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聖なる旅 



セドナ 編



2006.3.18〜3.29
                                                                                                                                      

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3月20日(後編)
 ザイオン マウントカーメル ハイウエイを通って、次の聖地であるブライスキャニオンに向けて出発。トンネルの手前にはグレートアーチ。長いトンネルを抜けると、オーバールックからは、再びザイオンキャニオンが眺められる。チェッカーボードメサを過ぎると、ザイオンの東口ゲートに出た。
 
 さらに、北上していく。少しウトウトして目を覚ましたら、周囲は雪景色に変わっていた。おっと〜いつの間に! 
 道も単純だったので、そろそろ運転してみようかなと交替することに。走り始めてすぐに、変なニオイがし始め、何やら前から煙のようなものが・・・!? 
 車を止めてボンネットを開けてみていると、通りかかった車が止まり、二人組みの男性が声を掛けてくれた。中をチェックしてくれて、ラジエーターの水が漏れていたことがわかった。「すぐ先にGSステーションがあるから、入れてもらうといいよ。」とのこと。まあ、ありがとうございます。私はもちろん、MCも車には詳しくないので助かった。すぐに止まってくれたことにも感激。 爽やかな笑顔で、とっても感じの良い二人だった。(私には、天使のように感じました。^^) 

 GSステーションで入れてもらったけれど、その場でまたすぐに流れて出てしまった。車が熱いまま入れたからみたい。 80歳近くの可愛いおじいさんだった。(まっ、いいか。^^) それで、そのすぐ先にあるメカニック専門のところへ移動。若くてとってもプロフェッショナルなお兄さんが、手早くチェックして対応してくれた。(その仕事振りにも感心。) どうやら、プラズマXを入れた時に、ラジエーターのフタがしっかり閉まっていなかったのが原因だったみたい。 つまり、昨日の出発の時から漏れていて、見事に空っぽになっていたのだ。良くここまで何もなく、山道を無事に走ったものだ。これがザイオンパークの中だったら、もっと困っていたと思う。(周りにお店も少ないし、朝早かったからほとんど閉まっていた状態だった。) これもプラズマちゃんと、GSを補給する度に入れているA1Wのおかげだったかも。(感謝感謝☆) おまけに、お兄さんのアドバイスで、ハーツのオフィスに電話して報告しておいたおかげで、さっきGSで入れた分や、ここでの費用は返って来ることになった。 何から何まで、ありがとうございます。(^^)

 ここからは、またMCの運転に。(^^) しばらくすると、赤い岩群が見えてきた。これがレッドキャニオンだ。お〜っ! でも今日の目的は、まだ先にある。再び雪平原の景色になり、私達が今夜泊まるモーテルの看板が出てきたので、迷わず到着。「Ruby’s INN」は、ブライスキャニオンのゲートに最も近くて、大きなモーテル。レストランから、GSステーションにジェネラルストア、郵便局にハーツのカウンターまで、何でも揃っていて便利。
 先にチェックインをして、洗濯をしておくことに。コインランドリーは、私たちのお部屋のすぐ近くだったのでラッキー! その間に軽くランチを済ませ、モーテルの中を散策。ストアも広くて、お土産グッズから、日用品に果物・野菜に食料と、一通りのものは何でもあり。グッズコーナーには、クリスタルやストーン類も一杯。その中で、最初に目に留まったのが、ナチュラルブリッジのストーン。天然の石でグラデーションも素敵。そのブリッジの形が二つになったものを選んだ。ナチュラルブリッジの石は、キャニオン周辺であれば、大抵のお店にあるので一つは手にしておきたい。それと、暖かそうなフリースのジャケットも。ここまで気温が下がるとは思っていなかったので、薄いブラウスと軽いジャケットしか持って来ていなかった。(暑いイメージしかなかったもので。^^;) でも、そのおかげで、お土産も兼ねて良いものを買うことが出来た。(へへへ) カナダ製で馬さんの絵があり、落ち着いた赤でサイズも私にピッタリ。柾至も、またピッタリのものを見つけたし。(この後、早速お役立ち。^^) とっても良い買い物が出来て、うれしい♪ (ふふふ)

