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聖なる旅


高野山・熊野 編


            
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2005.6.20〜6.22
                          

 6月21日(夏至)
 5時前に起きて、朝風呂へ。白浜温泉は源泉らしく、なかなか良いお湯だった。お部屋に戻った頃、雲の合間から太陽が顔を出し始めた。手で三角(ピラミッド)を作り、その中から太陽を見る。色がどんどん変化してきた。太陽の周りが、ピンクオレンジに輝いている。しばらくすると、虹色になった。大きな口を開けたように見えるという、みほちゃん。私は羽を広げた中に太陽が入っているように見え、そのうち龍の背に乗っているように・・・。夏至を迎えた素晴らしい朝日を拝むことが出来て、感動でした。


 今日は、熊野三山を周ります。まずは、熊野大社本宮へ。158の石段を登ったところに、お社がある。またまた迫力ある垂れ幕がド〜ン。今年は、「甦る日本! 人生の出発の地 熊野本宮 」とあった。熊野の神様、素戔嗚尊さま、新しい旅立ちの時に、また呼んで頂いてありがとうございました。(御祭神の働きについては、過去のレポートで) 
 シンボルの八咫鳥(やたがらす)のお守りが目に付いた。お〜っと、これは! 何てインパクトのあるデザイン。一目見て、柾至にピッタリだと思った。(メラメラと燃える赤い炎に、”勝守”の文字) そういえば、朝もカラスが鳴いていたし、さっきお参りしている時も鳴き声が響いていた。せっかくなので、頂いていこう。
 境内には、亀石と大黒石もあった。手水舎の龍にも、お水をかけてご挨拶。降りるときは、古道の「祈りの道」から降りることに。一歩一歩踏みしめながら、祈りの言葉を心で繰り返していた。 お茶屋さんで、おいしい玄米粉で作った「もうで餅」と抹茶を頂いて出発。


 お次は、お楽しみの瀞峡遊覧。瀞峡は、熊野川支流の北山川にある渓谷で、断崖絶壁の秘境の地になっている。ウォータージェット船に乗って、往復約2時間かけて巡る。またまた、みほちゃんと顔を見合わせた。 風を受け、豊かな水流を、大きなしぶきをあげて走っていく。この感じは、アマゾン川を走っているのとそっくり! 今年アマゾンに行かない代わりに、ここで体感させてくれたのね。(ウルウル)
 ハイライトの瀞八丁に差し掛かったところで、ルーフも全開。おお〜っ! 川の両岸には、高さ数10mの断崖や奇岩・巨石を望むことができる。30畳余りの大きな亀岩、狛犬にそっくりの岩、口を開けて吠えているような獅子岩や大黒岩。母子の滝と名付けられている滝は、奥に小さな滝、手前にかばうように大きな滝が流れていて、母子の情愛を表しているといわれている。深いエメラルドグリーンをした熊野の川に、迫力のある見事な渓谷。その神秘的な景観は、太古の自然をそのまま表しているみたい。


 折り返し地点で降りて休憩。とんびが、すぐ横を繰り返し旋回している。私たちにアピールしているみたいに。ゆっくりと雄大に飛ぶ姿は、コンドルのミニミニ版って感じ。(^^)

 お店には、那智黒石で作ったものが、ズラリと並べられていた。那智黒石は、この北山川上流の神川町から川を下って、那智に流れ着いたので、那智山詣でをした石として、珍重されているものだそうだ。フクロウや犬・猫の動物たちから、龍に観音様までいろいろある。何か欲しいなあと選んで、目に留まったのが八咫鳥。黒いカラスというと、イメージとしてはあまり良くないのだが、その八咫鳥は違っていた。全体に光沢があり、澄んだ目元で高貴な感じがする。手に取ると、また離せなくなってしまった。よしよし撫で撫で。(^^) これで決まり! 美しい八咫鳥ちゃんを見つけて、とっても幸せな気持ちになった。(かなり満足♪) 3年前に熊野に来た時は、あまり感じなかったのにね。この後もずっと、熊野のあちこちで、八咫鳥がシンボルとして出てきていた。帰ってからも、気になったので調べてみると・・・

