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聖なる旅


出雲編

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2002.4.21〜4.22

4月 22日
 今日は朝から雲一つない青空が広がっていた。やはり、昨日の雨は浄化で準備してくれていたみたい。 Yさんのお薦めで、近くにある神社にお参りしてから、出雲に向かうことになった。その神社は、松本清張の「砂の器」でも知られた湯野神社だった。実は、この神社は来る途中で目に入り気になったので、帰りに時間があれば寄ってみたいと話していた神社だった。この神社も、大きな木立に囲まれた気持ちの良いところだった。みんなで参拝した後、奥に石碑があるのを見つけた。そこには、剣の形が彫られていた。次は、剣山。そのことを示していた。

笛の音と共に、エネルギーがたくさん降りてきました。

 出雲に近づくと、風まで変わってきた。飛行機雲が二本走っている。大きな一筋の雲も現れた。山の上には、一つだけ黒っぽい雲が浮かんでいる。冠を被った鳥・・・「朱雀みたい!」と柾至。

 先に出雲大社の奥にある日御崎神社へ向かった。まず、その手前のいなさの浜で降りた。ここは大国主命と天照大神の使者が国譲りの交渉をした場所とも言われている。この浜辺にある弁天岩に神様が降りられたそうで、全国の神々がここに集まってから、出雲大社へと向かうそうだ。神事が行われたときの興味深いお話も聞かせてくれた。波は穏やかで、風もなく、ジリジリとした陽射しで暑かった。

 海岸線をさらに奥に入ったところに、日御崎神社があった。朱色の鮮やかな楼門が一際目立っている。日御崎に着いたところで、風が急に冷たくなった。山の上にモクモクと白いものが流れてくる。雲にしては、あまりに低すぎる。煙かな・・・?でも、それらしいものはない。見る見る間に、私たちの真上の空は雲で覆われた。やっぱり雲!? さっきまで、雲一つない空で、夏を思わせるような強い陽射しが照りつけていたのに・・・。あんなに低いところにまで、雲が降りてきている!?

 この神社は権現造りで上の宮(神の宮:かむのみや)下の宮(日沈宮:ひしずみのみや)とに分かれ、上の宮には須佐之男命、下の宮には天照大神が祀られていた。鳥取のK.Kさんが祝詞をあげてくれて、みんなで参拝した。すぐ後ろには、ウミネコの繁殖地の経島(ふみしま)がある。飛来してきたウミネコでいっぱいで、賑やかに鳴いている。この島にも小さな鳥居があって、天照大神さまを祀られているようだ。参拝が終わった頃には、また青空が見えてきた。この陽射しから、私たちを守ってくれたのだろうか・・・。Yさんも、これは神様の仕業(!)だろうと言っていた。日御崎を出て、出雲大社へと向かう途中で、「おかあさん! 龍が出てきたよ」と柾至。海の上をゆっくり這うように出てきた。思わず、車を止めてシャッターを押した。お迎えだ。(写真右)


 私たちは、この日の夜のフェリーで帰ることにしていたので、午後9時までに松山に戻らないと行けなかった。そうすると、遅くても午後2時半ごろには出たほうが良いとのこと。それで、先に昼食を取ることにした。出雲名物のおいしい割り子そばのお店に連れて行ってくれた。そして、YさんとK.Kさんが私たちだけ先に案内してくれることになった。

 最後の最後にようやく出雲大社へ。鳥居をくぐって中に入ると・・・「すごいなあ、今日はすごい神気に溢れている。こんなのは久しぶりに感じた。」とYさん。「今日は頭からビリビリ入って来る〜。」とK.Kさん。「入った途端に、足から全身を包まれた。」と兄。それぞれに、感嘆の声。一方私は、相変わらず気持ちがいい〜って感じだったが(^^;、Yさんたちによると、いくらパワーのある神社でも、いつ来ても同じではないとのこと。その時によって、ペッペラペー(何にもないってことかな・・・笑)で、そっぽ向いているような時もあるという。それは、神様は向かってくる側の思い、どんな思いで来ているのかが全部わかっているからとも言っていた。

 鶴と亀の池に満開の藤棚がきれいだった。日本一の大注連縄のある立派な拝殿に参拝しようとしたが、そこは後でもいいとのこと。そして、木造で古い造りの御本殿に案内してくれた。ここに鎮まっておられるそうだ。その楼門の前には、丸い印がいくつか描かれてあった。ここには古代の本殿を支えた柱根があって、2000年に発掘されたそうだ。直径1m以上の丸太を3本束ねて、一本の柱としてあった。伝承では、古代の御本殿は50m近くあったという。造営図から復元した絵を見て、私は胸が一杯になって思わず涙が出そうになった。海のすぐ前に建てられ、高い階段を上りつめたところに本殿がある。その絵の前に立っただけで、私は鳥肌が立つくらいのエネルギーを感じ、同時に全身を暖かく包まれたように感じた。なに、この感覚は? 何だかとても懐かしいような気持ちさえする。私はもしかして、知っていたのだろうか・・・。


