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聖なる旅


奈良・伊勢 編

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2002.10.4〜10.7


10月 7日
 昨夜から激しく降り続いた雨が、明け方まで続いていた。6時に起きて出発。曇っていた空が、次第に明るくなってきた。道の駅で休憩した頃には、青空が広がって暑いくらい。(昨夜の予報では、70%の降水確率だった。) 真っ青な空に、雲が渦巻いていた。その雲は、わずか数分後には太陽の周りを囲み、まるで目のような形になった。 アマテラスさま・・・!? 

 

待っていてくれるのかな・・・♪

 高速に乗るつもりが、すぐ手前で見過ごしてしまった。(二人とも見逃すなんてね。) 少しでも早く着きたかったのに・・・。仕方なく、このまま13号線を走って行くことに。でも、その道はみかん畑や田園の中を通り抜け、長閑でいい感じ〜♪ この雰囲気は、高速では味わえないな。そのうえ、道がガラガラだったので、思ったより早く走れた。そろそろ伊勢に近づくという頃、目の前に不思議な形の雲が現れた! なあに、あの雲。 一直線上に立っているみたい。もしかして龍? なんてリアル! しかも、きれいに並んでいる。 目の前に見えていることが信じられない・・・。(写真左) 

 朝出てから、約2時間後。伊勢市内に入ったとき、今度は放射線状の雲が空いっぱいに広がっていた。そのすぐ横に龍神雲が一つ。(写真右) そして、飛行機雲が真上を一直線。赤とんぼも、やってきた。 ついに到着! 

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 まずは外宮から入る。伊勢も激しい雨が降っていたのだろう。参道には水溜りがあり、木の葉からは雨雫が落ちていた。雨のおかげで、木々の緑が鮮やかで、空気が澄み渡っている。(雨あがりは好き♪) 浄化されて、より清浄になっている気がした。火除橋を渡って神域に入る。鳥居をくぐり抜け、神楽殿を過ぎて正宮へ。

 正宮に祀られているのは、豊受大御神(とようけのおおみかみ)。豊受大御神は御饌都神(みけつかみ)とも呼ばれ、天照大御神のおめしあがりになる大御饌(食物)、つまり神々にたてまつる食物を司られている。このことから衣食住や、私たちの生活をささえる一切の産業の守護神としてあがめられている。
 正殿は唯一神明造という日本最古の建築様式で、桧の素木を使っているそうだ。屋根は萱葺きで棟に並ぶ鰹木(かつおぎ)は、内宮10本、外宮9本。奇数と偶数で区別されている。 正殿の前では写真撮影も禁止で、監視している。天皇家しかお参り出来なかった時代もあったらしく、警備のほうは今でも厳重で、他の神社とは異なった雰囲気。思わず緊張してしまう。それに、次々に入れ替わり訪れる参拝客の横では、手を合わせて挨拶するのがやっとで、落ち着いて参拝することが出来ない。それで、垣根の前に行き、隙間から正殿に向かって、感謝の気持ちを伝えていた。(横から、失礼します。)すると、たまかぜが吹いて優しく顔を撫でてくれた。良かった。気持ちが通じたみたい。(^^)

 別宮である土宮・風宮を廻り、石段を昇った。何か空気が変わったみたい・・・。石段で立ち止まって、写真を撮ってみると、うわっ凄い! 光りのシャワー。この先には、何があるのかな。そこは外宮の第一別宮の多賀宮だった。豊受大御神の荒御魂(あらみたま)をお祀りしているそうだ。
 ご挨拶していると、隣で説明している声が聞こえてきて、思わず耳を澄ませた。正宮では神恩に感謝し、御祈祷はこの多賀宮でするとのこと。へえ〜、そうなんだ。そのガイドをしている年配の男性は、落ち着いて穏やかな感じの人だったが、ただ者ではないって感じ。私も話が聞きたい。

 そのまま後ろから付いて行くと、今度は何の立て札もない、小さなお宮の前に来た。そこは、水を司る神様を祀っているという。(あら!) 確か”しもみ神社”と呼んでいた。外宮では重要な場所だという。えっ、そうなの!? 思わず、また耳を傾ける私。
 そこで兄が、「一緒に聞かせてもらっていいですか?」 そうよね、黙って聞くなんて失礼でした。(^^; 「どうぞ、どうぞ。」と快く受け入れてくれた。(うれしい〜) そして、その人は麓からほんの少し流れていた水をすくって口に含んでいた。ここに訪れる度に、一口だけ頂いて行くそうだ。案内されていた男性は、少し驚いた様子で見ていたが、兄はすかさず口にして「甘くておいしい。」 私も後に続いた。ほんとだ〜。それに何て気持ちの良いところ。振り返ってシャッターを押すと、やはり光りが降り注いでいた。(写真右) 神宮の案内にも載っていないところなので、一緒に付いて来なければ気づかなかっただろう。ありがとうございます☆


