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聖なる旅


鳴門編

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2002.4.4〜4.5


4月 5日
 今朝も雲一つない青空が広がっている。ホテルの駐車場で空を見上げると、飛行機雲が私たちの真上に走っている。これも何かのサイン・・・!? 
 市内から、山の中へとどんどん入って行く。平行に走る二筋の雲が出てきた。また太陽の真下に飛行機雲が現れた。この雲以外に、空には何もない。

 神山町に入った。道の駅で地図をもらって一息ついたあと、念のため役場へ行って道を確認。(すごく丁寧に教えて頂きました) 神山町は、神おわす山とある。(やっぱりね・・・) ここから、さらに細い山道へとぐんぐん入って行く。私たちが目指しているのは、悲願寺。

 先月、卑弥呼(日御子)のことを聞いて調べていたところ、この悲願寺が出てきた。そこには、”神山邪馬壹国説を有力にする時代を超越した場所” ”卑弥呼の居城跡であるという伝説がある” と紹介されていた。
 掲載されていた1枚の写真にも惹かれるものがあり、行ってみたいと思った。場所を見ると、徳島市内からは約1時間。鳴門に行くことにはなったものの、空港からは遠いし、高知よりなので愛媛とも離れている。ここに行くだけのために、これだけの回り道をするのは難しいだろうと思っていた。それが、出発間際になって剣山のことを聞かされ、地図を見みてみると、何とその手前が神山町になっている。フェリーで行くことになり、おまけに神事は自分たちですることにもなったので、時間にも余裕が出来た。これなら行けるかもと急遽予定変更! そうして悲願寺に着くと、それも必然的だったことがわかった。
  まあ、ここは一体! 境内へ一歩足を踏み入れると、そこは下界とは完全にシャットアウトされたような神域になっている。こんな山奥に、こんなところが・・・。まるで、異次元に入り込んでしまったみたい。
 しかも、優しくて穏やかなエネルギーが放たれている。大きなピンクと赤い花をつけた木が、並んで立っている。姉と二人で「かわいい〜♪」と思わず口に出てしまうほど。それに、どこか気品もある。

 その二つの木の横には、高根山から湧き出ている水が流れていた。その水は柔らかくて、手もスベスベする。(ハーモニーウオーターに似ている) そこに立つと、慈愛のエネルギーに包まれたような気がして、何とも言えずいい気持ち♪ 私たちはすっかり魅せられてしまった。本当にここにお籠もりになっているみたい・・・。誰にも汚されていない、何人にも邪魔されないこの地に、心地良く鎮まっておられるように感じた。

 こんな山奥の、ひっそりとしたところでも、淋しさが感じられない。とても満足されている様子。ここには、日御子の他にも天照大御神と千手観音も関わりがあるらしい。そのうえ弘法大師の名前まで記されていた。境内の中には、常夜塔(古代の燈台)も残されており、そこには古代文字で光りを表す文字が書かれている。お寺横の小さな祠にもお参りしていたら、突然音がした。(!)
 私たち以外に誰もいないのに、今のは何だったのだろうと辺りを見回した。隣にいた柾至も、「何か音がしたね。鳴き声みたい。白虎かな・・(聖獣に詳しくて ^^;)」 あ〜、そうそう。何か鳴き声というか・・・、もう一度見回すと、右後方に白い馬が祀られていることに気づいた。そうよ、馬!馬が鼻息を鳴らしたような音。間違いない。しかも右側から聞こえていた。その馬は、琴平のものとはまた違った雰囲気で、アニメのキャラクターっぽくて可愛い(^^)。何の説明もないので、この馬についてはわからないけれど、ある存在が、馬の鳴き声で私たちにメッセージを送ろうとしたのを感じた。ここに居ることを、伝えたかったのかな。ここに来たことには意味があることを、教えてくれようとしたのかな。

 兄がお堂の前に置かれていたノートに記帳した後、パラパラとめくって、今治から来ている人がいることに気づいた。 しかもその人たち(夫婦)は続けて、2回来ているらしい。名前の横には、”また来れて感謝”と添えられていた。きっとその二人も、ここで何か感じるものがあったのだろう。兄も気になったらしく、「帰ってから、連絡してみよう。」とメモをしていた。・・・・それが後で、次の旅に繋がることに。(出雲編へ)


 去りがたい気持ちで、別れを告げて、次のところへと向かった。ここから、さらに奥に入り、剣山スーパー林道に出た。この道は日本一長い林道(87.7km)で、自然が満喫出来ることで有名らしい。くねくねと山道を走って行く。兄は、とにかく山道には慣れていて、どんな急なカーブの道もスイスイと走って行く。私には、とても出来そうにないけれど、それにもコツがあるらしく、合気道と同じで中心を持って、道の流れに身体を合わせれば、どんなにスピードを出しても落ちることはないとか・・・。曲がり角で対向車と正面に向かい合ったりして、ハラハラしたものの、ここで事故に合っている場合ではないこともわかっているので、大丈夫!と自分にいい聞かせる。(^^) ここには、日本の滝百選に選ばれている滝がいくつかある。その中で、私たちは大釜の滝に向かった。渓谷を過ぎると、道路沿いに見えてきた。この滝壷の底には、大蛇が棲んでいると伝えられているそうだ。兄と柾至は滝の前まで降りて、川に浮かんでいた大きな木を動かして、渡り易いように橋を作っていた。そのすぐ先には、素堀りのトンネルがある。迫力もあって、まさに秘境らしい。近くの小剣神社でお参りしてから、国道へと戻り、剣山へと向かった。