 ” 熊野の神々の使いだといわれている八咫鳥。先を見通す目をもった賢者であり、進むべき道へと導いてくれる先導者として、神格化されている。三種の神器のひとつである八咫鏡の「八咫」と、熊野権現の使いである八咫烏の「八咫」。 「八咫」は大きいということを表わすだけでなく、太陽神との関わりをも示す言葉ではないかと云われている。また、三本の足は、智・仁・勇、あるいは、天・地・人を表わすともいわれ、太陽の象徴になっている。(中国では、太陽の中に三本足のカラスが住むと考えられている) 太陽とカラスの結びつきについては、太陽黒点がカラスの黒に似ているからで、そのうえカラスが定まって暁を告げるからであるとも考えられている。そして、黒といえば闇の色。太陽が出ていないときの色。太陽が存在する以前から存在していたカラスが、太陽を世界にもたらしたのかもしれない・・・”

 まあ、太陽の象徴だったとは・・・。連れて帰って良かった〜♪ これからも、日の本の道へとまっすぐ導いてね。お弁当を食べながら、再び渓流へ。(るんるん) 河原に白鷺が止まっているのを何度か目にした。(マヌーを思い出すなあ〜) アマゾンの仲間たちにも、よろしくね。

 次に、熊野速玉大社へ。お参りした後、境内に大きな御神木があったことを思い出した。そうそう、これこれ! なぎの巨木だ。ガイドさんの説明がなかったので、他の人たちは気付かなかったみたい。またご挨拶出来て良かった。みほちゃんが、本宮で気になって買ったお守りが、なぎの実だったことが、ここでわかった。気付いて良かったね。(パチパチ)

 熊野三山のラストは、お待ちかねの那智大社。3年前の時は、時間がなくて諦めていた。一つ残ったことで、いつかまた呼んでもらえる。そう信じて待つことにしていた。(ピンポ〜ン) そして、その時が来たのです♪
 この日の朝、バスの窓から、キリストのメッセージが書かれている看板を目にしていた。午後になって、また目に飛び込んできた。何か意味がありそうだけど、もしかして・・・・と思ったら、那智の滝に着く寸前に3つ目の看板を見た。やっぱり! そして、雨が落ち始めた。今日は朝から曇っていて、今にも雨が降りそうだった。最後に、古道ウォークがあるので、みんな心配していたようだった。でも私は、大丈夫だと思っていた。バスから降りた時には、その雨も止んでいた。そう、あれは精霊たちからの歓迎の合図。去年のペルーで、何度も見せてくれていたから、お馴染みなのでした。(ふふふ) キリストちゃんも、ありがとう♪

 今度は、147段の石段。ゆるやかな石段なので全然OK。高さ133mから、垂直に落下する姿は圧巻! さすが日本一の大滝。那智の滝は、太古の昔より自然崇拝として、また千手観音菩薩と一体とする観音信仰の聖地として崇められ、ご神体そのものになっていたという。拝観料を払うと、小さなお札が渡され、滝つぼの前まで近づける。その手前で、龍の口から出る延命の霊水を頂いて清めた。(この周辺も、すごいエネルギー!) その滝の力強さと美しさは、観音さまそのもの。古代の人々が心奪われ、思わず手を合わせたくなったのも、不思議ではない。千手観音さまが、滝の姿になって私たちの前にいる・・・そう感じた。ありがとうございます。私も、この滝のように、真っ直ぐ清らかでありたい。


 そして、最後の那智大社へ。ガイドさんから、長〜い石段で大変だから覚悟するようにと、さんざん脅かされた。(笑) 444段の石段。数字だけ聞くと大変そうだけど、両脇には売店などもあるので、実際には気が付いたら到着しているという感じだった。何しろ、きんさん・ぎんさんも登っているくらいだから大丈夫なのです。(^^) それも、曇っていてくれたおかげでラクだった。(有難〜い) 青岸渡寺と大社が並んで建っている。私は先に、お寺から入ることにした。青岸渡寺は、西国三十三番観音霊場の一番札所。那智の滝壷から発見された観音像を安置している。ご本尊は、いつもお世話になっている如意輪観音さま♪ 頬に人さし指をあてているのは、「どのようにしたら人々が救えるものか」と思案する姿を表わしているという。(うんうん) ご挨拶を済ませ、見晴らしの良い場所へ。心地良い風が吹き、気持ち良〜い。那智の滝とお社が、絵に描かれたように、素晴らしい景観になっている。大自然と神が一体になっている姿は、本当に美しい。


