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聖なる旅 



エジプト 2008 編




2008.3.17〜3.31
                                                                              

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 3月27日
 寝台列車のファーストクラスは、個室になっている。個室といっても、ソファが二段ベッドになるくらいのスペースしかないけれど、ベッドに眠れるだけでもラクラク。食事は、ごくシンプルなものがサービスされるけれど、食欲もないので手を付けなかった。

 すると、スタッフのおじさんが、そんな私の様子をみて、「どうしたの〜?」と心配してくれた。話し方もとっても優しくて、全体の雰囲気からムーミンパパみたいと思ってしまった。(^^) それからも「よしよし」という感じで、いろいろ気遣ってくれたので、私の気持ちも安らいだ。その夜は、アポロを抱えてウトウトと眠った。

 明け方に到着。いつも四国に渡るときに利用している、フェリーのような感じ。早目に起きていたけれど、ムーミンパパが各部屋をノックして、声を掛けてくれるようになっていた。 通路に出たところで、ムーミンパパに手招きされた。そこで一枚のコインを差し出し、「来年も、カイロに戻っておいで。」 う〜、またしても。(!) ちょっぴりウルウル。
 来年戻ってくるのは、もう決めていたことだけれど、こうして伝えられると、エジプトからも呼んで頂いているのだと感じて、うれしくなる。・・・は〜い、今度はもっと強くなって。(^^)

 ムーミンパパさんとも、ハグハグしてお別れ。暖かい心にも癒されて復活。ホームに下りると、アフメッドくんがいた。今日のガイドさんは、彼の義理のお兄さんだった。
 「I missed you .」 早朝にも関わらず、わざわざ私たちの顔を見に来てくれたみたい。私たちも、懐かしい顔に迎えられてほっとした。車に荷物を載せて、そのまま観光スタート。アフメッドくんは、別の仕事があるということで、途中で降りた。「また明日。」

 今日は、ピラミッド巡り。まずは、ダフシュールから。ここには、二つのピラミッドがある。一つ目は、真正ピラミッドとしては最も古いといわれている、赤のピラミッド。形の不規則なゴツゴツゴロゴロした石が、積み重なって出来ている。玄室の中まで入れるようになっていたけれど、急な階段で60m以上はあるとのこと。せっかく来たので、入り口まで登って一度入ってみたものの、途中で出ることにした。出てきた人によると、かなりキツイということで止めて正解だったみたい。(えへへ^^;) 


 もう一つは、途中から傾斜が変わっているので、屈折ピラミッドと呼ばれている。霞がかかったように見えていて、ちょっと神秘的。反対側に周ると、ちゃんとしたピラミッド型にみえるから不思議。


 次は、エジプト古王国期の統一王朝最初の都である、メンフィスへ移動。ここには、ラムセス2世の巨像がある。体長15mもの像が横たわっていて、2階から観れるようになっていた。
 優しい微笑みを浮かべていて、また何とも美しいこと。思わず、そのお顔をみて「ただいま〜♪」と言いたくなった。この微笑みにも癒される〜。 しばらく、う〜っとりと眺めていた。

 入り口前には、プタハ神殿跡がある。プタハ神は、メンフィスの地神で、太陽と月の卵を創ったといわれる創造神。(後世で冥界の神に) 
 一枚岩のアラバスターで作られたスフィンクスは、小さいながらも堂々としていて、気品がある。女性エネルギーを感じたけれど、もしかしてメスのスフィンクス。(!?) 他にも、ラムセス2世の立像やミイラ作りのための解剖台などもあり。


 まだ時間が残っていたので、もう一度ラムさまのところへ。心残りがないように、またじっくり眺めてみる。この微笑には、完全に参ります。(^^) いつまでも見つめていたい♪ 旅の終わりを、祝福してくれているように感じた。 ありがとうございます☆


 サッカーラへ。この遺跡は、また広大。ピラミッドコンプレックスの中心に、階段ピラミッドがある。6重の階段状で、また独特の形。他にも、山のような崩れ掛けたピラミッドや、奥には未完成のピラミッドもあり、周囲には墳墓群も。柱廊を歩きながら、祭殿なども見学。

 一通り近くまで行って観ようとすると、結構歩くことになりそうだったので、それよりも丘のようなところに上がって、しばらく座ることにした。 陽射しは強くなってきたけれど、風が気持ち良〜い♪ 次に備えて、ここでリラ〜ックス。


 そして、ギザのピラミッドへ。入り口でカメラを預けて、ピラミッドの内部見学を。最初にギザへ行って、入場制限のあるクフ王のピラミッドに入るつもりだったけれど、流れで最後になった。それで内部見学は、カフラー王のピラミッドになった。
 3つのピラミッドの真ん中に立っている。頭頂部には化粧版も残っているので、3つの中では一番輝いて見えていた。今回は、それで正解だったみたい。・・・写真をみると、どことなく富士山のようにも見えますね〜。
 