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 そこから土宮・風宮と廻っていたので、私たちももう一度一緒に参拝した。案内されていた二人は、社会科の先生とそのお母さん。玉砂利の色が分かれていることから、社の造りに到るまで、詳しく説明してくれた。そのお話の一つ一つが興味深いものだったので、一言も漏らさないように、且つ二人の邪魔をしないように、静かに聞いていた。

 すると、その気迫を感じたのか(笑)、次第に私たちに向かって話をするようになった。

 ”こうして、お祀りされているだけが神様ではなく、この自然の至るところに神々は宿っている。神道は神の道と書きますが、宗教ではなく、自然を敬い、その自然の中の神を心で観ることを説いている。観音の観というのは、その光りを観ることを表している。(なるほど・・・)神社に来ることは、命の元である気・・元気を頂いて帰る。そうして日常に活動して行くのです。・・・” 

 私の魂は、感動して狂喜乱舞。(今回の旅は、狂喜乱舞シリーズ!^^) 心に染み渡り、言霊の光りで包まれた気がした。この方は、ただ神宮内を説明しているだけではない。私には神様のお使いのようにも思えた。

 二人の親子が帰った後、「無理にとは言いませんが、まだ時間があるようでしたら、いいですか?」と言って下さり、「私には、この道が自然のままに残っている、本当の神ながらの道だと思っているんです。」と、さらに奥へと案内してくれた。

 歩きながら、水と空気の大切さを話していた。(さすが〜♪) 森の奥へと続く道は、確かに神へ・・・神界へと向かう道のように思えた。(写真左) 
 私は降り注ぐ光りを浴びながら、一歩一歩踏みしめて歩いた。行き止まりのところまで行くと、大きな楠があった。その木もお祀りされていた。
 時々、この木の前にある切り株に座って、本を読んでいるそうだ。神宮から数分のところに住んでいるので、毎日必ず一回りしながら挨拶しているとのこと。 

 「伊勢は、命の根源に帰るところであり、原点に戻るところ。人生の節々のときに省みて、これからの行く先を考える・・・。」 
 今年77歳になるとは思えないくらい、姿勢も良く、澄んだきれいな目をしていた。(村田さんです。Mファミリー!)定年してから、ボランティアでガイドをしていて、観光案内所から登録してくれるように何度も誘われているが、自分らしく出来ないからと断っているとのこと。相手を見て、案内の仕方や話す内容を決めると言っていた。大抵は1時間弱ぐらいで、こんなに長く話をすることは普通はないとも・・・。そう言われて気が付いたら、とっくにお昼も過ぎていた。私たちは外宮だけで3時間近くもいたのだ。

 そろそろお別れと言いながらも、お互いに話が終わらなかった。(笑) 九州では宇佐八幡宮に興味があるらしく(出ました〜!)、邪馬台国との関連がありそうで調べてみたいとも言っていた。(やっぱり・・・!?) 「今を楽しみながら、信仰する。」の言葉にも、大賛成!(そうそう、その通り!) 初めて会ったのに、「今度来る時は内宮を案内しましょう。そのときには、ぜひ一泊して伊勢の観光もして下さい。泊まるところも探しておきますから。」 (うわ〜い!うれしいな♪) 最後に握手して別れた。初めて訪れた伊勢神宮で、こんなにも素晴らしいガイドをして頂くことが出来、感謝の気持ちで一杯だった。

 外宮ですっかり満たされてしまった私たちだったが、内宮もご挨拶に行かないと・・・。(^^)
内宮(皇大神宮)には、皇室の御祖神で私たちの総氏神である天照大御神を、お祀りしている。約2千年前に皇居をお出になり、各地をめぐられたのち、この五十鈴川のほとりにお鎮まりになられている。

 内宮の入り口にかかる宇治橋は、日常の世界から神聖な世界へのかけ橋といわれている。この橋には、神柱が何本も立っているという。ここから神域に入る。太陽神界からのパイプが直降している聖至高の神域へ。

 鳥居の前で、深呼吸。(入っても良いですか?本当に私の準備は出来ているのかな・・・) 橋の下に流れる五十鈴川は神聖なる川として、昔からの祓い場所であり、この清流で身も心も清めてから、お参りするのが古来からのしきたりになっている。私の五十鈴も一緒に清め、川に向かって振った。陽が射して来て、五十鈴川の水面がキラキラと輝いた。(写真右)

 正宮は、外宮と同じ建築様式で、正面には白い布が降ろされていて、奥が見えないようになっていた。やっとここまで来れました。私は、そのことに感謝しながら正殿の前でお祈りしていた。そして目を開けると、降りていた布が風でめくり上がり、全開状態に! 
 一瞬、目を疑ったが、私にはそれが天照さまからの応えだと感じた。ありがとうございます。心の中で何度も感謝の気持ちを伝えた。


 次に別宮の荒祭宮に向かった。参道を戻り、石段を降りた小高いところにあった。その石段を降りたところで、私の手足がビリビリしてきた。それも鋭い感覚で、痛いくらい。私がここまではっきりと感じたのは初めてだと思う。今までにない強い体感。ここは一体何なの!? 

