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聖なるペルーの旅 4


〜 完全なる統合へ向けて 〜




2004.9.14〜2004.10.1

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9月 18日
 眠りについて、目が覚めたのが午前0時過ぎ。 それでも昨夜は早目にテントに入ったので、2時間ぐらいは眠っている。そのまま目を閉じて横になっていたが、頭は冴え渡る一方。(インカトレールの時と同じパターン) 自然界が揺り起こしている。暗闇の中で、五感がさらに敏感になる。風の音、森のささやき、ゆっくりと波打ちながら流れる川、大地の鼓動が伝わってくる。意識は、いつしか遥か遠い時代へと遡っていった。
 ・・・ 清らかな水を湛えた小川と湖、豊かな緑に溢れ、光に包まれた美しい森だった。その当時の私にとっては、精霊たちや動物たちの声を聞くのは、ごく自然なことだった。共に調和して暮らしていた。とても幸せで満ち足りていた。これまでも断片的に浮かんでいた光景。それが次第に鮮やかに、記憶の中から甦ってくる。「思い出して、あの頃のことを・・・。」 自然の中を訪れる度に感じていた、懐かしさと安らぎ。私は何よりも、この美しい自然を愛していたのだ。動物達の目を見ると、言葉が伝わってくる。山や川、木や岩の中に、精霊の顔が浮かんでくる。風が吹くと、ささやきが聴こえてくる。雷は私を目覚めさせ、雨は祝福と浄化をもたらし、空は神様からのメッセージを伝えてくれる。 これまでも、自然界に見守られながら生きていた。その豊かな恩恵を受けていた。私たち人間は、そのことを忘れようとしている。「どうか、その意識を目覚めさせてください。」 ・・・

 再び起き上がったのは、4時過ぎだった。テントの外に出た。まだ外は暗い。静かだった。正面には、オリオン座が見えていた。空が次第に明け始めた頃、出発の用意をした。周りには、何も遮るものがなかった。宇宙からのエネルギーが、ダイレクトに降り注いでいた。あまり眠っていなくても、身体が疲れていないのは、そのおかげなのね。むしろ頭はクリアで、感覚はさらに研ぎ澄まされている。地面は小石だったので、歩いていると私の足や腰がガクンガクンして、危なっかしい感じがしていた。それも後で考えると、足の裏マッサージにもなっていて、バランスを取ろうとして歩くことが、関節には良い刺激になっていたみたい。(変な歩き方しか出来なかったけど。^^;) 何から何まで、私たちにとってはベストな状態になっていたのよね。(感謝です☆)

 インコが集まる土壁へ。今回は、河原の上にマットを敷いての観察。青首インコや、頭の黄色いインコたちが集団で集まってきた。近くの木の枝に止まったり、入れ替わりながら飛び交っていた。その上空では、マカウちゃん達が旋回していた。帰る頃には、オレンジ色に輝く太陽が昇り始めていた。


 グラノラとフルーツの朝食を食べて、ボートから動物たちを観察していた。木の色と同化して白っぽくなっているカメさんが、グループで固まって日向ぼっこをしている。カメさんは、その後も続けて登場し、蝶々たちの集団と一緒に、「仲良しグループ」の最多賞になっていた。(^^) 鳴き声に特徴のあるホーンスクリーマーも、その美しい声で楽しませてくれた。


 母なる川マドレデディオス川と交差して、水の色が変わった。ここまでは、海のように波のある川で澄んでいたが(雪解け水)、ここからは平らで茶色い水なった。(堆積物が多いから) お〜、これこそがアマゾン川って感じがする。川の国境を越えたみたいでおもしろ〜い♪
 ランチの後は、森の散策へ。ガイドさん達は、他のグループと一緒に、ピラニア釣りを予定していたようで、しきりに勧めてくれたのだが、今回は違うと感じた。それよりも、木の精霊に会いたかった。そこで三人の意見も確認し、予定を変更してもらうことにした。(ワガママを聞いて下さって、ありがとうございました。^^)

 去年訪れたレナコ(イチジクの木)の他に、マヌーにはもう一つの巨木があるという。その名もセイボの木。(現地の言葉だけど、聖母と同じ響きで素敵♪) 片道1時間位かかるそうだけど大丈夫。セイボの木が待ってくれているから、頑張ろう〜。(・・・と自分の足に言い聞かせる。^^)
 思っていたよりも早く着いた。あ〜、あれがセイボの木だ! なんて神々しい・・・。数メートル離れたところからも、その光が感じられる。その木を前にしただけで、胸が震えてくる。真っ白な光だった。全てを温かく、慈愛の心で包み込むような光。それは、白いベールを纏った聖母マリアさまの姿であり、広げた枝は千手観音さまの手だった。昨日見た真っ白な牛さんは、セイボの精霊の御使いとして、私達の前に現れていた。そして昨夜、私を揺り起こしたのも・・・・。


