[Page 7]






聖なるペルーの旅


                     Page 8


2001.9.27〜10.10


10月 5日
 
昨夜は疲れているのに、熱のためかなかなか寝付くことが出来なかった。でも、久しぶりにベッドで眠れることが、とても有難かった。朝は5時過ぎに目が覚め、そのまま時間まで横になっていた。まだ、熱は下がっていなかった。身体もまだ、だるい感じがする。外は雨が降っている。ゆっくりと起きて、出発の準備をして朝食のレストランに入った。ここでようやく、きれいな身なりをした日本人のツアー客と一緒になった。私たちのグループは、誰もいないなと思っていたら、なんと時間を間違えていた。今朝は、柾至の時計を見て起きたのだが、それは日本時間のままだった(時差は13時間)。つまり、1時間早かったのだ。もう少し、ゆっくり横になれたかもしれないのにな・・・。8時半ごろにチェックアウトをして出発。(右は、ホテルのガーデン)

 再び、バスでマチュピチュへ。なんと、結局全員が登ることになった。N.Sさんは、膝を痛めていたけれど、それでも登ろうとしている。(さすが、みんなエライ!) 登山口でサインしているノートを見ると、今日はまだ数人しか登っていないらしい。エハンは、ラッキーだと言っていた。何しろ、道が狭くてかなりの急斜面。年に数人は落下しているとも言われている。まだ雨が降っていたので、尚更滑りやすい。ロープを掴んだり、しっかりと岩につかまって登るところもある。(右の写真、小さな人影が柾至たち・・・落ちないでね〜) でも、ここまで来ると、少々のことではもう驚かないし、恐怖感もない。これも3日間のトレールのおかげかな。雨で気温は下がっているのに、汗がポタポタしたたり落ちていた。空気が澄んでいるため、不快感はなく、むしろ気持ちが良いくらいに汗が流れ出た。熱があることなど、すっかり忘れ、夢中に登ってようやく頂上へ。人一人がやっと通れるくらいの狭い洞窟に身を屈めて入って出ると、早々と到着した柾至やマーサ達が、岩場に乗っかって手を振っている。斜めになった岩の上なので、下を見るとさすがにドキドキ。そこを柾至は、あっちの岩こっちの岩と移動しているので、見ていてハラハラ。マーサは、ずっと立っていて、おまけにジャンプまでしてるし・・・。(ヒエ〜) もと高所恐怖症の私には、さすがにそこまでは出来ない(笑)。ここまで登って平気で座っていられるだけで、私には進歩なのだ(^^)。 しばらくしてエハン達もやってきて、全員揃った。ここも普段なら、たくさんの人が(数十人らしい!?)、この狭いわずかなスペースでひしめき合っているらしい。それが、今朝は雨が降っていたせいか、この時間は私たちだけだった。ラッキーと言った意味がわかった。おかげで、しばらくの間ゆっくりと楽しむことが出来た。マチュピチュには雲がかかっていたので(下の4枚目の写真)、みんなでトーニングをして、雲が晴れるようにと祈った。しばらくすると、マチュピチュの遺跡のところだけが雲がさ〜っと引いて、一瞬の間姿を表した。(ありがとうございます!)その後から、他のグループもやってきたので、私たちは場所を譲り、下りることにした。気がついたら、いつのまにか私の熱はすっかり下がっていて、気分爽快だった。熱が出れば安静にするのが、一般的かもしれないけれど、そこをまた敢えて山に登るようなことになり、汗も思いっきりかいたことで、より早くプロセスが進み、身体の細胞はさらに活性化したようだ。私たちの身体が持っている力と、それを助けてくれる大自然の力を、ここでもう一度しっかり感じていた。