 お隣の那智大社へ。神殿の前に立つと、祝詞が挙げられていた。しばらくしたら、太鼓が鳴り、巫女さんが鈴を振りながら舞い始めた。まあ素敵〜♪ それにしても、何てタイミング! 
 頂上に着いて、お寺から入ろうとした時、別のツアーのガイドさんが降りながら 「こっちから入るの?」と驚いた表情を見せていた。どうやら奥の那智大社から入り、お寺から降りるのが一般的らしい。でも私は、無意識の内にお寺から入っていた。そのため、大社に入ったときは、入れ違いで参拝客がほとんどいなかった。思いがけず、巫女さんの舞まで観ることが出来て感激。

 その後、「お寺から降りたほうが近いですよ。」と案内の人に言われたのだが、私は遠回りでも大社の石段から降りたくなった。すると、石段の前には、茅の輪くぐりが設けられていた。(半年の罪・穢れを祓う夏越のお祓い) 書かれていたように、八の字に周った後、最後にもう一度神殿に向かって礼をした。すると待っていたかのように、大社の上空から太陽が顔を出し、明るく照らしてくれた。わ〜! その見事なタイミングに感動して、太陽を見つめていると・・・「明日、待っています。」の言葉が胸に響いてきた。 ありがとうございます! そして、しばらくしたら、また雲の中に隠れた。この日、太陽が顔を見せたのは、出発前の朝とこの時だけだった。これらの出来事で、周りの声よりも、自分の内なる声に従って行動することの大切さも感じた。もっとも、実際には何も考えずに動いていたのだけど、それが全て最善になっているのですね。


 今日の締めくくりは、熊野古道ウォーク。私たちが歩くのは、ハイライトの大門坂。霊地那智山への入り口でもあり、熊野信仰の最後のお社那智大社への入り口だ。その道を、私たちは下りで歩いていく。鬱蒼と生い茂る巨大な杉木立、苔の石畳、神気漂う太古の自然がそのまま残っている。何という清々しさ。両手を広げて、歩きたくなった。この美しい大自然に、身を委ねたくなる。ゆっくりと、一歩一歩しっかりと歩いていく。いつしかグループを離れ、心静かに一人で歩いていた。内なる世界の中で、古代に遡りながら・・・。
 樹齢800年の楠大樹に、手を触れた。大きくて力強いけれど、温かくて優しいぬくもりを感じる。大地に大きく根を張り、空に向かい真っ直ぐに伸びる、この大樹のように私も生きたいと願う。
 すぐ隣には、熊野九十九王子社の最後である多富気王子の碑があった。この位置から大滝が間近に望めるところから、滝に向かって両手を合わせて拝む ”手向け王子”から名づけられたそうだ。この楠大樹は、大門坂の古道を守っている御神木なのかも。 ご覧の通り、神気が降り注いでいる場所でした。


 樹齢800年の夫婦杉は、大門坂の門のような構えで立っている。私たちにとっては熊野古道の出口になっていた。(下界へと降りてきた感じ。^^) 熊野本宮は阿弥陀仏の西方浄土、熊野那智大社は千手観音の補陀落浄土、新宮の速玉大社は薬師如来の東方瑠璃浄土とされ、熊野全域が浄土になっている。古代の人々は、熊野詣でに参るとき、身の回りの整理をし、覚悟を決めて出たという。それだけ厳しい修行の道になっていたのですね。私たちがこうして楽しみながら、熊野三山を周れることは、幸せで有難いことなのだと思った。(しかも夏至の日!) その意味を受け止め、熊野で誓った想いを忘れずに、最善を尽くしたいと思います。熊野の神々さま、ありがとうございました☆

 今日のお宿は、勝浦にあるホテル。夕食前に、温泉に入ってサッパリ。のんびり食事して、お部屋でゆったり。今日も一日、充実してたわね〜。明日は、伊勢神宮で最後。アマテラスさま、待ってて下さいね〜♪