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聖なる旅 



雪の北海道 編

2006.3.12〜3.15
                                                                                

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 3月13日
 お外は、強い風と雪でかなり吹雪いている。暖かいお部屋から、雪景色を眺めていると、カナダでの生活を思い出す。
 氷爆まつりの会場は、ライトアップされていないので、夜とは違ってみえる。石狩川の水が澄んでいるから、氷がブルーがかって見えてきれい。
 3380mという長い銀河トンネルを抜け、大樹海の石北峠に入った。ここで、また道路沿いに鹿ちゃんが登場。蝦夷鹿だそうだ。(は〜い♪)

 そして、お楽しみの北キツネ牧場へ。この頃には、吹雪もおさまり、太陽が顔を出し始めた。この牧場では、北キツネを野生に近い状態で放し飼いにしている。
 きゃあ〜、うれしくて思わず駆け寄った。こんなに近くで見れるなんて。 雪の中で、楽しそうに遊んでいる。寒いのに元気ね。(北キツネですから。^^;) その場でピョンピョン飛び跳ねて、凍ったところを足でカリカリしたり。 アニメの世界だわ〜。(笑) 思いっきり、はしゃいでいた私。 そういえば、ナルニアの映画にもキツネさん出ていたよね。キツネと言えば、ピノキオを思い出すけど、こんなに可愛いのに、いつも良くないイメージで登場していたのよね。北キツネカラー以外にも、黒くモコモコした毛やグレーのキツネさんもいるし、昔話に出てきそうな真っ白いキツネさんも。その白キツネは、どこか品があったりして、とっても気に入っちゃった。手を出すと、近づいてきたり。(よしよし) いくら眺めていても飽きないので、もっとゆっくり遊びたかったなあ〜。(夏場は毛が抜けているので、冬が良いみたいです。^^)


 売店では、木彫りのキツネさんがあり、その中で例の一本の木で彫られている、腕を絡めたラブラブキツネさんを見つけて買った。前回もアイヌカップルのを買ったけど、一つの木をくりぬいて、二人が離れないように出来ている(クサリ彫り)、「木はひとつ、気はひとつ」という縁起物だそうです。(^^)

 瑞野のお土産店では、浜ゆでの蟹を一杯試食させてもらった。新鮮だから甘〜い。ここでは、ハートの中に入っているラブラブのクサリ彫りのフクロウも出てきて、また買っちゃいました。(へへへ) 木彫りグッズは、どれも素敵♪

 お次は、網走方面へ。網走と言えば・・・網走刑務所ですね。その道は、囚人ロードと名付けられているそうで、名前もそのまま。網走川を境に、区切られている。刑務所だけでなく、刑務官たちの住居があるので、団地のようにもなっている。札幌ー網走間の道路工事で、多くの受刑者たちの犠牲が出たそうだ。囚人ロードという名前の重さを感じた・・・。

 その先にある天都山へ。まるで天の都にいるような絶景が見えるということから、この名前が付いたそうだ。展望台からは、360度の大パノラマでオホーツク海が見渡せる。網走湖や能取湖などの網走国定公園から、知床半島と阿寒の山々、遠くには流氷も。 
 展望台の中にある流氷館の前で、昨日の若いラブラブカップルとバッタリ。(あらあら♪) 外では、タイヤのチューブを使って、ボブスレー体験も出来るようになっていた。(楽しそう〜)


 オホーツク海を走り、今日の昼食会場である網走海鮮市場へ。海の真ん前にあるので、強い風がビュ〜ッ。海の上には、大きな鳥がゆっくりと旋回していた。市場内は、食事から買い物の出来る4階建ての大きなスペースで、さすが冬でも活気があります。メニューは、毛ガニが一尾付いた海鮮定食。お隣さんの見事なカニ捌きに見惚れながら、慣れない手つきで格闘する私たち。(笑) カニ味噌もタップリでおいしかったけれど、捌くのにエネルギーを費やした私は、途中で諦めて残すことに。(^^; 最後の一人になっても頑張っていたのは、みほちゃんだったのでした。(パチパチ)

 外に出ると、再び大雪になっていた。気温はマイナス3度なり。じゃがいも街道を走り(ネーミングが北海道ならでは ^^)、向かったのは摩周湖。実は最初のツアープランでは、オプショナルの流氷クルーズになっていて、ツアーの大きなメインでもあった。それが出発の前日になって、強い風の影響で、流氷が奥へと離れてしまい、例年にない早い時期での「海あけ」になっしまったそうだ。 その代わりに摩周湖に行けることになり、私は、むしろ喜んでいた。
 摩周湖・・・なぜかはわからないけれど、北海道の湖と言えば、摩周湖がすぐに浮かぶくらい、昔から心惹かれるものがあった。この時点で、予備知識は何もなかった。一体どんな湖なのだろう・・・。

