[聖なる旅] [2007セドナ編] [Page 1]


聖なる旅 




エジプト 2008 編


2008.3.17〜3.31
                                                                                

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 3月21日(満月)
 明け方、何かの音で目が覚めた。夜明け前のピラミッド。一時間ぐらいしたら、朝日に照らされてきた。また戻ってくるから、待っててね〜。


 今日は、お楽しみのサファリツアーだよ〜♪ ツアーのガイドは、アフメッドくんになった。トヨタの4WDランドクルーザーに、荷物を載せて出発! 

 都会の喧騒から離れて、再び大自然の中へと向かう。 早くも、砂漠地帯に入った。空には、精霊たちが楽しそうに舞っている姿が。(ふふふ)
 昨日までとは、何かが大きく変わっている。出発日からの身体の変調も、すっかり治まっていた。春分の日が明けて、一つの大きなプロセスを終えた。その祝福なのだと感じた。「今日は、思いっきり楽しみなさい。」 その言葉が響いてきた。

 朝からワクワクしていて、私のテンションも上がってきたけれど、それ以上にドライバーさんは、明るく陽気な人だった。 オアシスに住んでいるというシェハダさん。英語は、あまりしゃべれないけれど、私たちの気分をさらにアップさせてくれていた。(^^) 途中のレストハウスで、しばらく休憩したりしながら、どんどん走った。

 小さな砂山がポツポツ。すると、「今日は、スペシャルサービス!」と言い放ち、道路から離れて砂漠の中に突入! わ〜っ、きゃあ〜! バンピングしながら、砂漠の上を走り抜け、さながらアトラクションのようになった。
 その楽しいこと! 気分はサイコー♪ 車内は一気に盛り上がった。しばらくして、車を止めて外に出た。サラサラした砂で、きれ〜い。見渡す限り、一面の砂漠。 この開放感は、たまらない。いろいろなものから解き放たれて、自由になった感じ。 思いっきり叫びたくなったほど。(^^)


 再び道路に戻った。目にしたところ、何もない同じ景色の中を走っていたのに、彼にはちゃんとわかっているのだ。さすが、サファリドライバー! ますますテンションが上がってきたよ〜。

 ちょうどお昼頃、バフレイア オアシス内の村に到着。そこで、シェハダの家へ。(!) 可愛い男の子と女の子がいた。男の子は、シェハダがキャンプの用意をしているのを、一緒に手伝っている。(お利口さん♪) 女の子は、恥ずかしそうに出たり入ったり。二人とも、澄んだ目がクリクリしている。思わず、抱き締めないではいられなくなった。(^^)

 
 そこで、シェハダの奥さんの料理が出てきた。わ〜!  まさかここで、エジプトの家庭料理を頂けるなんて思っていなかったので感激・・・。
 手作りの丸型パンに、おかずを挟んだり、付けたりして食べる。どれもフレッシュで、おいしかった♪ それに、ちゃぶ台を囲んで、みんなで食べている姿が、古き日本の家庭を再現しているようで面白かった。(^^)

 トイレを借りるときに、台所にいた奥さんとバッタリ顔を合わせることに。ベールを外していたので、本来はいけなかったのかもしれないけれど、スラっとしてとてもきれいな顔立ちの人だった。(モデルみたいに) さすが、自称面食いのシェハダだけあります。(笑)

 外は暑くなっていたけれど、家の中はクーラーとか何も付けていなくても、空気がひんやりとして涼しかった。そういう家の造りなのでしょうね。 紅茶も頂きながら、のんびりとリラックスして出発。
 
 村を出て、再び砂漠地帯へ。まずは、黒砂漠に入った。「三大ピラミッド」と呼ばれている砂山などが、点々としている。(ほんとそっくり!) ・・・後でわかったところ、砂が黒いのではなく、黄金色の砂の表面に、鉄分を多く含む岩石のかけらが一面に広がっていて、遠くから見ると砂漠自体が真っ黒に見えるそうです。大自然の神秘ですね〜。


 温泉のあるエリアで、別のサファリカーと合流。イギリス人たちのグループが乗っていた。しばらく走って、写真スポットで休憩。さっきとは、また砂の色が少し変わっていた。手にすくってみると、ゴールド色に輝いている。(!) 
 ペルーのナスカに向かう時も、砂漠のオアシスに訪れていたけれど、アフリカ大陸ということで、感じ方がまた違っている。小さい頃に観た「アラビアのロレンス」や、映画のシーンで目にしていたアフリカの砂漠。そこに来ていることを、また実感して感激しているのでした〜。
 

 4人揃ってパチリ。私にバニーヘッドをしていたシェハダ。(何で、ウサギちゃんだとわかったのかしらん。^^) ・・・ともちんは、セドナのココペリシャツでしたね〜。
 アフメッドくんが、スカーフを取ってベドウィン巻きをしてくれた。これで、私もサファリの人に。v(^^)v 
 
 お次は、クリスタルマウンテンが出てきた。お〜っ、待ってました〜♪ マウンテンといっても、小さな岩山のような感じ。その岩には、クリスタルが一杯! 
 セドナでも、岩の中に小さなクリスタルが入っているのを目にしたけれど、そんなものではない。クリスタルの塊が、そのまま突き出ているのです。岩そのものが、クリスタルで出来ているって感じ。しかも、この砂漠のど真ん中で・・・。太陽の光でキラキラ〜。初めてだったので、思わず興奮。


 持って帰る人が多いので、どんどん少なくなっているとは聞いたけれど、それでも凄い。地面の下のほうには、小さなかけらが一杯落ちているので、それなら大丈夫ということでお許しを頂いて、少し分けてもらうことにした。正真正銘の天然のクリスタル・・・しかも満月の日に頂けるということで、これも自然界からのギフトなのかも♪ 
 