 お洗濯も終わったところで、ブライスキャニオンの国立公園の中へ。ゲートをくぐって走っていると、正面に大きな雲が出てきた。 その雲が太陽と繋がった。 良くみると、太陽の周りは淡い虹色に。 わ〜彩雲だ〜。車を止めて、ゆっくり見ようとすると、その時にはもう消えかかっていた。写真に残せなくて残念だけど、これも良くあることなのよね。(^^) その雲は大きな羽のようでもあり、太陽と一つになると、雲全体まで光り輝くようになっていた。(改めてみると、太陽の上にお顔が・・・! しかも凛々しくて、とってもハンサム。写真左)
 

 まず、Swampキャニオンのポイントで、降りてみた。尖塔群フードゥーとのご対面だ。お〜、これが! 断崖の上から見下ろす光景は圧巻。城塞のようだ。何という世界だろう。目の前に広がる景色に、出るのは溜息ばかり。 展望台の周囲は、真っ白な雪。久々の雪景色に喜ぶ柾至。キラキラ光る雪の上を、足跡を付けて楽しんでいた。(わかるわかる、その気持ち。^^) 


 さらに奥に進んだ。積雪のため、ファービューポイントまでで、その先は封鎖になっている。そこから戻って、お薦めポイントを周ることに。馬蹄形をしたブライスポイントの手前には、インスピレーションポイント。ここは先の尖った尖塔群の形が良く見える。大自然が作った彫刻、素晴らしい芸術。 場所によって、見える光景が全然変わってくる。何て広大な・・・スケールが大き過ぎるよ〜!!
 

 サンセットポイントからは、有名なトレイルがある。その名も、ナバホ ループ トレイル。展望台から見下ろすと、大きな岩と岩の間が開いている。あそこか・・・。よし、行ってみよう!と、トレイルの入り口を探すと、その先はツルンツルンの氷の道になっていた。おっとっと! 同じく、トレイルをしようとしていたカップルは、それを目にして諦めた様子。あら〜残念・・・行きたかったなあ。

 一度は諦めようとしたものの、後ろ髪を引かれる。「大丈夫だよ、行けるよ。」と柾至。実は、その言葉を待っていた私。(^^) つづら折のいろは坂のようになった坂道を見て、危ないから止めたほうが良いとMC。確かに上から見下ろすと、トレイルは雪で覆われているので危なそうだけど・・・途中まででも良いから、行けるところまで行ってみようか。そうして二人で出発。


 数分後には、やっぱりヤバイかもと思った。手すりがあったのは、最初の数mだけ。後は、掴まるところがない。とにかく足元が滑る、滑る。おまけに下り坂。あ〜、北海道で使った滑り止めがあったら、すごく役立ったのに〜。(まさか、こんな雪とは想像も付かなかったもので。笑) でも行くと決めたから、もう少し行ってみよう。

 雷神のハンマーと呼ばれる、ユニークな岩も出てきた。そのうち、少しずつ慣れてきた感じ。(バランスを取る練習なり。^^) このツルツル滑る感じも、面白くなったりして。わざと、わ〜!とかキャー!とか、思いっきり声に出しながら、遊んでいた。(笑) そのうち、超楽しくなってきた。何しろ、周りには誰もいないので、二人で好き放題。柾至は、わざと滑ってみたり、雪の中に突入したり。そう、転んでも雪だから大丈夫なのだ。(でも足を踏み外すと・・・!) 見上げると、心配そうに見ているMCの姿が。(笑 写真左) 




 どんどん深い谷底へと入り、岩の割れ目に近づいてきた。下に行けば行くほど、陽が当たらないので、凍って硬くなっている。足先もかなり冷たくなってきた。柾至は、雪の中に突入した時に、靴の中にも雪が入ってしまっていた。
 さあ、この先はどこまで行けるのか、もうここまで来たら、途中で引き返せない。行け行けGO−GOー! 一人だったら心配でも、二人いるから何とか大丈夫だと思える。そこで誰が書いたか、雪の中にスマイルマーク。(^^) よ〜し、行くぞ〜!