 私は持っていたHWの水を撒き、ともちゃんは塩を撒いた。そして感謝と祈りを込めて、土笛を吹いた。風が吹き始め、セミが一斉に鳴き始めた。枝が揺れ、葉が優しくそよぎ、森全体が動いているようだった。
 マヌーで一番大きな木で、レナコと同様に聖なる木と呼ばれているそうだ。レナコは、大地に力強く根ざす男性的エネルギー、天に高く昇るセイボの木には、光を象徴とした女性的なエネルギーを感じた。この二つの木の精霊が、一対となってマヌーを守っているのだとわかった。この二つの対極するエネルギーを、私たちの中でも統合させる。手を触れてエネルギーを送り、私たちも受け取った。見上げると、紫の光が射しこんでいた。この光を、一人でも多くの人たちに伝えることが出来ますように・・・☆
 
 セイボの木に別れを告げ、再びボートに戻って走っていると、ワニが現れた。ブラックカイマンという大きな黒ワニだ! 散策のときに、小屋のところにワニを模ったものが置かれているのを見て、話していたばかり。(またまた早い!) しばらく立ち止まり、私たちをチラっと見た後、ゆっくりと川の中へと入って行く。その様子は去年の白ワニと全く同じだった。陰と陽。ここでも、二つのエネルギーが一つになった。龍神さま、ありがとうございます☆ (ワニは、龍の御使いとして登場。^^) そして、ジャガーの足跡も見つけた。それも、オスとメスの二頭が重なり合っていたものだった。遠くで見てくれていたのね。ジャガーもありがとう〜♪


 そして、この日のもう一つのハイライト。アマゾンに入った時、カピバラちゃんにも、また会いたいよね〜と、みほちゃんと話していた。今回は、まだ出て来てないな〜と思っていたら、ガイドさん達が素早く見つけた。でも隠れてしまったらしい。そこで、若いもう一人のガイドが、ボートを降りて背後から近づいて行った。何をするのかなと見守っていたら、わざと音を立てて、カピバラちゃんを嚇かしたのだ。すると反対側から一斉に出てきて、川辺を全速力で走り始めた。わ〜っ! その大きな体で(とっても重そう〜)、爆走して必死に逃げる姿が何とも可愛くて、涙が出るくらいに盛り上がってしまったのでした。必死に逃げていたカピバラちゃんには悪いと思いつつ、みほちゃんと顔を合わす度に、思い出して笑い転げることが続いたくらい。(笑) 写真は撮れなかったけれど、今でも思い出すと、しばらく笑えるくらいの楽しい出来事でした。(カピバラちゃんごめんね。でも楽しませてくれてありがとう。^^)
 
 ボカマヌー村に到着。まだ明るい時間に着いた。今回は早目に入って、村を散策したいと思っていたのだ。アマゾン川の冷たいシャワーも浴びてスッキリ。音楽が鳴っている雑貨のお店を覗いてみた。そこで必要だった物も手に入れ、さらに山積みに重なったTシャツを見ていたら、そこから出てきたのは何とキリストちゃん。棘の冠をつけて、麗しいお顔で天を見上げているキリストちゃんアップのイラスト。わ〜素敵〜♪ これは、柾至へのお土産ね。(サイズもピッタリ) 他にも、シャーマン風の顔とライオンが一体になっているのも見つけた。どれも一点しかなく、他のお土産屋さんではないタイプのものだった。このジャングルの小さな雑貨屋さんで、見つかるなんてラッキー! 冷たい飲み物を飲みながら、外のチェアに座ってリラックス。村の小さな子供やワンちゃんと、の〜んびりした一時を楽しんだ。

 夕方からは、村の人たちとの交流会。(ここでも、あの白髪のおじさんがいたのだ。^^) 最初に、子供達に誘われて一緒に踊った。そしてショータイム。去年とは、また少し違っている。新しい歌やダンスも加わってグレードアップしている。ペルー全土の子供たちのコンテストで優勝したそうだ。(おめでとう!パチパチ) 火をシンボルにしたファイヤーダンスや儀式の踊りは、真剣に見入ってしまった。森の精霊たちも集まってくれていた。環境プロジェクトの劇も、ひと工夫していた。(みんなも進歩している〜) 何人かは見覚えのある子供がいる。その中でも、一際光る男の子がいたが、今回もすぐにわかった。一年で大きくなって、さらに輝いている。何だか自分の子供の成長を見ているようで、うれしくなった♪ 相変わらず女の子は大人っぽいし、質問コーナーの話す内容も、みんなしっかりしていて驚いてしまう。日本から持って来ていた折り紙を、Sachikoさんに渡しておいた。彼女は残って、子供達に日本語を教えるそうだ。小柄なのに、私達の荷物を運んでくれたりと、暑いアマゾンでも元気ハツラツに動いていた人だった。(・・・帰ってからお礼のメールが届いて、授業の時に折り紙を使わせてもらい、子供たちも喜んでくれて、コミュニケーションにも役立ったとのことでした。よかった、よかった^^)


 アマゾン最後の夜は、楽しく過ぎて行きました☆