 最後にともちんが、大きな穴が空いているのを見つけて教えてくれた。これって、グランドサークルで良く出てくるブリッジのミニ版みたいだし、大きさ的にはマチュピチュやペルーの神殿のWishing Door のようだと思った。昨日の春分で、私たちは新しいゲートをくぐり抜けたので、ここでもう一度願いや誓いを宣言することにした。

 
 ついついクリスタルに魅せられて、夢中になっていた私たちを呼び戻し、次なる場所へと出発。そこで、ついに白砂漠へ突入。
 その一帯には、様々な形をした奇岩がズラリ。しばらく、その不思議な一帯を走り抜けると、車が数台止まり、人が集まっているところに着いた。そこが、最も有名なスポットらしい。

 またまた興奮気味に、車から降りて駆け寄ってみた。巨大なマッシュルームという感じで、近づくと結構大きい。触ってみると、チョークのように白いものが付く。他にも、鳥さんやライオンのように見えるものもあった。それらが太陽の光に照らされて、真っ白に輝いているから、一見すると雪の彫刻みたい。(ここは札幌かい! 笑) 

 
 青い空の下、広大な大自然のキャンパスに浮かぶ白い彫刻の数々。素晴らしい芸術品を観ているよう。さっきのクリスタルマウンテンといい、何もないと思われる砂漠の中に、自然に創られているなんて、ほとんど奇跡にさえ思える。大自然の神秘に、またまた感激。


 他のグループのドライバーさんで、シェハダの友達と談笑中の私たち。「この中で一人だけ結婚相手に選ぶとしたら?」などと聞いてきたり、ユーモアたっぷりで楽しませてくれるサファリのスリーアミーゴなのでした。(笑) 


 少しずつ日が傾いてきたところで、今夜のキャンプ地へと移動。道のなくなった広大な砂漠の中を、さらに滑走。他にもツアーはたくさん出ているので、距離を置いた場所も考えて、ベストスポットを探してくれているようだった。 途中で合流していたイギリス人のグループとは、ツアーのエージェントが同じなので、200mほど離れたところにテントを張ることになった。
 ちょうど到着したところで、太陽が沈み始めた。砂漠の地平線に沈む夕日。何て美し〜い♪


 後ろを振り返ると、今度は淡いグラデーションで染まった空に、ピンクゴールドに輝く満月が浮かんできた。わ〜♪ 写真ではわかりにくいけれど、その満月の大きいこと! 


 その間に、私たちのテントも完成した。 テントといっても、サファリなのでベドウィンテント。くるくる巻いていたカーペットのようなものを、立てた状態で車に縛り付けてしっかり固定させる。それは風向きを考えた上での風避けになっている。そう、野営キャンプなのです〜。

 これまでの「聖なる旅」において、ペルーのアンデスの山の中(インカトレールにて)や、サクサイワマンの神殿内、アマゾンのジャングルのど真ん中などで、テントを張ってキャンプしたことがあるけれど、今回はついにサファリキャンプ。 しかも、完全な野営というのは初めて! それが可能なのは、この砂漠ならでは。 イエ〜イ♪


 太陽が沈んでも、しばらくはまだ明るかった。マットを敷いて、ゴロ〜ンとリラックス。はあ〜っ。この開放感は、本当にたまらない。大自然に身をおくと、小さなことで悩んだり、考え込んだりすることが、まず出来なくなる。ハートもオープンにして、要らないものはここで全て解き放っていくと、大自然が、それらをちゃんと受け止めてくれる。そのお返しに、私たちも大自然に貢献していくことが、共生の一つにもなっているから。


 アフメッドくんやシェハダと遊んでいたところへ、イギリス人のグループが訪問に来た。2人は30代前後の夫婦で、もう一人の若い男の子は、その御主人の会社で働いているそうだ。その男の子が、憶えたアラビア語を交えて、エジプト人の真似をしたりして、みんなを楽しませてくれていた。
 夕食は、彼らのテントに行って一緒に頂いた。トマトとポテトをスープ状に煮込んだものを、ライスに掛けて食べる。(スリーアミーゴの内の一人が、彼らのドライバーさんで、夕食も準備してくれていた。) 他にもグリルしたチキンなどもあったけれど、そのシンプルで優しい味のスープだけで、私には満足だった。それも、満月の空の下で、みんなで食べるからでしょうね。(^^)

 この夜、アフメッドくんとシェハダが、私たちにエジプシャンネームを付けてくれた。私は、「Lila ライラ」。その名はエジプト人なら誰でも知っているという、有名な古代からの物語に出てくる女性の名前らしく、ライラの歌というのもあるとのこと。(「ライラの冒険」じゃないよ。笑) ・・・その通りに、この後も彼らがこの名前で呼んでいるのを聞くと、他のエジプト人たちもすぐにわかって、その歌を口ずさんでくれていました。(エヘッ) 
 ちなみに、ともちんは「Zena ゼナ」。これも、女性の美しい名前の一つだそうです。(^^) こうして、私たちが新しい名前を授かったのも、昨日で生まれ変わったことを象徴してくれているように感じたのでした。

 自分たちのテントに戻り、キャンプの火を灯してくれた。その火の前にマットを持ってきて、またまたゴロ〜ン。あ〜、気持ち良〜い。

  空は満天の星で、オリオン座もはっきりと見えていた。シェハダが音を奏でながら、歌を唄ってくれた。「レッツダンス!」と、アフメッドくんが私たちを起こして、ベドウィンダンスのステップを教えてくれた。


 そうして、煌々と輝く満月の光が降り注ぐ下で、サファリの楽しい夜が更けて行ったのでした☆