 狭い急傾斜の通路を降りたところに、玄室がある。内部は、確かに蒸し暑くなっているけれど、思ったよりも距離も短くて大丈夫だった。玄室には、石棺が一つあるだけだけれど、あのピラミッドの中心にいると思っただけで、ドキドキしてくる。すぐに出ると勿体ないので(笑)、しばらく静かに感じながら、降りてくるエネルギーを自分の中で統合させていた。

 ビューポイントへ。車のない人は、馬やラクダに乗って移動することも出来る。馬も楽しそうだなあ〜♪ ここからは、3つのピラミッドがきれいに並んで見える。ようやく、あのピラミッドに来ているのだと実感。(おそっ!^^;) それは、ともちんも同じだったみたい。これまで訪れたところは、どこか別の世界のように感じていた。現実とは離れている。・・・エネルギー的には、実際にそうだったようだけど。(^^)
 ギザのピラミッドは人も多いし。都会の中にあるせいか、最初は違和感のようなものがあって、他の神殿のような神聖さというのは感じにくい。だから、すぐには実感が感じられなかった。でも、それこそが、ここギザのピラミッド。それで良いのだと思えてきた。古代の遺跡と、現代が一つになっている。その象徴にもなっているのだと・・・。

 女神や天使たちが舞うような雲が、空いっぱいに広がっている。一緒に踊りたくなって、気分もるんるん♪ 現地のお兄さんがやってきて、頭を巻き巻きしてくれるという。もう何度もしているので断ったけれど、「大丈夫、お金もいらないから。」と、なかなか諦めないので仕方なく。(ははは) お土産屋さんでも、度々言われたけれど、エジプシャンは女の人に巻き巻きしてあげるのが好きなのかしら。(!?) 
 腕を組むように差し出し、杖を渡して、一緒に写真を撮ろうといわれ、撮り終えたところで、ガイドさんが「大丈夫?」と心配して来てくれた。(ナイス!) サングラスを掛けているので、どこかボディガードみたいな雰囲気で、この時は頼もしく。(チャーリー・シーンに似てます。^^)


 スフィンクスの前へ。お〜、やっと近くまで来れたよ。
 ” スフィンクスは、ネメスを付けたファラオ(王)の顔とライオンの体を持つ、神聖な存在である。王者の象徴である顎鬚をつけ、敵を打破する力、あるいは王または神を守護するシンボルとされている。古王国時代には既に存在し、神格化したファラオと百獣の王であるライオンを重ね合わせたものと考えられている。”

 現代アラビア語では、「畏怖の父」を意味し、ギリシャ語名では、「シェセプ・アンク」として、シェセプ=姿・形 アンク=再生・復活の神 「アンク神の像」の意に由来しているとか。(ほ〜っ!)
 ギザのスフィンクスは、一枚岩の彫像としては世界最大級。ここでも写真を撮っていたら、もっと良いスポットがあるからと、おじさんが来て教えてくれた。ピラミッドと一枚に収まるように。は〜い、こういう時には素直にバクシーシを。(笑) やっぱりカフラー王のピラミッドは、絵になるわ〜。

 これで、ピラミッド巡りも終了〜! ランチタイムになっていたけれど、先に香油のお店に連れて行ってもらうことに。 カルカデを頂きながら、ノリのいいスタッフのハッサンが、香油についていろいろ説明しながら、次々に香りを嗅がせてくれる。 どれも100%ピュアの精油になっているので、香りも濃厚。

 まず是非手に入れたいのは、ロータス(蓮)の香油。ロータスは、上エジプトの象徴で最も美しい聖なる花であり、太陽と再生の象徴として、ほとんどのレリーフに描かれている。・・・その蓮の香油は、観音さまを意識して、お寺や神社に行く時に着けるようにしています。
 もちろん、下エジプトのパピルスの香油もある。(これで上下の統合も。^^) ミイラ作りに使われていたミルラ(没薬)や、同じくキリスト誕生のときに捧げられたというフランキンセンス(乳香)もあり。また、日本では高価なために、薄めたものがほとんどのバラやジャスミンなども、原液で買うことが出来る。しかも、どの種類も一律料金なので、これは絶対お得♪
 他には、原液をブレンドしたものも多数。中でも、気に入ったのは「生命の鍵(アンク)」。アセンションや新しい扉を開くというときに、意識して使っている。「イシス」の香りは、気分が高揚してくる感じ。他には、エジプト特有として、男性と女性それぞれのために作られた香りなども。
 ボトルの大きさもいろいろあるけれど、日本と比べてかなりお得で、セットで買うとさらに安くなる。ただ、どれも欲しくなって選ぶのが大変だったけど。(^^) ちゃんと梱包もしてくれて、素敵な香水瓶もプレゼントに。

