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聖なる旅


信州編


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2002.3.23〜3.26


3月 25日
 今朝も出発前に、もう一度善光寺に行くことにした。今日はゆっくり出るつもりだったが、今朝もまた昨日と同じ4時に目が覚めた。山田さんは、昨夜11時30頃までホテルのロビーで半田先生たちと話をしていたらしい。(半田先生は来るもの拒まずって感じで、何でも受け入れてくれるみたい・・・。)山田さんも早く目が覚めたみたいで、先に一人で善光寺に行っていた。私はアンコールワットで一緒だったRitsukoさんが、昨夜から長野に来ていて、お朝事に参加すると聞いていたので、6時半ごろ行ってみた。3月の中頃に、ふと思いついてRitsukoさんに電話をしてみたところ、最近急に水のことが気になり始めたので、私に電話しようと思っていたそうだ。長野に行くことを話したら、何とまたその2日間はセミナーで清里に来ているとのこと! この時には、清里にいるHisakoさんも来ることになっていて、八ヶ岳にも行くことを決めていた。Ritsukoさんも諏訪大社には行きたいと思っていたそうで、この日にそのまま合流して一緒に周ることになったのだった。完全に仕組まれたようなこのタイミング!相変わらずお見事ですね。

 一人で朝もやの中を歩いた。昨日とは打って変わり、曇っていて小雨が降っていた。今のうちに清めていてくれるような気がした。本堂のところに山田さんがいた。Ritsukoさんに電話を入れると、今お朝事の途中とのこと。私たちも内陣の中に入った。ちょうど、最後のクライマックスと言う感じで、お導師さまがこちらをお向きになった。

 一緒にお唱えしながら、私はまっすぐ正面を見ていた。龍が描かれた朱色の幕がゆらゆらと動いていて、さっとあがった。周囲の人たちは頭を下げているのだが、私はしっかり目を開けてみていた。そして、まっすぐに向き合って、光りを送らせて頂きながら、お祈りをした。お経が終わると、またさっと龍の幕が降りた。そこで、お朝事は終わった。間に合って良かった。Ritsukoさんのおかげでいい体験が出来た。そのまま私たちは戒壇巡りをした。私は全く初めてだった。何しろ善光寺のことも名前ぐらいしか知らなかったのだから。ここに来て初めて知った。

 ここ善光寺には、日本最古の御仏が祀られており、約1400年の歴史を持つ日本を代表する霊場だった。ご本尊は「一光三尊阿弥陀如来」さまで秘仏となっており、大慈悲の如来さまでもある。そのまつわるお話の中には竜宮城から竜王をもらったとの言い伝えもある。戒壇巡りは、瑠璃壇床下の真っ暗な回廊を巡って行き、ご本尊の下にかかる極楽浄土の錠前に触れて、秘仏さまとの結縁を果たすもの。左手で壁を探りながら、進んで行く。
 真っ暗なものだから、前や天井にぶつかりそうな気がしてハラハラしていた。Ritsukoさんや後ろにいた人たちと、何とか錠前を見つけようと探っていた。ようやく手に当たるものがあった。私たちがイメージしていたものとは形が違っていたのだが、他にそれらしいものもなかったので、感謝の気持ちを伝えながら充分に触らせて頂いた。(笑) 堂番所に寄って、念のため錠前の形を確認させてもらい、ひと安心。(もし違っていたら、ショックだものね。^^) 

 すると、そのまま案内してくれて、ここで待っていたら、今からお導師さまが出て来られるからと教えてくれた。ひざまずいて待っていると、お導師さまが来られて、頭をお数珠で撫でてくれた。私は温かいエネルギーに包まれたような感覚を受けた。とても有り難い気持ちになって、涙がこぼれてしまった。如来さまのお慈悲を頂いたような気がした。そのときに同席した地元の方から、「あなたたちは運がいいよ」と言われ、あのお導師さまは、ここで一番上の方で皇室の親族でもあり、自分たち地元の者でも滅多にお目にかかれない方だと聞いた。 昨日も今日も、私たちは思いがけずに、たくさんの贈り物を頂いた。来る前は、何にも考えていなかったのに・・・。お導師さまの一行が門を出られるところで、兄とShinoさんが入ってきた。二人もギリギリに何とか間に合って、お会いすることが出来て良かった。(早起きは三文の得と言っておきましょう!)

