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聖なる旅 



エジプト 2008 編


2008.3.17〜3.31
                                                                              

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 3月28日
 エジプト最終日。出発も遅くしていたので、朝はゆっくりとパッキング。 朝食はオムレツを作ってもらったり、フレッシュフルーツもたっぷりと、のんびり時間を掛けて頂いた。

 12時にチェックアウトでロビーへ。最後の観光は、アフメッドくんがガイドすることに。この間の写真を見たいということで、説明しながら一緒に見ていた。(まだ私も良くみていなかったので。^^)

 今日の予定は、イスラム地区へ。その前に、ポンドショップのお店へ寄ってもらった。ここは一律料金で安いと聞いていたけれど、思ったほど種類がなかった。やっぱりバザールで、交渉しながら買うのが楽しいかも♪ 
 この日は金曜日だったので、モスクはお祈りのために、午後2時からしか入れなくなっていた。それで、アフメッドくんがお家に招待してくれることになった。わ〜い♪ ・・・またまた思いがけない流れで、エジプトお宅訪問 第三弾になっちゃった。(うふっ) お家に入る前に、頭も巻き巻き。

 カイロの街の中心で、10階の最上階にある二部屋を、一つに合わせていた。(わお〜!) 3部屋が繋がっているリビングルームも、広くて素敵。明るい陽が射し込むバルコニーからは、カイロの街が見える。
 アフメッドくんって、良い家庭のお坊ちゃまだったのね。(^^) 兄弟たちも、ツーリズムやメディカル関係のお仕事をしているらしい。サファリツアーのときも、必ず一日5回お祈りをしていたので、感心していたけれど。パパさんとママさんも、優しくて真面目そう。ママさんがランチを用意してくれて、みんなで一緒に頂くことに。 わ〜い♪

 揚げたてのターメイヤ(エジプト風コロッケ)は、サクサクしておいし〜い♪ ポテトもカリっとしていて、お豆のサラダまで。私がベジタリアンと聞いて、合わせてくれたみたい。もっと時間があったら、モロヘイヤのスープも作りたかったと言ってくれた。(いえいえ、もう充分です〜。^^) 愛情のこもったホームメイド料理は、やっぱりおいしい。どんどん勧められるので、たくさん食べちゃった。(へへへ)

 パパさんからは、メッカでしか手に入らないという、特別な香油のプレゼントまで。ラベルには、メッカの名前と聖殿(カアバ)の絵が入っていた。イスラム教の最高の聖地であるメッカへは、一生に一度は巡礼に行くことが義務付けられているという。また、モスリムでない人は、入れないようになっているとか。それなのに、私が頂いても良いのかしら・・・。 手にしているだけで、ドキドキ。言われるままに、そっと嗅いで着けてみた。 メッカの聖殿にいるかのような、深〜い神聖な香りに包まれた☆

 紅茶まで頂いて、最後にみんなで写真を撮った。すると、どの写真にもたまゆらが、お部屋いっぱいに浮かんでいた。どうやら、集まっているのは精霊だけではないみたい。・・・素敵な時間を、ありがとうございました♪


 ご馳走にもなってしまって、またまた名残り惜しかったけれど、パパさんママさんにお別れして、イスラム地区のシタデルへ。
 シタデルは、十字軍の攻撃から守るために建てられた城塞。その頂上にあるのが、ムハンマド アリ モスク。オスマン朝時代に、イスタンブールのブルーモスクに模して建てられている。天井ドームに、細長いミナレットが特徴的。

 敷地内には、靴を脱いで入る。中庭には、手水舎(泉亭)のようなものも。 時計台は、パリのコンコルド広場に贈ったオベリスクのお返しとして、贈られたもの。


 中に入ると、ランプとシャンデリアの光で、お部屋全体がキラキラ輝いていた。わ〜きれ〜い♪  その荘厳な美しさに、しばし呆然。


 二人で写真を撮ったら、またたまゆらが凄い! もう、どこを撮っても、たまゆらでいっぱい。神聖な場所であることは間違いないけれど、アフメッドくんのお家から続いて、今日は勢ぞろいで一同に集まっているという感じ。旅の最後を祝してくれているかのように・・・。


 ムハンマド アリが、今もまだ眠っているというムハンマド アリ廊にも御挨拶。説教壇になっている玉座など、お部屋の中を一通り周ってから、中央にある大きくて豪華なシャンデリアの下へ。


 ここでしばらく座ってから、お祈りと瞑想をすることにした。その前に、アフメッドくんにモスリム巻きをしてもらった。まずは、イスラムの神さまへの御挨拶。そして、この日もこうして集まってくださった、多くの高次の存在たちへ。
 旅の最後の締めくくりとして、ここまで導いて下さったこと、暖かく迎えて下さったことへの感謝のお祈りと、これからやって行くことへの宣言を。


 キャンドルライトが揺れている。周りの音をシャットアウトして集中すると、部屋全体に響いてくる音が聴こえてくる。この音のことだ。来る前に教えてもらっていた。耳を澄ませば、きっと聴こえてくると・・・。光と音のハーモニーとして。

 観光客から、お祈りにきた地元の人たちまで、たくさんの人たちがいる。子供たちのグループも入ってきた。学校からの見学みたい。日本人は珍しいのか、私たちのほうを見ていて、その内に一人二人と寄ってきた。そこで一緒に写真を撮ろうとしたら、あっというまに一斉に集まってきて、私たちの周りを囲んだ。 おっと〜!