 
月の神殿は、あちこちの遺跡にあったが、ここが一番ふさわしい場所のように思えた。このワイナピチュは、ピューマがうずくまっている姿を表しており、横の小さな山はコンドルを象徴していると言われているそうだ。この頃には、登ってくる人たちとすれ違うようになり、お互いに声をかけながら道を譲る。遺跡に戻り、先に着いて待っていた柾至と、残ったわずかな時間を有効に過ごそうと考えた。総面積5平方kmもあるマチュピチュの遺跡は、一回りするだけでかなりの時間を費やしそうだった。迷っている暇はない。やはり、本殿である太陽の神殿に行きたい。でもどこだろう・・・。全然下調べも何もしていないので、わからなかった。直感に頼って、ここかなと思って石段をあがると・・・大当たり!! ロープで神殿の中には入れないように、結界を張ってあるから(犬夜叉じゃないんだから^^;)、きっと間違いない。他のツアーの団体が前で、説明をしていた。お砂を蒔きたいし、五十鈴も鳴らしたいな・・。そう思っていたら、しばらくしてそのグループは移動して、神殿の周りには誰もいなくなった。チャンス! 二人で世界平和を祈りながら、神殿の周りに砂を蒔き、五十鈴を鳴らした。そして、残った砂は、神殿横の崖から下界に向けて蒔いた。私の中で大きな安堵感と充足感があった。これは、私がここに来る目的の一つでもあった。私は、そのためにここに来ていたのだと、わかった。最後に神殿の前で、手を合わせて祈りを捧げた。たくさんの観光客たちが来ている中で、この間ここには、誰も上がって来なかった。そのあと、マチュピチュの聖なる水で五十鈴を清め(右の写真)、手に持って鳴らしながら、遺跡を後にした。集合時間ギリギリだった。時間があれば一通り見たいところだろうが、今回の目的は別にあり、それは果たすことが出来て、私は大満足♪


 帰りのバスには、マチュピチュ名物のグッバイボーイが登場。つづら折りに曲がりくねった道のカーブのところに立ち、私たちに手を振っている。そして次のカーブには、バスが来る前にやってきて、また手を振っている。つまり坂道を駆け下りて、先回りしているのだ。それを何度か繰り返し、坂を下りきったところで、バスに乗ってきて、座席を周ってチップを受け取る。「僕もやりたいな」と柾至。年も同じくらいかもしれない。
 アグエスカリエンテスから、クスコへは列車で戻る。その前に、ここでランチ。そのレストランは、リゾートっぽくて、なかなかお洒落な感じ。ビュッフェなので、ついつい食べすぎ(^^; ここでもフォルクローレの演奏があった。列車の時間までに、お土産屋さんの露店へGO! 昨日は疲れすぎて、そんな気にもなれなかったが、この時にはパワーが戻ってきた。今朝まで熱があったなんて、自分でも信じられない。マチュピチュのエネルギーは、やはりハンパじゃないのだ。(笑) ここで、ようやく着替えのTシャツを買うことが出来た。柾至は、欲しかった皮の帽子が見つかって、ご機嫌。それが、日本では信じられないくらいに安く買えてラッキー。
 列車の座席は、快適だった。(ここまで来ると、何でも有難く感じてしまう) 列車は、ゆっくり進んでくれるので、景色が良く見れる。窓の外の景色を見ながら、これらの山をずっと歩いて来たんだなと思うと、感慨深い。そして、数時間後、ウルバンバ河が見えてきて、私たちが出発したスタート地点が見えたときは、「あ〜、ここだ〜」とみんなの歓声。ここから始まり、今こうして全員がまた元気に戻って来ることが出来た。心の中で、何度も山の精霊に感謝した。クスコの町に着いたときは、日も暮れて真っ暗だった。窓から見えるクスコの夜景は、キラキラと光っていて、黄金の宝石を散りばめたみたい。まさに黄金の町そのもの。丘の上のキリスト様の像も白く浮かび上がって見え、「おかえり」と迎えてくれているようだった。そこで、列車はスイッチバックして、何度も戻ったりして、逆向きに走っていた。坂になっているので、調整する必要があってのことらしいが、それをうまく利用して、クスコの夜景が良く見えるように、車内の電気を消して、おまけにフォルクローレまで流している。この演出が見事にはまっていて、「なかなかやってくれる〜」って感じで、みんなで写真を撮りまくり、車内は盛り上がっていた。お迎えのバスに乗り、私たちのホテル・エルドラドに戻ると・・・なんとフロントには、昨夜レストランで会った老夫婦がいた! クスコには、他にもたくさんホテルがあるのに。しかもこのタイミング!相変わらず、宇宙はやってくれます♪ 


 一息ついたところで、広場のレストランへ。今日は、ベジタリアンのお店。私たちが座ったテーブルの真ん中には、大きなクオーツの原石がドーンと置いてあった。注文したシリアルスープは、西洋の雑炊みたいで、味付けもあっさりの野菜タップリでうれしい♪ ピザのネーミングも、マザーアースとかパチャママ(大地の神)とか、私たちにピッタリって感じ。食事の後には、アマゾンに備えて残りの着替えを買っておいた。これでひと安心。「苦行は、もう終わったね(笑)」と、Y.I さん。明日からは、ジャングルロッジでのんびりと自然を楽しむつもりでいた。そう、この時には、アマゾンで何が起こるかなど、全く予想がつかなかったのだ。(何も知らないのは、幸せだったのかも・・^^)