 ホテルを出る頃には、どんどん雲が晴れてきた。長野駅へと向う途中、ふと空を見上げると太陽の上に虹がかかっているのが見えた! ペルーでマチュピチュへと向う朝、雲の神殿から見た日の出と同じ、ソーラーレインボーだ。立ち止まって、しばらく空を眺めていた。あの時と同じ太陽からの祝福のメッセージを感じた。ありがとうございます。心の中で何度も手を合わせていた。

 「ねえ、見て見て!」駅前で待ち合わせていたHisakoさんやRitsukoさんにも急いで教えた。「やっぱり、今日ここに来る意味があったね。ここまで来たことに祝福してくれているんだね。」 そして、これから始まることに対して、大いなるサポートが与えられることも・・・。レンタカーを借りる手続きに思ったより時間がかかり、予定よりも出発の時間が遅くなっていた。
 兄が戸隠への道を聞いている間、山田さんが「あっ!」と言って、ドアの外に出た。また誰か知っている人でもいたのかなと思って、ドアの外に目をやると、何と半田先生とスタッフの方たちが、足早に駅に向っているところだった。「半田先生〜」と、みんなでダッシュ!半田先生たちも「お〜っ!」って感じで、またまた握手して、最後にもう一度挨拶が出来た。(また会えるなんて〜♪) Ritsukoさんも、一度会いたいと言っていた半田先生に会えたし・・・。これもほんの僅かな確率。私が太陽に見惚れて立ち止まったり、レンタカーの人が計算を間違えたりして時間を取らなければ、会うことはなかったはず。これが宇宙の仕業ってものですね。 はいはい、良くわかっています。(^^)  まだこれから出発なのに、もう一杯って感じでのスタート。(これからが本番なのにどうするの!?) 太陽の周りには、龍も出てきていた。お迎えありがとう。ちゃんと付いて行くからね。


 戸隠へは、どんどん山を登っていく。空は更に青く澄み渡り、太陽にかかっていた半円の虹はきれいに周りを取り囲んでいた。龍の雲がずっと付いて来てくれている。目の前には、雪が積もったアルプスの山々。まるで絵を見ているかのようにきれい。ようやく戸隠神社の宝光社に到着。雪で覆われた杉の古木の間に、急な階段が200段以上はある。その階段も半分は雪が積もっているので、滑らないようにしっかりと手すりにつかまりながら、雪の上を登るように上がって行った。

 光りに向って、一歩一歩昇っているようにも思える。真っ白な雪の上に、太陽がキラキラ反射して光っている。他には誰もいない、私たちだけだ。天災で中社や奥社は焼失してしまったそうだが、この宝光社は昔の建築様式そのままに、荘厳さと迫力が残っている。
 手水舎には龍の口。社殿には金色の目をした龍が木彫りで彫られている。その上には、鳳凰がいた。「そう言えば、北斎がこの辺りで鳳凰の絵を描いたって、聞いたことがある」とHisakoさん。最近になって、急に私たちの周りに現れるようになった鳳凰。龍と一緒に動いてくれているのかな。五十鈴を振ってお祈りをしていたら、「龍が来てるよ〜。今度はちゃんと足まで付いてる。」とRitsukoさん。真っ青な空に、龍がゆらゆらと流れるように動いている。「すごい。すごい!」よく見えるように雪の上に登って、しばらく空を見ていた。

 すると、また金色がかった黄色の光りが出てきた。それに青い光りの玉が、目の前から木立の中へと動き始めた。岩戸伝説では天手力雄命(たじからおのみこと)が投げた岩戸が飛来して、戸隠山になったと言われている。でもそれだけでない。戸隠には、その他にも数々の伝説がある。長野に行く前日には、この後に行く皆神山との繋がりもあることが知らされた。そして、ここに来てからは、戸隠が”水清き神の郷”と呼ばれ、水を司る神の住む所として崇められていたこともわかった。奥社は、まだ雪で覆われていて上がれないことがわかっていたので、中社まで参拝し、そこから奥社に向ってお祈りをした。奥社には、水の神である九頭龍王が棲むという九頭龍社もある。例えその前まで行けなくても、目の前にあることをイメージして意識を向ければ、私たちの魂はそこまで飛んで行き、思いはちゃんと届くようになっている。


 お腹も空いたところで、みんなで楽しみにしていた戸隠のおそばを食べることに。神社の近くのお店は観光バスが止まっていたので、ここに上がってくる途中にあったおそば屋さんに行こうとした。それがほとんど閉まっていて、みんなでヤバイね〜と言っていたところで、雰囲気のある「大久保の茶屋」というお店を発見。そこは、毎年善光寺にもお歳越えの奉納をしたり、皇室の方々にもご賞味頂いているという、創業200年近くの由緒あるお店だった。私たちが座った座卓の横には、戸隠大神の掛け軸まで。いい所に入れて良かったねとみんなも満足♪ (せっかくここまで来たなら、おいしい戸隠そばを食べなきゃね!)