 その国道沿いに、見事なしだれ桜が目に飛び込んだ。思わず車を止める。まあ、ここもまた・・・!大きなしだれ桜が、何本も立ち並び、見事に満開になった桜の花をつけた枝が、目の前に垂れ下がっている。この美しさに、姉と私はまた感嘆の声! 

 実は、神山町には有名な明王寺のしだれ桜があると聞いていたが、今年はもう散ってしまったと言われて残念に思っていた。それが、こんなところで見れるなんて。しかも、ここには”白い神様”が祀られているらしい。その白い神様の並々ならぬご加護を受けたという方たちが、きれいな石碑を建てていた。ここもまた別世界のようだった。地図には、川井峠ぐらいしか記されていなかったが、清らかな気に包まれて、静かに守られているのを感じた。この一角だけ次元が違うかのように。思いもかけぬところで、贈り物を頂いたような気がして、私たちも白い神様に感謝の気持ちを伝えながら、お祈りさせて頂いた。


 剣山も、だんだん近づいて来たところで、東祖谷山の手打ちそばを食べて休憩。さらに走って、ようやく見越し峠に到着。目の前にあるのが剣山。残念ながら、この時期はまだリフトが動いていないので、山頂までは行けないが、私たちにはここまで来る必要があった。

 私が剣山のことを知ったのは、長野でのことだった。兄が四国に住んでいると聞いて、Hisakoさんが剣山に興味があると聞いたのが最初。その時は、ただそれだけだったが、鳴門の明かしの中に剣山のことが出てきた。剣山と鳴門は、陰と陽、男神と女神・・・と対の働きがあること。

 剣山には、昔からソロモンの財宝が眠っているとか、モーセの契約の箱があると言われていたそうだが、その本当の財宝の意味とは。そして、ソロモンと須佐之男命、空海、出口王仁三郎、この4人の関係について知らされた。
 でも何よりも、私にとって意味があったのは、この剣山には、”武力や暴力ではない、言霊の力で和(やわ)して行く” つまり、言霊の剣を持って、この世界を、地球を和して行くこと。その働きが秘められていることだった。そして、それは私が望んでいることだった。

 今回、琴平から始まって、鳴門・淡路・剣山と、全てが繋がっていた。麓にある大剣神社で、ここまで来れたことへの感謝と、その働きを自分たちも生かして行くことが出来るようにと祈った。この神社で、柾至は”生命の護り笛”を手にした。私は、ピンクのしゃくなげの花模様が入り、太陽の光りに照らされると、紫色に変わるというものを、姉とお揃いで買った。ちょうど財布に付けていた小さな五十鈴の紐が切れたところだった。それもこれを手にするためだったのかな。

 隣の円福寺にもお参りした。その下に祀ってある不動明王様のところには、剣に龍が巻きついているものが彫られており、「僕の十字架と似ている」と柾至は喜んでいた。兄は去年知り合った人から、剣山のことを聞き、一度は来ていたが、いつかまた来なければと思っていたそうだ。今度また来ることがあれば、上まで登ってみたいな。でも今日は、ここまでで充分だった。目的は果たせた。 ・・・その翌日に現実化しました。(剣山編にて)

 剣山を後にして、車を走らせていると、右前方に雲が浮かんでいるのが目に入った。 しかもXの形!? 急いで止めて降りて見た。その雲はどんどん大きくなり、広がり始めた。これは剣! 剣を二本クロスさせている。そうだ、これは剣山の神社のマーク!つまり、この剣山のシンボル! それを、はっきりと雲で表している。他には雲一つないのに。ここだけに出して、わかるように見せてくれている。これはきっと、言霊の剣。もしかして、それを授けてくれたという証・・・? 
 そこへ、また飛行機雲が、天に向かって走る。見せてくれている。あんなにもはっきりと・・・。私たちは感動して、胸が一杯になった。「確かに受け取りました。必ず活かして行きます。」 そう雲に誓った。


 松山へと帰る途中も、太陽の周りを囲むように、最初は羽のような形をした雲が出てきて、それがまた剣になって、太陽と一直線になった。「あっ!」と思った時には、トンネルの中・・・。(天河の帰りに弁財天さまが出てきたときと同じ) これは本当に一瞬だったが、私と姉はしっかり見た。その後で入った露天風呂では、龍神が口から白く吐き出している姿まで、はっきりと出てきた。そして、日が暮れ、最後に飛行機雲が空に一筋表れて、今回はおしまいのサイン。最後の最後まで、わかりやすく・・・、本当にいつもいつもご苦労さまです。おかげさまで、今回も目的は全て果たせました ☆