 出雲大社は、一般的には縁結びの神様とも言われているが、その本当の働きをまた出発の前日に知ることになった。・・・毎年、神無月になると、出雲では神在月として神々が集うと言われている。出雲の神(大国主命)とは、国を守るための神様であり、日本に抜き差しならない問題が起こったとき、中心となって八百萬の神々を総結集させる力がある神様である。つまり、衰退や低迷などの悪いものが、それ以上進まないようにして、好転の転機を与えて運を開いて下さる働きがある。
また大黒天として、いい畑の種を自然に運んでくれたり、人を介していい種や肥料を集めてくれる働きもあるという。さらに、この出雲には中国の三大龍王である赤紫龍・白龍・金龍が結集していること。さきの日御崎神社には、ある星座の極点が降りていて、沖合いには海龍神が眠り、日本を外敵から守ってくれている。前回訪れた琴平・鳴門・剣山・・・そこから繋がった出雲大社。全てが一つの流れの中にあった。

 御本殿の奥にある素鵞社に案内された。御祭神は須佐之男命。祝詞を挙げ終わった後、K.Kさんがヨロヨロと座った。どうやら降りてきたようだ。Yさんは慣れた感じでレコーダーとノートを出した。
 私たちは邪魔しないようにと、静かに裏のほうに周った。裏側は岩壁のようになっていた。何とも神秘的な雰囲気。思わず触りたくなる。しばらくして、Yさんが来て説明してくれた。やはり、ここも意味のある場所だった。その岩の前で、瞑想をしながらエネルギーを頂いた。その間、Yさんは鮮やかなブルーが一杯に広がって来るビジョンを見たそうだ。海・・・!?

 ぐるっと御本殿を周ったところで、神様はこちらに向いているという場所を教えてくれた。本殿の正面ではなく、その場所から参拝したほうが良いとのこと。これも、教えてもらわなければわからないことだった。参拝が終わったところへ、みんなが境内に入って来るのが見えた。すごいタイミング!そこで、全員揃って写真を取ったところで、時計を見ると午後2時をまわったところだった。(完璧!) 

 「帰り道がわかるところまで、この人たちを送って行くから、ここでもう失礼します。」と、Yさんたちはみんなにお別れの挨拶。(他の人達は、案内されなくていいのかな・・) そこで、YさんとK.Kさんは、全てわかった上で動いていたことに気づく。

 お昼を食べるときも、私たち5人だけテーブルが別れた。時間も間に合いそうだから、みんなと一緒でも・・・と言ってみたが、Yさんたちは先に行こうと私たちを案内してくれた。私たちがここに来る目的については、何も話していなかったのに、わかってくれていたのだ。Yさんは今回突然参加してくれることになり、京都から駆けつけてくれたそうだ。

 今朝、出発前にYさんが撮影した写真を見せてもらっていたが、どれも凄くて半端ではない。完全に神様と繋がっている人だった。K.Kさんは、ある時から神事をさせられるようになったという。昨日、お二人が金屋子神社に向かう途中で、いくつかの神社に呼び止められて参拝していたと言っていた。

 二人のおかげで、私たちは本当に素晴らしい参拝が出来た。自分たちだけだったら、こんなにいい参拝は出来なかった。出雲の神様が、お二人をガイドとして派遣してくれたかのように感じた。(感謝します。) Yさんは鞍馬や玉置に行く時は、連絡してくれたら案内してくれるとまで。(昨夜は、”マンダラ姫”というあだ名を付けられた。笑) 

 下の名前を教えてもらうと、Mで始まっていたことがわかったり、K.Kさんの名刺には”いい水・いい環境”と書いてある。(!) ちゃんと別の仕事を持っていて、それ以外の時間は神様の仕事をしている。それに対しては何の見返りを求めるでもなく、それが自分の役割だということを良く分かっている。とてもお二人には及ばないけれど、私がこうして神社や聖地を訪れるのも、目的は同じ。それぞれの場所に鎮まっている神様や高次の存在達に、この国を、地球を守るための働きをして頂く為に祈りに行く。祈りというのは、家でもどの場所でも出来る。エネルギーもどこからでも送ることは出来る。それだけでも充分に伝わる。でもこうして、時間や労力などのエネルギーを注ぎ、真っ直ぐに目の前まで向かって行くと、神様たちはその真剣な思いをしっかりと受け止め、応えてくれる。そのために準備までして、最善の状態で両手を広げて迎えてくれる。今回の参拝で、そのことをはっきりと感じさせてくれた。私は、これからもそのために注ぐエネルギーは惜しまない。全力を注いで向かいたい。それが今の私の出来ることであり、自分の役割の一つであることがわかっているから・・・。(もちろん、楽しむことも忘れずに♪)
 松山までは、約6時間。お二人のおかげで帰り道もスムーズで、ちょうど良い時間に港に着いた。「今回も完璧やったね。」と兄。本当に感謝の気持ちで一杯です。必ず、これからに生かしていきますね☆