 お次は、皆神山へ。入り口には神が集う山、ピラミッド参道入り口とまで書いてある。山の中腹には、天照皇大神をご祭神とした岩戸神社もある。看板にはピラミッドの入り口ではないかと書かれてあった。岩で組まれたほら穴のような感じ。中に入ると、確かにピラミッドの中にいるような感じがしてくる。
 山田さんは、「うわ〜、もうビリビリ来る〜」と言って、しばらくそこから離れなかった。頂上に登って行く間も、かなり強いエネルギーを感じていたようだった。私は来る前にいろいろ知らされていたので、準備は出来ていたものの、やはり内心はドキドキしていた。頂上には、宇宙空間への航空基地とまで書かれていた看板もある。皆神神社で参拝してから、裏に回ると、この後に行く諏訪大神も祀られており、その横には天地カゴメの宮もあった。国常立神が戸隠で諏訪大神から皆神山に行けと言われたとの話も記されていた。これだけでも、私たちが行こうとしているところが全部繋がっていることがわかる。

 でもそれだけではない。戸隠に祀られている天手力雄命が顕現するのは、この皆神山であり、その意味は自ら(たじから)の力で努力して開いて行くことにある。そして、ここには銀河の中心からパイプが降りてきていて、そのエネルギーによって今まで隠れていたもの、自分の眠っている力、潜在するものが目覚めてくるのだ。

 出口王仁三郎の霊域が開かれたのは、皆神山に登ってからだとも言われている。ただ、誰でも開かれるわけではない。国や人類のために真心を込めて祈る人に神は動く。宇宙の極点の芯を持った人間が、ここに来て祈り向かえば、霊力とその力が溢れ出し一厘を授けてくれる。ここ長野は龍体で言えば、心臓にあたる。血(叡智や神智)が脈々と湧き出てきて、エネルギーが放射線状に出てくるところでもある。そして、皆神山にはあるお方のお墓があり、御霊が鎮まっていることも明かされている。・・・ これらのことが事前に知らされたのだが、それも意味があってのこと。訪れる前にそれだけの思いを持って行きなさいという、メッセージだと思っている。

 ここである事件発生! 山田さんの携帯電話が、この皆神山のある場所で落ちてしまったのだ。落としてすぐは何とか取れそうだったのだが、いろいろしているうちに、どんどん深みにはまって結局駄目だった。山田さんにとって携帯は必需品で、いつも鳴りっ放しと言ってもいい位。それだけ密接に繋がっているものだった。私はまず、ここで古いエネルギーを手放す必要があったのではと思った。(携帯には、自分と相手のエネルギーがこもり易い) 山田さんも物自体には執着しない人なのだが、その携帯には400人以上登録していたとのこと。もしかしたら、新しい動きの前に必然的に人間関係を整理する必要があったのかな。何しろ落とした場所が皆神山なので、何か意味があるには違いなかった。今まで繋がった人たちにも、皆神山のエネルギーを送るためかな・・・なんて、みんなで勝手にあれこれ考えていた。(笑) いずれにせよ、この日ここに来たことは、それぞれにとって必要なことであり、何か大きな転機を迎えているのは間違いないようだった。



 山田さんは、この日のうちに帰らなければいけなかったので、長野駅で別れ、私たちは諏訪大社へと向かった。予定時間をかなり過ぎていて、日も暮れかけていたが、何とか下社の秋宮から春宮へと周り、諏訪湖の反対側にある上社の本宮と前宮の全部を周ることが出来た。

 中には御神湯と呼ばれる龍の口から出ている温泉もあったり、弘法大師の伝説が残る三本杉もある。でも何と言っても、この神社は龍神さまとの関わりが大きいということ。7年おきに行われている御柱祭では、巨木を切り出して人力で引っ張ってきて、その柱を立て、神降りる柱としている。実はその木から龍神が誕生していたことが明かされたのだった。それから、全国の摂社に龍神を派遣していた。その上社に立てられる木が、明日行く八ヶ岳から切り出されるのだった。最後に本宮を訪れたときは、もう真っ暗だったが、空には満天の星が輝いていて、月の横には龍が横向きに立っていた。ハードスケジュールだったが、やっぱりここまで来て良かったと思った。
 
 それから、また高速に乗って清里へと向かった。ようやく着いて、食事をしようと有名な山梨名物のほうとうのお店に来たが、閉店したところで、みんながっかり。時間も遅かったのと、シーズンオフということもあって、ほとんど閉まっているみたいだった。それで、その隣のHisakoさんも良く知っている喫茶店に入ることにした。正直言って、入ったときは食事自体にはほとんど期待していなかったのだが、お店の人がとてもいい人だった。いろいろ話していたら、オーダーした定食に加えて「これも良かったらどうぞ」と次々に大鉢に盛られたおかずがやってくる。それが家庭料理でどれもおいしい。みんなお腹も空いていたので、大喜び。「ごはんもお替りしてね〜」と言われたが、とてももう入らないくらい。そのうえ、食後にはコーヒーや紅茶まで出してくれて、最後には手作りのおはぎにイチゴまで出てきた。もうお腹が苦しくて・・・(^^; これで800円!それではあんまりなので、余分に払おうと思っても、「そんなことしてもらったら困る〜」と言って受け取ってくれなかった。そろそろ1日の疲れが出てきたところに、お店の人たちの暖かい心と家庭料理を頂いて、私たちのお腹も心も暖かくなった。(あ〜しあわせ♪) 今夜の宿の清泉寮に入ったのは、10時半ごろ。それにしても長く充実した一日だった。お腹もエネルギーも消化させるのに、時間かかりそう〜☆