ゆっくり周ることにした。すると、どこからか美しい笛の音色が聴こえてきた。その音を辿って戻ると、キャニオンの中で吹いている人がいた。ネイティブインディアンフルートだ! この美しい光が渦巻く中で、私の大好きな笛を聴くことが出来るなんて・・・もう夢の中にいるようだった。
 私が生の演奏を聴いたのは、4年前に初めて参加したSTSのセミナーのコンサートだった。忘れもしない堀田峰明さんの「メサ」の曲。胸が震えて泣いた。魂の奥から、何かが呼び起こされるような感覚だった。懐かしくて、懐かしくてたまらない。そして、ようやくその時期が来た。私のもう一つの魂の故郷に帰る時が・・・。


 
その人は、別のツアー会社のガイドさんだった。他の人を案内していたので、お邪魔にならないように離れて聴いていたけれど、外に出た時に柾至を見て、「君はまるで、僕たちの家族みたいだね。僕の弟のような気がするよ。Welcome to Home !」 
 そして、もう一度私たちの前で、一曲演奏してくれたのだ。もう〜感激だった。(&しあわせ♪) その美しい音色は、今でも耳に残っている。彼は、30代ぐらいの穏やかな顔をした人だった。そして、握手をして別れた。素敵な時間を、ありがとうございます☆


 
 再びペイジの町に戻り、私たちはグランドキャニオンへ向けて出発した。ここからは、約3時間ぐらいのドライブ。途中で、また少し運転した。ところどころに雪が積もっていた。しばらくしたら、正面に大きな雲の固まりが現われた。でも、その真ん中はポッカリ開いていて明るい。グランドキャニオンが近づいているのね。私たちは、その中に向かって走っていた。

 広い広いパーク内に入ったところで、車を止めて覗いてみた。お〜っ! ここは、まだまだ入り口に過ぎない。そのうち雪がどんどん降り始め、風も強くなってきた。それでも、予定より早く着いていた。午後3時半ぐらいだから、これからグランドキャニオンをゆっくり楽しめると思っていた。
 まず、デザートビューへ。ここには、有名な展望台のタワーがある。駐車場に停めて降りたものの、外はすごい大吹雪。当然のことながら、辺りは真っ白で何も見えない。あらら〜。インフォセンターやお店もあるので、まずは建物の中へ。すでに、私たちも雪で真っ白。(ふ〜っ) せっかく早く着いたのに、これでは景色はもちろん、身動きも取りにくい。次の場所に移動することにして、パークの中心でもあるサウスリムビレッジへ。


 その途中にも、絶景ポイントが一杯あるのだけれど、そのまま通り過ぎないといけなかったので、また残念・・・。標識やサインすら、雪で良く見えないのだ。 ようやくビレッジの中の、マーケットプレイスへ。ギフトショップやカフェなど何でもあり。お店の中を散策したりして気を取り直し、カフェで温かいスープを飲んで一息。窓の外を見ると、とても止みそうになくて、今度ばかりは私もがっかりした。
 グランドキャニオンは、とにかく広いので見所も一杯ある。一泊だけだったので、少しでも時間を有効に使おうと、ここだけは周りたいというポイントを、事前にしっかりチェックしていたのだ。だから、こうしてじっとしている時間が勿体無くて、じれったくなっていた。(はあ〜っ) ・・・重い溜息を一つ付くと、運が一つ逃げて行くというのを実践しているかのように(笑)、この後は思うように進まなくなった。ブライトエンジェルロッジを探そうと出たけれど、なかなか見つからない。道が一方通行ばかりだったし、周りの景色が良く見えないので、一体どこを走っているのやら。
 そのうち、雪がおさまった。やったね! ・・・と同時に、空が染まり始めた。あ〜、もう日が暮れる時間になっちゃった。どこのキャニオンも、夕日と朝日の景色が一番素晴らしいという。グランドキャニオンも言うに及ばず。 夕日のポイントがある、ウエストリムへは一般車は入れないので、シャトルバスを利用するしかなかった。何とかバス停を見つけてダッシュしたものの、今日は運行していないという。あ〜ん、そんなあ〜。その一方で、お空は次第にゴールドからオレンジ、濃い赤紫色と染まっていき、何とも幻想的できれいだった。 あ〜これを峡谷で観られたら、どんなに素敵だっただろう。せっかく雪が止んだのに、辿り着けなったことが残念でたまらなかった。


 これらの出来事が引き金のようになり、私の中で抑えていた感情が、一気に噴き出してきた。もう自分でも、途中で止めることが出来なくなっていた。たくさんの涙と共に、次々に流れ出してきた。一通り出し切った後、少しずつ落ち着いてきた。それから気付いた。外は真っ暗だったからわからなかったけど、いつのまにか私たちはブライトエンジェルロッジのすぐ前に来ていたのだ。まあ〜、エンジェルちゃんたら・・・。その意味がわかり、心がさらに溶け出してくるのを感じた。

 それからパークを出て、私たちのホテルへ。 このホテルも、すごく良かった。お部屋も広くて素敵。でも、まだはしゃぐ気分までには復活していなかった。涙で泣き腫らした鏡に映った顔を見ると、あまりの酷さにまた落ち込みそうになったくらい。(今思い出すと笑えるけど。^^)  それでもせっかくの夜なので、プラン通りにすぐ向かいにあるIMAXシアターへ。
 ちょうど、今夜最後の上映が始まるところだった。 ネイティブたち先住民の生活の様子から、白人たちがキャニオンの川を下りながら、大峡谷の中を探検していく様子を描いていた。とにかく凄い迫力で、臨場感もタップリ。自分たちもその中に一緒に入って、大冒険を体験しているようだった。その素晴らしい大峡谷の中に入っていながら、まだその姿をこの目で見ていない私たち。(ははは) そのことも笑えた。(^^) そして翌朝になって、その答えがわかることに・・・。