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聖なるペルーの旅


2001.9.27〜10.10


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9月 30日
 昨夜は、食事の後みんなでショッピングに行き、マーサに手伝ってもらいながら、いい買い物が出来た♪ (迫力ある龍の置物もゲット!) 柾至は、もう元気いっぱい。朝から、食欲も旺盛。今日は、クスコのホテルを一旦チェックアウトして、聖なる谷へ出発。クスコから約1時間。途中、村を通り抜けると、ろばや羊などの動物や子供たちがサッカーをしている姿が見える。民家の屋根には、十字架と牛や器の小さな置物が載せられている。十字架はカトリック、牛はFarmerの象徴で、器にはビールかワインが注がれるらしい。山の精霊に対する捧げ物として、家を建てた最後にお祝いを兼ねて取り付けられるそうだ。山の崖には大きなサボテン。1mから数mはありそうな大きなアロエの木(!)もある。谷間には、雪に覆われたアンデスの山が姿を現している。流れるのは、ウイルカマユ川。この川が、マチュピチュ辺りではあのウルバンバ河になる。ここはインカ文明中心の農業地帯。白くて粒の大きいとうもろこしは有名で、あらゆる野菜や果物が豊富に収穫される。今でも牛を使って耕しているようだ。おいしいはずだ〜(^^)。
 ピサック遺跡に行く前に、日曜市に行った。食べ物から日用品に民芸品などの露天でびっしりで、たくさんの人で賑わっていた。民芸品の前を通ると、「セニョリータ」とか「アミーゴ」と声を掛けられ、立ち止まろうものなら、熱心に勧められる。柾至は、そこで銀のイエス様の十字架を見つけた。一見にして古そうなもので、他にもきれいな民芸品がたくさんあるのに、どうしてもこれが欲しいと言う。バスに戻って早速身に付けていたら、エハンがいつも儀式のときに使っている液を吹きかけて浄化し、特別な聖なるオイルで磨いてくれた。その十字架は生まれ変わったようになり、柾至はすごく喜んでいた。そして、イエス様の祈りの中で、最もパワフルだという祈りも教えてもらった。
 ピサック遺跡に着くと、雨が降り出し、その中を頂上まで登った。エハンも、雨は祝福で山が歓迎してくれていると言っていた。道はきれいでサボテンや神秘的な岩を楽しみながら登っていたが、そのうち急な坂になり、息がゼーゼー切れてきた。山頂近くはひと一人が歩けるだけの幅しかなく、途中絶壁のような階段もあった。やっとの思いで頂上に着いたが、しばらく声も出ないくらい心臓がバクバク鳴っていた。ペルーに来る前に、もっと長い登山をしたはずなのに、1時間ぐらいの登りでこんなにキツイなんて・・・。今日は明日からのインカトレールのウオーミングアップだと言われていたが、これぐらいの山でこんな状態では、先が思いやられる・・・と人知れず心配になっていたら、他のみんなも同じことを考えていたことが後でわかった(笑)。空気が薄い高山を甘く見てはいけないのだ。この遺跡も、わずかな頂上の平地を利用して、完璧に造られている。やはり各部屋に分かれていて、太陽の神殿や祭壇があり、見張り台や太陽を利用したカレンダーなどもあって、まるで小さなマチュピチュみたい。(右の写真) 私たちは、祭壇の岩に身体をつけたり、ペンダントや身に付けているものをおいて、エネルギーを受け取った。(左の写真) 私はいつもバックパックに入れていた五十鈴をその岩の上に載せた。1日目の遺跡見学で、クスコはケチュア語で”へそ”を意味し、地球のへそと呼ばれているとの話を聞いていた。天河とペルーが繋がりがあり、日本では天河が宇宙のへそと呼ばれていることや、天河に流れる天の川の話をすると、アドリエールがウルバンバ河の意味は、まさに天の川と同じだと言っていた。そこで、明日からの旅を祈って、五十鈴を振った。すると、雨で冷えていた私の身体が、内側からどんどん熱くなり、汗ばむほどになった。このときエハンから、私がこのグループでの巫女さんの役割をしているようだと言われた。終わった後、今度は雨ではなく、突然ヒョウが振り出した。しばらくしてあがった後には、太陽が顔を出してきた。

 ランチは、さきほどの市場で仕入れた食材で、エハンとマーサが特製サンドイッチを作ってくれた。丸いコーンブレッドにフレッシュなチーズ、トマト、アボガドをはさんだサンドイッチにフルーツは、と〜ってもおいしかった! 途中、エハンの薦めであるお店に立ち寄った。ペルーには、トウモロコシで作ったビールに似たお酒があるとのこと。家の前に赤い布を巻いた棒を出しているのが、そのお酒を出しているというサイン。身体にも良くて、ヘルシーなお酒ということで、ペルーの人は良く飲んでいるそうだが、普通のビールの味もわからない私には、何とも言いようがなかった(笑)。でも、そこに座っているおじいちゃんやおばあちゃんたちが、静かな笑みをたたえながら、遠い国から来た私たちを優しい眼差しで迎えてくれ、温かくほのぼのとした気分になった。そこにあったコインを穴に入れるというごくシンプルなゲームに、しばらくみんなで夢中になって、のんびりとしたいい時間を過ごすことが出来た。
 次に向かったのは、オリャンタイタンボの遺跡。風がものすごく強く吹いていて、吹き飛ばされそうなくらい。(実際、いろんなものが上空に舞っていた) 空を見ると、何とグリーンがかった雲!レインボークラウドと呼ばれているらしく、アドリエールによると幸運のサインらしい。(右下の写真) インカトレールを前に縁起がいい! ここは、45度はありそうな急な斜面の段々畑みたいになっている。(左下の写真) 約300段はある階段を上りつめると広場に出る。(ハアーハアー、ゼーゼー) その周辺には、また美しいインカの石組みがあった。そこには、6個の巨石を並べた不思議な建造物があり、これもどうやってここまで運んで造られたのか謎。対岸の山には、石組みの遺跡や山に張り付くように造られた建物があり、穀物の倉庫だったと言われている。その横には、インカの王ともGODとも言われている顔がはっきりと映し出されていた。(右横の写真) ここも神秘的な場所だった。

 この日は、そのすぐ近くにあるホテルに泊まった。その聖なる谷にあるホテルは、まだ新しくオレンジ色の屋根に可愛いデザインの造りで、とっても素敵♪ 山に囲まれて、お花でいっぱいの庭は、私の好みにピッタリ。すっかり気に入ってしまった。明日からのキャンプ生活に備えて、気分良くゆっくり休めそうだった。