[聖なる旅] [Page 1]



聖なる旅


沖縄編

                          Page 4


2002.5.25〜5.27

 5月 27日   PART 2
 午前9時発の船に乗って、久高島へ。乗船場に着いて空を見上げると、太陽に向かって大きな雲が出てきた。迎えに来てくれたのかな。それにしても、沖縄の雲はスケールが違う。青い空いっぱいに広がっている。ニライカナイ(神様の住む場所)、天に一番近い島と言われている久高島。沖縄に古くから伝わる神話の中では、天の王様から「天の下に神様が住める良い土地があるから、行って国造りをしなさい。」と命じられた女神アマミキヨが、この島に降臨し、世を創ったと伝えられている。島全体が神域であり、御神体とされている。「久高島の神様に呼ばれた人しか行けない」とあるサイトに書かれてあった。そんなところが、この沖縄にあったなんて・・・。Saemiさんも、島に渡るのは今回が初めてだった。
 船に乗って25分で島に着いた。 まず、自転車を借りに行った。でも、誰もいない。困ったな。歩いて周ると間に合わないだろうし、他に借りるところがないのに・・・。「鍵が付いてるよ」 ほんとだ、どの自転車も鍵が付けられたまま。そこで、名前と時間を書いて、お金を置いておくことにした。玄関も鍵がかかってなかったので、家の中に置いて出た。(島らしくて、いいわ〜♪) この後の予定を考えると、島で過ごせるのは1時間ぐらいしかない。地図らしい地図はなく、大まかな場所が載っているだけ。島の中にもいくつか聖地があるが、どこまで周れるやら・・・。何はともあれ、島一番の聖地であるフボー御嶽だけは行かなければ。遊んでいた男の子や、おばさんに道を聞くと、それぞれ方向を指差して、こっちに行けば出てくるって感じ。う〜ん、イマイチ不安だが、とにかく北に向かって行ってみよう。(笑) 一本の広い道に出た。多分、これがメインの道。ここから、左に入ったところにあるみたい。いくつか道が出てきたものの、何のサインも出てこない。かなり走った。どうやら行き過ぎているみたい。飛び交っている蝶々たちに尋ねる。私たちを案内して! 蝶々について横道に入ると、植物に囲まれたきれいな海岸線に出た。真っ青な海が、キラキラ光っている。海からの風が、火照った身体を冷やしてくれた。御嶽はこの場所にはなかったが、この美しい海岸線を私たちに見せたかったようだ。しばらく走ると、また元の道に出た。さて、どうしよう。もう少し先を走って行くと、カベール植物群落とのサインが出た。その先は、岬になっている。とうとう島の先端まで来てしまったようだ。御嶽は、島の中腹にあるはずなのに。せっかくなので、岬の先まで見に行った。柾至は大きなカニを見つけた。海は青く透き通っており、波で削られた岩は荒々しいが、同時に神秘的だった。時間があれば、しばらく見ていたいくらいだ。時計を見ると、残り30分しかない!早く見つけなくっちゃ! 強い陽射しに、身体はすっかり汗ばんでいる。喉もカラカラ。でも、そんなことは言ってられない。あの御嶽だけには行かなくては。そのために来ているのだから、必ず見つかるはず。最後まであきらめないで、探してみよう。


 岬からの道を戻りながら、小道に入って登ってみたが、それらしいものは何もなかった。でも、わざわざ道が出来ていることから、ここも何か特別な場所のように感じていた。蝶々たちは、相変わらず私たちの周りを飛んでいるが、なかなか見つけられない。自分たちの力で見つけなさいってことかな。そこで、ようやく一人のおじいさん発見! やっぱり、もと来た道から入ったところにあるらしい。急いで引き返す。今度こそ、見つけるぞ! そうして、小道に入っては戻るを繰り返した後、とうとう出てきた!! ようやくフボー御嶽の看板があった。(初めて訪れる人たちは、どうやって見つけるのかしら・・・) 確かに、この原生林の中では、目印になるものは何もないので、道を聞かれても細かく教えようがない。納得〜(笑) 胸を弾ませながら、さらに奥に入った。写真で見た場所以外に、もう一つ小さな祭壇がおかれたところがあった。周囲と溶け合っているので、思わず見逃しそうだったが、暗い密林の中でその場所だけがキラキラ光って見えた。思わずシャッターを押すと、金色の光りがシャワーのように降り注いでいた。(下の写真1枚目) その先に、フボー御嶽があった。円形に開けたところに、石を積み上げた祭壇がある。この香り・・・間違いない、斎場御嶽と同じ香りがする。でも、もっと強く放っている。今度はShinoさんやSaemiさんにも、はっきりわかったようだ。祭壇の周りに、オレンジ色の花が咲いている。これよ、これ! この香りは、この花から来ている。キンモクセイに似た甘く優しい香り。これは、もしかしてアマミキヨ神の香り・・・!? 今朝、私たちが斎場御嶽に入ったときにも、来てくれていたのだ。同じ香りを漂わせながら・・・。卑弥呼の悲願寺を思い出した。いかにも女性らしい神域だった悲願寺と同じものを感じた。水を撒き、五十鈴を振って光りを送ると、また光りで送り返してくれた。 太陽が優しく照らしてくれた。本当に来れて良かった。ありがとうございました☆






写真クリックで拡大

しっかり写ってくれました




写真クリックで拡大

 林の中を出て、御嶽の看板を読んで唖然とした私! ここは、今でも男子禁制になっていた。どうやら、島の男性たちも入れないようだった。あら〜、柾至は・・・!? 看板は目に入っても、ちゃんと目を通す間もなく、中に入ってしまった。もし、ちゃんと読んでいたら、柾至は入れなかっただろう。・・・と言うことは、きっと読まなくて良かったのだ。(^^) つまり、彼は入ることを許されたということ。男といってもまだ11歳だしね。(・・・と自分で納得させる ^^) でも、沖縄の人には内緒にしておこう。(笑)
 急いで自転車を戻し(やっぱり、ご近所に出かけていたみたい ^^)、船の出る10分前に着いた。あ〜、間に合った。結局ちょうど良い時間になっていた。(素晴らしい!パチパチ) 船に乗って、ほっと一息。慌しいながらも、ハラハラ・ドキドキの冒険もあって楽しかったし、ちゃんと目的を果たせたことに満足していた。久高島を後にしながら、この素晴らしい時間を過ごせたことに、心から感謝した。
 このレポートを書きながら、もう少し久高島のことを調べてみた。すると、あの島での出来事は、全て偶然ではなかったことがわかった。予定に入っていなかったカベールは、神女が祈りを捧げる神聖な場所だった。そして、迷い込んで登ったところは、ニライカナイに地上で一番近い場所だった。そう、カベールも重要な聖地であり、アマミキヨの神はカベール岬に降臨し、フボーに渡り、そこから斎場御嶽(サングーイ)を経由して沖縄中に広がったという。私たちは、迷って無駄な時間を過ごしたわけではなかった。全ては導きのまま。私たちを迎え入れ、導いてくれたアマミキヨの神は、卑弥呼との説もあるそうだ。あのソーラーレインボーも、太陽神アマミキヨからのメッセージ。ここまで招いてくれたこと、本当に感謝します☆