 あらあら大変なことになっちゃった。先生たちも、オイオイ!って感じ。それでも、子供たちは神聖な場所であることはわかっているようで、みんなマナーが良くてかわいい〜♪ ・・・そういえば、ペルーでも何度か同じようなことがありましたね〜。
 何とか写真を撮り終えたところで、(私の隣にいる)先生たちに促されて、子供たちもまだ名残り惜しそうに出て行った。バイバ〜イ! 思わぬ楽しいひとときなのでした。(^^)


 思えば、カナダに住んでいた頃も、イスラム教の人たちと関わることが多かった。度々パーティや食事にも招かれていて、毎年のラマダンの時の様子も目にしていた。その時は、それほど意識はしていなかったけれど、今回エジプトに来てから、イスラム教のことももっと深く知りたいと思うようになった。

 これまでも、その時々にいろいろな宗教と関わってきた。それぞれの教えは素晴らしく、ほんの一部とはいえ、多くのことを学んだ。それでも、私自身は一つの宗教だけに入り込むということはなかった。・・・そうなる前に、必ず卒業するようになっていた。それは、宇宙の根源としての創造神に意識を合わせよという、ハイアーセルフによるものだったけれど、これからも同じ。それぞれに教えが異なっているようでも、そこに誠実な信仰心と愛があれば、それで良いということ。 本来は、みんな一つに繋がっている。 実際にこうして、暖かく迎えて頂いていること、受け入れてもらえていることが、その証でもあるのだから。

 外に出て、周囲を散策。外壁も内部も、アラバスターが使われていて美しい。高台にあるので、イスラム地区からカイロの街全体まで見渡せる。この日は、珍しく曇っていて風も強かった。 最後の日だからかもしれない・・・。


 続いて、最後の観光としてハーンハリーリへ。カイロで、最も大きなバザール。一体どれだけのお店が入っているのか、検討がつかないくらいに広い。時間帯がそうなのか、金曜日だからなのか、通りも人で埋め尽くされている。 中は迷路のようになっていて、この雰囲気だと迷子になりそうだったので、アフメッドくんが手を引いて周ってくれることになった。(お子ちゃまかい!^^;)

 何が買いたいのか聞かれて、声を掛けてきた若いお兄ちゃんのお店まで。細い路地まで、お店がズラリと並んでいる。そこで、まずラクダちゃんの人形を見つけた。シナイ山で見つけたものの買い損ねていたけれど、ここには二つがペアになったラブラブシリーズがあった。紐を引っ張ると、「アイ ラブ ユー!」と声を出しながらキスをする。(きゃっ♪) もう〜超カワイイ〜! 
 それと、パピルス風のカレンダーも。金色の背景に、ページごとにファラオたちの絵がある。(1〜2月は、ツタンカーメンなり!) 安くしてくれた代わりに、巻き巻きとは別のあることをおねだりされたけれど、そこはうまくごまかして。(笑)

 別のところで、ハイビスカスのハーブティや、お土産用の香水瓶のセットにTシャツなど。人の出入りが多いので、お店の人のテンションも高く、その勢いに参ってしまいそうだった。 ペルーにも大きな市場があって、お買い物は慣れていたはずなのに、早くもギブアップ状態。まだまだ時間はあったけれど、ここで退散することに。(ははは) モスクで過ごした後だったから、余計にそう感じたのかもしれないけれど、どこかでゆっくり過ごしたかった。

 最初のプランでは、予算を遥かにオーバーしていたので、この日はフリーで自分たちで周って、タクシーで空港に行くことにしていた。でも現地で急遽変更して、この日も手配をお願いすることにしたのだった。それも正解だったのね。時間は余裕があるようでも、過ごし方が違ってくるから、お金云々ではなかったのでした。
 ハーンハリーリに着いた時点で、ガイドのアフメッドくんのお仕事は終了。あとは送迎のピックアップまで自分たちで過ごすことになっていたけれど、彼は残って空港まで一緒に送ってくれることになった。それで、この後はまだ2時間以上はあったので、カフェでゆっくりすることに。

 グアバの生ジュースと、ライスプディング。それに、最後のシーシャも登場。今回は、パイナップル味にしてみた。あまり咽なくなって慣れてきたので、呼吸法を意識。肺から腹筋も使って、思いっきり深く吸って、ゆ〜っくり少しずつ吐いていく。うん、なかなか良い感じになってきたよ〜。(えへへ) はい、ともちんも頑張って〜。(^^)
 ・・・ここでも、たまゆらが凄いこと。最後の最後まで、見守ってくれていたのですね〜。