 立て札には、天照大御神の荒御魂が祀られているとあった。また荒御魂!? 村田さんは、確か荒御魂に現れるというようなことを言っていたと思うけど、もしかして、ここに直接降りてきているのかな。確かに、周りを囲っていて、ここだけ別格の神域になっているようにも見えた。(写真左) 

 帰ってからわかったことでは・・・荒御魂とは、時にのぞんで格別に顕著なご神威をあらわされる御魂のお働きのことであるとあった。(やっぱり、そうだったんですね。) また、四魂の働きとしては・・・ここ一番のときに力を発揮する魂の働きであり、物事を実行するときに、この荒魂は大きく働いてくるもので、言い換えれば「勇気」である。 ・・・きっと、今の私に必要なことなのでしょうね。

 伊勢神宮の外宮では、自分の生活面や仕事など現実界に密着した祈りをし、内宮では広く大きく、皇室や国家や、自分の天命のことを祈ると聞いていた。しばらくの間、私たちだけだったので、ここで落ち着いて五十鈴を鳴らし(正宮では鈴も禁止)、ゆっくりと祈ることが出来た。
 そして、ここに来るまでのことを振り返っていた。天照大御神は多くの神社で祀られているが、伊勢神宮はその中心であり、総元締めのようなもの。また皇室の奥の院とも言われているそうだ。

 去年、幣立でメッセージを受け取ってから、縁の出来た神社や聖地から廻り、日本のこと、世界平和のこと、地球のための祈りを始めた。神様や高次の存在たちに発動してもらえるように・・・。伊勢が日本最高峰の聖地と聞いても、私が行くのは、まだ先のことだと思っていた。だから、伊勢は最初のプランには入っていなかった。それに場所も離れていたので、この日程ではまず無理だろうとも言われていた。
 でもある時、例によって突然伊勢のサインが来るようになり、もし行けるなら行ってみたいと思うようになった。トライしてみて無理だったら、それはそれで良い。いつか別の機会がある。天河での出来事のように、途中で何が起こるかわからないので、その時の流れに任せるつもりでいた。それが自分でも意外なくらいに、スムーズに来れたので驚いた。本当に来れた・・・。それに、ここで受け入れてもらえたことを、体感としてはっきりと感じることも出来た。 私はその喜びを静かに感じていた。

 神宮を出ようとして空を見上げると、真上に例の雲!(写真右) ありがとうございます♪ おかげさまで、今回の旅も無事完結。 終わった〜。やり終えた充実感と安堵感の後は、お腹すいた〜と空腹感が・・・。(笑) おかげ横丁を散策して、名物の伊勢うどんを食べて、最後にやっとお土産も買って(赤福をお忘れなく ^^)、おせんべいにアイスなどなど、パクパクつまみ食いしながら(笑)帰路へ。
 今朝、出発するときに「3時ぐらいに伊勢を出れたらいいね。」と話していたら、この時ちょうど3時をまわったところだった。v(^^)v


繊細で、且つ強いエネルギーでした
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 帰りは、大阪から神戸に出る高速で道を間違えてしまった。大阪で渋滞だったので、ややあせったものの、結果的には、もっと早くてスムーズな道を走ることになった。今回は、このパターンが多い。(^^)
 私は、神戸から新幹線に乗り、0時前に家に着いた。兄も、フェリーにピッタリの時間に着くことが出来たが、そこでおまけの出来事。フェリー乗り場のすぐ前に並んでいた車が、一緒に出雲や剣山に行ったKさん夫婦だったそうだ! (お見事!パチパチ)  兄には本当に感謝している。改めて見直した。(兄妹なので照れくさいけど・・・本当に凄いなあと思ってしまいました。^^;) 
 周りには、「Miyukiの運転手で付いて行っているだけだから・・・」な〜んて言っているけれど、それだけではなく (山道の運転は確かにピカイチ!おかげでこのハードな行程もこなすことが出来た) 彼なしでは決してこの旅は成り立たなかったと思う。(私も面と向かっては言いにくいけど、感謝してますよ〜^^) 他にも多くの方たちのサポートを受け、自分一人で出来ることは何一つないのだと、改めて感じた。

 そして最後にもう一つ・・・霧丸さんから留守電が入っていて、この日のお昼過ぎに、奈良の上空にソーラーレインボーと、エメラルドグリーン(またこの色!)の彩雲が出ているとのことだった。それを見て、私が早くも太陽と何かを始めたのではないかと思って電話してくれたそうだ。(ありがとうございます♪) それは、伊勢での出来事を、私の中でより確信させてくれるものだった。 私は、そのメッセージをしっかりと受け止めながら、この旅で一つの節目を迎えたことに気づいた。一つの流れが終わり、目の前には新しい扉が開かれていた・・・☆