 ガイドさんの説明で、その意味が少しずつわかってきた。摩周湖は、約7000年前の大噴火で生成されたカルデラ湖。湖の透明度は、世界一になったこともある。(今でも、そう推定されているそうです) 摩周湖は、アイヌ語では「神の湖」 (わっ!) 古代より、自然神の宿る聖なる湖として、アイヌの人々から崇められてきたとも言われている。
 ただ、歌にもあるように、霧がかかりやすく、滅多に晴れることがないので、湖自体は見れないことのほうが多いという。見え方が、その都度違うために、神秘の湖と言われているそうだ・・・・

 駐車場に着いたと同時ぐらいに、太陽が顔を出した。そして、空がどんどん変わってきた。ポッカリと穴があいたように、青い空が出てきた。 わ〜! 胸をドキドキさせながら、急いで摩周湖に向かった。展望台に着くと、粉雪が優しくふわ〜っと舞った。・・・その間だけだった。 

 わ〜、見えている! くっきりと、何にも邪魔されることなく、摩周湖の全景が目の前に広がっているのだ。わ〜うれしい〜♪ 真っ白に凍っている。その清らかな美しさを前にして、しばらく言葉がなかった。静かに、黙って見つめていた。すると、いろいろな情景が浮かんできた。・・・そして、なぜ摩周湖に惹かれていたのかがわかった。


 雲の動きが早かった。みるみる間に空が変わる。振り返ると、太陽も神秘的な光を放っていた。この瞬間の、この周囲だけが別世界のようだった。確かに、ここには神が宿っている。そう、あの頃と変わらずに。
 この旅の一番の目的は、この摩周湖だったのですね。思い出すために・・・。本当に来れて、うれしかった。 呼んで頂いて、ありがとうございます。湖の神、周囲の山の神々に感謝の光を送った。


 売店で、目に留まったものがあった。アイヌの長らしき男性と女性が、見つめ合っている木彫りのもの。(壁掛けで、中に郵便物なども入れられるようになっている。) これだ・・・。さっき摩周湖で浮かんだ情景にそっくり。迷わず、手にすることにした。
 この売店には、「摩周ブルー」というネーミングの淡いブルー色をしたソフトクリームもありました♪ バスの中では、ガイドさんが「霧の摩周湖」を唄ってくれて、思わずじ〜んとしたりして。

 太陽の下にあるのは、阿寒富士だった。その近くに見えていたのが、雄阿寒岳(男)と雌阿寒岳(女)で、その二つは夫婦岳と言われている山。(わ〜、今度はラブラブ山だ〜) 女性の雌阿寒岳のほうは、今でも活発に動いている活火山なのだそうだ。 (やっぱり女性ですか。^^) ガイドさんが、この3つが揃って、これだけ綺麗に見えるのは、滅多にないと言っていた。

 さらには、鹿たちが揃っていっぱい現われてくれた。かなり近くまで降りていたので、写真も撮り放題。 もう何から何まで、ありがとうございます〜。


 阿寒湖畔の温泉ホテルに到着。周囲には、アイヌの民芸店が並んで面白そう〜♪ 夕食まで時間があったので、お外にGO!  まずは一番奥にある、アイヌコタンへ。コロボックル公園(幸運のベンチがある)から曲がった先にある。入り口には、羽を広げたフクロウさんがお出迎え。その真後ろには、お月様がニッコリ。月とフクロウって合うのよね〜。(^^) アイヌ音楽らしきものが流れている。アイヌコタンにも民芸店が並び、アイヌ生活館などもあり。一通り散策して、商店街に戻った。それぞれに個性豊かなお店がズラリ。その名も「幸運の森商店街」だ。(う〜ん、いい感じ♪) その中で、大きなワンちゃんのいるお店を覗いてみた。木彫りの観音様まである。オーナーの手作りで、どの作品もパワーがありそう。お店を出たところで写真を撮ってみると・・・やっぱりね〜。 


 続いて入ったお店は、また種類が豊富。どれも可愛いなあ〜。最初に目に留まったのが、白フクロウ。わ〜きれ〜い。何て品のあるフクロウさんかしら。他ではないタイプのデザイン。あ〜連れて帰りたい。その白フクロウさんは、木の上に止まっていて、下に鍵などを掛けれるフックが付いていて、掛けると重さで羽を広げるようになっているのです。う〜素敵♪ (玄関に飾ってますよ〜。^^) 
 続いて、アイヌ文様の彫られた木のカップを見つけた。ちょうど、お気に入りのカップが少し欠けてしまっていたので、新しいのを探していたところ。えんじゅの木で出来ていて、古来より魔除けや厄除けに使われていて、腐らないという。軽くて、素朴で、持ちやすい大きさで、もう言うことなし! 後は、えりまきの木に彫られたアイヌ模様のキーホルダーを、柾至にゲット。あっというまに、と〜っても良い買い物が出来て満足♪ あるお店の外には、フクロウの大きな氷像もあった。(こんにちは〜)