 ウォール街と名付けられている、その大きな割れ目の岩を通り抜けると・・・お〜っ! 何という世界! 上空の岩の隙間から、太陽の光が降り注ぎ、真っ白な雪に反射して、幻想的な世界が広がっている。ここは地上とは、まるで別世界だ。やっぱり来て良かった〜♪

 その隙間の真ん中には、一本の高い木があった。モミの木だそうだ。太陽を求めて、真っ直ぐに上へ上へと伸びている。わ〜、すごいね〜。たった一人で寂しくなかったかな。しばらく抱きしめた。(よしよし)

 一つ一つの岩が桁違いに大きい。やはり、上から眺めるのとは違う。柾至は、さらに奥まで行ってチェック。私は、足先がジンジンしてきたので、その場で待つことにして、しばしの瞑想タイム。(理想的な場所です。^^) 何の穢れもない空間の中にいた。でも生きている。生命の息吹が感じられる。・・・私が望んでいる世界だ。雪のように清らかでありながら、内には熱いエネルギーが宿っている。それは、目では見えない。でも、感じられる。その内に秘められているパワーが。そのパワーは、必要な時が来たら、自ずと力強く放たれる。 この静かで穏やかな世界に在りながら・・・。


 柾至も帰ってきたところで、日が暮れる前に戻らなくっちゃ。そうなのです、行きは下りだったけど、今からは急な登りオンリー。(ウップス!) 今度は、一歩一歩雪を踏みしめながら、登っていく。これは大変かも・・・と思っていたら、それがそうでもなくなっていた。風が下から吹いてきて、追い風となって私たちを押してくれているのだ。そのおかげで、頂上まで普通に登れた。あれれ〜って感じ。(^^)
 展望台に着いて、改めて自分たちが降りたところを見下ろしてみた。お〜っ、あの雪の中を、あんな下まで降りたのよね。すごいなあ〜と感動。「お母さんも、良く頑張ったね。」と柾至。うん、楽しかったね。(^^)
 

 気が付くと、空の様子がすっかり変わっていた。青空が消え、いつのまにか空全体が雲に覆われていた。でも太陽は白く光っている。その数分後・・・強い突風が吹き始めたと同時に、大雪が降ってきた。谷底から吹き上げて来る感じだ。お〜っと! あっというまに、私たちも雪で真っ白に。 わ〜、雪の精霊からの祝福だ〜♪ 


 北海道の旅を思い出した。いつも祝福のサインをみせてくれていた。トレイルを降りる時もそう。一歩誤れば、滑って落ちてしまうことだって有り得る。でも、雪の中にいると怖くはなかった。雪の精霊たちが、私たちを守ってくれている。そう感じていたから、安心出来ていたのだ。
 この時すでに、尖塔群は雲と雪と風に覆われて、ほとんど隠れていた。もし、あと10分戻るのが遅かったら・・・? いいえ、まずそんなことは起こらない。起こるはずがない。自然界は、全てわかってくれているのだから。(^^)
 柾至は、展望台の柵の上に立った。危ないからと止めようとするMC。でも大丈夫なのはわかっている。(すぐ下は断崖だけど。^^) 私たちは、風と雪を全身で浴びた。風の精霊さんも、ありがとう〜。ここにも、もう誰もいない。私たちだけの世界だった・・・。


 感謝の光を送り、吹雪の中を出発することに。すると、ゲートを出る前に、再び太陽が顔を出し、風も落ち着いて雪も止んだ。そう、これもほんの10分ほどの出来事だったのです。太陽の光が、雪の中でキラキラ輝いていた。

 また靴がドロドロ状態。でも、モーテルの入り口には、ちゃんと靴の泥を落とすものが用意されていた。(至れり尽くせり) ロビーには、暖炉の炎が燃えていて、カウンターの上にはピューマの剥製らしきものもあった。わ〜お久し振り♪ 


 その奥には、ちょっとしたギャラリーがあった。自然の中で暮らすネイティブ達の生活を描いた絵や、木彫りの像があり、どれも素敵だった。そして、そこには大きな木の化石も。 あ〜これだ! 富士山への旅で、アリゾナの木の化石を目にしていた。(富士山編) それが、ここにたくさん飾られていた。すごいパワーを感じる。それらのアートの中に、ポツンとイエス様の絵が! まあ、こんなところに!? 上の壁に目立たないように掛けられている。(キリストちゃんは慎み深い。^^) いつも、ありがとうございます。おかげ様で、今日も充実した一日でした♪




 本当にまあ、何て中味の濃い一日だったのかしら。朝からタップリと満喫していた。この時間で、まだ午後8時半ぐらい。さあ、後はゆっくりお風呂に入って、今日も早目に休みましょうね〜♪