 香油は、神聖な儀式や太陽神への捧げものとして使われ、レリーフにも良く描かれている。そうそう、博物館にある「ツタンカーメンの玉座」では、二人が仲良く塗り塗りしていましたね。(うふっ) これまで、香水としては身に着けることはなかったけれど、ここで純粋な香油の香りを嗅いでいたら、私の中の眠っていたものが目覚めるように、スイッチがオン!
 
 ” 香りは、異次元あるいは霊界と現世を結ぶ象徴的なもので、私たちは嗅覚を通じて、高い次元にアクセスすることが出来る。”

 そうなのですね〜。帰ってからというもの、香油はなくてはならないものになっているのは、そのためみたい。その後に続いたアセンションの時にも、役立ってくれていたのでしょうね。・・・薄める時は、希釈オイルを使わなくて、ハーモニーウオーターがGOOD。v(^^)v

 香りで満たされてしまったようで、ランチは食べに行く気がなくなって、そのままホテルに帰ることにした。ギザの同じホテルだけれど、少し広いお部屋になっていたので、ゆ〜ったりとリラックス。シャワーを浴びて、次の予定までしばらく横になって休んでいた。

 さあ、最後のお楽しみとして、ディナークルーズを。 これも日本から予約しておいた。アブシンベルで買ったガラベーヤとサンダルに着替え、シナイ山で買ったラクダの革のバッグも。(うふふ) タクシーを掴まえて GO-GO〜。

 夕方とあって、すごい渋滞で時間が掛かった。早目に出て正解。クルーズも幾つかあるけれど、今回は「ゴールデンファラオ」にした。ちょうどライトアップされてきたところで、周囲はゴールドでキラキラ〜。ツタンカーメンの番人に、オベリスクやスフィンクスも仲良く勢ぞろい。


 まだ早かったので、ソファに座って寛いでいた。ちょっぴり優雅な気分♪ 


 しばらくしたら、日本人のツアー団体も入ってきた。時間になって、船の中へ。ディナーは、ビュッフェ形式で、どれもおいしそう〜♪ ランチに行かなくて正解だったかも。サラダもたくさんの種類があって、お皿がすぐに一杯になって半分も取れなかったけれど、それでも容量を超えてしまった。素敵なカップルでのデュエットを聴きながら、おいしいデザートも。(えへへ) 


 二階の甲板へ。ナイル川からの風が気持ち良〜い。夜景も素敵〜♪ もう、これが最後の夜かと思うと、ちょっぴり切なく、センチメンタルな気分にも。
 母なる大河ナイル川・・・ナイルはエジプトの賜物として、多くの恩恵をもたらし、古代からの壮大な歴史を見守っていた。 この旅で、暖かく迎えて頂いたことに、心から感謝します。この大自然を、美しい地球を守るために、もっと出来ることをやっていきます。 そう誓いながら、心で手を合わせていた。


 テーブルに戻ったところで、ベリーダンスのスタート。噂では、ちょっと肉付きの良い、ベテランのお姉さんが出てくると聞いていたけれど、なんのなんの。色白でスタイル抜群の、それはそれは美形で魅力的な若いダンサーだった。衣装は、鮮やかなキラキラのゴールド。もちろん、踊りも文句なし。本格的な生のベリーダンスを観るのは、この時が初めて。あまりに素敵なので、同じ女性でもドキドキしちゃう。(きゃっ♪) 品の良いセクシーさは、優雅で芸術的でもあり。その美しさに、またうっとり〜。


 続いては、スーフィダンス。スーフィの神への陶酔境にひたる旋回舞踊。男性ダンサーが、何枚も重なっているスカートのような衣装を着けて登場。そして、音楽に合わせて、くるくると凄い勢いで回り続ける。初めて目にする踊りに、みんなも息を呑まれている。陶酔境に浸るというのもわかる気がした。拍手喝采でブラボ〜!

 最後は、ベリーダンスのお姉さんが衣装替えして、二人の男性ダンサーと登場。お客さんも一緒に踊って、最後を盛り上げてくれた。


 船から出ると、オベリスクがさらに輝いてみえた。当時のオベリスクの再現みたいに。すぐに帰る気がしなくて、少しナイル川沿いを歩いてみた。現地の人から、「ジャパニーズ エジプシャン!」の声が。(ほほほ)
 明日エジプトを発つと思うと、また淋しくなった。・・・