 夕食は、阿寒湖名物のワカサギの天ぷらとミニいくら丼などなど。食事が終わった後は、今夜のハイライト「阿寒湖冬華火」(氷上花火大会)だ。 またまた完全装備をして出発。
 阿寒湖氷上フェスティバルとして、冬のメインイベントになっている。お宿から歩いて5〜6分のところに、会場が作られている。そう、凍った阿寒湖の上なのです。スケートリンク状態だけど、滑り止めのおかげで、ここでも大丈夫。
 雪で作られたコーナーで、様々な催し物が用意されている。点火式までに、まだ時間があったので、私たちはバナナボートにGO! バリの海で、初めて体験したバナナボートだったけれど、ここでは凍った湖の上なのだ。ヘルメットを付けて、しっかり掴まってスタート! 風を感じ、夜空を眺めながら、スイスイ滑るように走っていた。お空には、お星様がいっぱいで、満月も煌々と光っている。気持ち良〜い♪ これも冬の北海道ならではの体験だ〜。

 良いタイミングで、ステージではそろそろ点火式が始まろうとしていた。メインの大きなステージには、これまた大きな雪で出来たフクロウさんがド〜ン。アイヌの人たちにとって、フクロウは大切な守り神なのです。
 舞台には、火の神に捧げるセレモニーとして、アイヌの長老らしき人が火を持って現われ、祈りを捧げて聖なる火を灯す。お祭りのイベントというよりも、本格的だったので、私は神聖な気持ちになっていた。真っ白な雪景色の中に、赤く燃える炎は迫力もあり、また神々しかった。
 

 そして、氷上花火が始まった。秋の時は、船の上からの湖上花火だった。今回は、打ち上げる場所が、すぐ目の前だったので迫力がある。 こんなに至近距離で、花火を観れるのはラッキー! 虹色の花火もあって感激。わ〜、きゃあ〜、お〜! 休む間もなく、次々に打ち上げられる。 花火大好きな私には、もうたまりません。(^^) 空気が澄んでいるからか、鮮明に観えている。扇の形の花火も、きれいだったな〜。お空では、満月がにっこりと微笑みながら、見守ってくれているようだった。
 冬の間は、毎日催されているという。厳しい季節でも、それをプラス面に換えている。自然との共存・・・それはアイヌの人たちの心でもあるのよね。


 その後、私たちは再びアイヌコタンへと向かった。アイヌコタン内にある小さな会場で、アイヌ古式舞踊があるのだ。楽しみ〜♪ 真ん前の席で観賞。これまた長老のような人が現われ、説明をしてくれた。最初に、アイヌの歴史や文化を紹介する映像を見せてくれた。
 アイヌ民族の祖先は、この地をアイヌモシリ(人間の静かなる大地)と呼び、自然界をカムイ(神々)として謙虚に祈り、自然の恵みに感謝をし、「カムイありて我あり、我ありててカムイあり」との互助精神で、自然を改造・破壊・汚染することなく生活してきた。その精神は、今の時代に、一番必要なことだと思っている。私がアイヌに惹かれていた理由は、摩周湖でわかった。今の時期に、そのことを思い出し、気付く必要があったのは、この精神を伝えるためであり、自らが意識的に行うためだったのです。ペルーの旅もそう。 風貌も良く似ているけれど、その精神も全く同じなのです。そして、この後に行くアリゾナ・・・ネイティブアメリカンにも。

 音と歌と共に、舞踊が始まった。このリズムも、どこか懐かしい。アイヌの女性は、みんな黒くて長い髪をしている。その長い髪を振りながら舞う「黒髪の踊り」は、女性最高の踊りと言われているそうだ。鶴の舞も素敵だった。(日舞でも、鶴をイメージした踊りを習っていたので) 最後に、アイヌの伝統楽器であるムックリを聴かせてくれた。これだったのね・・・その音は、アボリジニのディジュリドゥに似ていたので、何故ここで流れているのかと思っていたのだ。

 ムックリ(口琴)は、15cm程度の竹で出来ていて、横にして歯で軽くくわえ,両端の紐を両手でひっばって振動させた音を出すようになっている。その音は、自然界の音を表しているという。それで似ていると感じたのね・・・。


 みほちゃんと、ムックリを買って帰ろう!と外に出たら、早速お店の前で吹いてくれていた。オリジナルのものは、吹けるようになるまで練習が必要らしい。それを改良して、初めてでも簡単に音が出せるものもあったので、私はそちらの方をゲットすることにした。(ゆっくり練習する時間がなさそうなので。^^;) そのムックリを作っているおじさんが、私にいろいろ聞いてきた。それに手短に答えると、「やっぱり、雰囲気から何かをされている人だと思った。」と言われた。アイヌの民芸品を作っている人の中にも、独特の雰囲気を持った人がいる。見た目には同じ様なものでも、魂が入っているものと、そうでないものがある。 そうそう、ラパスのウイッチグッズもそうだったものね。

 最後に覗いたお店では、木の皮で出来たアイヌ文様の袋を見つけた。パープルカラーが入っていて、私の好みにピッタリ。他にもラベンダーレインボーグッズなどもあった。
 二日目の今日は、最後の最後まで、充実していた〜。今夜も、ゆ〜っくり温泉に浸かって温まりましょう〜♪