 リラックスしながら、おしゃべり。・・・イスラム教のことも聞きたかったけれど、語学力が付いていけないので、もっと軽い話題でお互いの国の恋愛事情になってしまった。(笑) 
 
 少しずつ日が暮れてきた。そこでお迎えのシェリフさんが登場。お久し振り〜。一緒にしばらく座って過ごした後、空港へと出発。車の中では、二人がライラの唄を歌ってくれて、盛り上がっていた♪
 何も用意していなかったと思いながら、アフメッドくんに持っていたスカーフを渡すことにした。・・・サファリで、彼がしていたスカーフを先にもらっていた。 シェハタに渡したのと同じで、アンコールワットのところで買ったもの。すると、彼が首につけていたペンダントを外して、私に着けてくれた。それは、何とスカラベのペンダントだった。(!) ベージュ色のストーンで、お土産屋さんでは、あまり目にしなかった珍しいタイプで、どこかネイティブっぽいデザイン。しかも、裏に彼のイニシャルが彫られていて、大事な物のようだったのに。 
 それにしても最後の最後に、またスカラベちゃんだなんて。この旅の間に、一体いくつ頂いたのだろう・・・。 太陽神さまの心遣い、ありがとうございます☆

 空港に着いて、入り口のセキュリティのところで、アフメッドくんとはお別れ。中には、資格のあるシェリフさんしか入れないらしい。エジプトは、こうしたセキュリティが厳重。ここからは、急にバタバタ。二人とも荷物が重量オーバーしていたりして、ちょっと慌てた。
 シェリフさんともお別れして、審査を通った後で、追加した今日のツアー分を渡していなかったことに気付いた。まだ今ならいるかもしれないと思って、外に出してもらおうとしたけれど駄目だった。電話をするところもない。セキュリティの人に、携帯を貸してもらおうと思ったけれど、それも駄目。 あちゃ〜! どうしよう〜。 時間はあったのに、最後は急にバタバタしちゃったし・・・。何かを中途半端に残してきた感じになってしまって。
 しばらくして落ち着いてから浮かんできたのは、この旅には続きがあるということ。まだ終わっていないことを示してくれていたのだと・・・。スカラベのペンダントが、そう伝えてくれているのを感じた。

 帰国後、アフメッドくんからは、すぐにメールが入っていた。それでツアー費については、送金することで解決。その前に、サファリの旅が終わった時点で、先に写真も送ってくれていた。そのメールの中には、今までした仕事の中で、あのサファリのツアーが、僕にとっては一番楽しかったと書いてくれていた。
 
 初めてのエジプトへの旅。今生では、何もかも初めてだったので、どんな旅になるやら、想像もつかなかった。直感を信頼しながら、全て自分でプランしていたので不安もあったけれど、多くの存在たちのおかげで、素晴らしい旅になった。

 一期一会で、いろいろな人たちにも出会った。会ってすぐに親しくなれた人たちもいた。それも、魂の聖なる旅ならではだけれど、その中でも今回は20代の男の子たちが多かった。(シナイ山へのガイドから、登山のときのベドウインガイド、アフメッドくんに、ルクソールでの二人など。) 20歳も年下の彼らに、いろいろお世話になっていた。自然とそういう状況になっていた。これまでなら、あまりなかったパターンかもしれない。大体、男性に甘えること自体、私は苦手だった。結婚していたときもそうだったけれど、いつのまにか母親役を買って出てしまうから。
 それが、彼らは年齢とか国籍とか、あまり意識しないみたいで、全く対等に接してきていた。それよりも、本能の赴くままという感じで。 彼らは、自分に正直に、素直に感情を表していたように思える。時に、ストレート過ぎて戸惑うことはあったけれど、それだけ純粋なのかもしれない。

 そのおかげで、私の意識も変わってきた。帰ってから、甘えるときは甘えて良いと思えるようになった。自分の弱さをみせても良いのだと思えるようになった。そうして、ハートを開いていくことを教えてもらったように感じている。それに、限られた時間と、限られた機会なのだから、与えられたものを大事にするためにも、自分の気持ちを素直に表現したほうが良いということも。

 古代の遺跡や神殿を訪れて、新しい扉を開き、封印していたものを生命の鍵で開け、眠っていた意識も目覚めさせることになった。それも帰った直後から、具体的に動き始めた。これまでの古い殻や、必要のなくなったパターンを、一つ一つ打ち砕いていくようなアセンションのプロセスが、ノンストップ状態で続いた。(Diary 166にて) おかげで今は、心も身体もずっと身軽になった。

 このレポートを書いている今は、帰国してまもなく一年が経とうとしている。ようやく、この時期になって、旅での体験の意味が少しずつわかってきた。そして、この旅は、一ヵ月後の旅へと続いていく。ハートの花を、さらに開いていくために・・・☆

 この後は、番外編へ。