[聖なる旅]  [Page 1]


聖なる旅 



エジプト 2008 編



2008.3.17〜3.31
                                                                                

                                                    Page 13

 3月26日
 う〜、昨夜は見事に一睡も出来なかった〜。ベッドに入っても、頭がハッキリしていてウトウトすることもなく、全く眠れなかった。かといって、起き上がってもキツイという感じはない。もしかして、昨夜のシーシャが効いたのかしらん。タールもゼロだというし、刺激的な感じもなく、むしろリラックスしていたつもりだったけど。・・・この時には、まだ何も意味がわかっていなかった私。(^^;

 この日は、ルクソール神殿のライトアップに合わせて、午後4時までフリーにしていた。出発前のときは、この時間でカルトゥーシュを買いに行くつもりだったけれど、それも初日にカイロで手に入れたし、Tシャツも昨日手にすることになった。 それで昨日の夜、イサムくん達から今日も会おうと誘われ、時間もあったので、また一緒に過ごす流れに。

 朝はゆっくり過ごし、チェックアウトして荷物を預けておいた。時間になってホテルから出たら、またイサムくんが待っていた。何をするか決めていなかったけれど、とりあえずモハメッドくんの家に行って、合流することになった。乗り合いタクシーで移動。これも、また面白い経験に。(^^) 少し田舎のほうに入って行くと、民家が出てきた。通りに出ていた、ご近所さんにも御挨拶しながら、お家へ。(笑) ・・・ここまで日本人が来るのは珍しかったようだけど、みなさん笑顔で。

 モハメッドくんが、お家でお出迎え。ここは、彼の実家。彼は普段、街の中にフラットの部屋を借りて一人暮らしをしている。 私たちはリビングルームへ。このお家も同じく、外が暑くても、家の中はひんやりとして涼しい。 サファリのシェハタ宅に続いて、エジプトお宅訪問 第二弾スタート。(うふふ)

 飲みものなども出して頂いて、イスラムの服装をしたお母さんも登場。言葉は通じないけれど、優しい笑顔で暖かく迎えてくれた。


 テレビでは、エジプト版の MTV が流れていた。セクシーなエジプシャンのお姉さんも出てくる。(笑) 壁に沿って、ぐるりと囲むようにソファが置かれていた。最初は、ちゃんと座っていたけれど、その内すっかりリラックス状態になり、横になったりしてサファリのキャンプと同じような感じに。(^^) そこへ、今度はお父さんの登場。慌てて起き上がって座ろうとしたら、「いいからいいから、そのままで。」という仕草を。 優しいパパさんだった。

 ランチは、ここで頂くことになった。そんな、いいのかしらと思いつつ、ご好意は素直に受け取ることに。(えへっ) モハメッドくんが、材料を買い出しに行った。 昨日の夜は、今時のエジプシャンの若者という感じがしていたけれど、お家では長男らしく家のことを手伝ったりして、初めて会った時とは違う印象を受けた。二人は、ハイスクールからのバディで、兄弟みたいなものだと言っていた。時々やんちゃをするイサムくんを、嗜めるモハメッドくんがお兄さんという感じ。レストランでは、オーナーの代わりとして堂々とお仕事しているイサムくんも、ここではある意味で(!?)、無邪気になっている。(笑) ・・・ お国柄も違うけれど、先入観や第一印象だけでは、わからないものですね。

 それから2時間近く経った頃、大きなトレイに載せたランチが運ばれてきた。わ〜すご〜い!! 
 フレッシュサラダに、お豆のペーストや卵のオムレツから、スライスした茄子を焼いたものにポテトも。 私たちのために、ママさんが時間を掛けて作ってくれて・・・う〜感激。しかも、どれも全部おいし〜い♪ 
 これまで食べたエジプト料理で、ナンバーワンかも。やっぱり、愛情のこもった家庭料理が一番よね。その幸せを感じながら、有難く頂いた。

 最初の予定では、お家でモハメッドくんと合流してから、お昼には出掛けようという話になっていた。そこで、私が居心地良さそうに、すっかり寛いでいたからか、ランチまで頂くことになってしまい、予定が延びて行った。さらに、お腹も一杯になったら、眠っていなかったのもあって、ますますリラックス感が増してきたりして。(あらら)
 
 ルクソールの街は、博物館やお店もいろいろあって、他にも観るところはたくさんあったと思うけれど、もうこの時にはブラブラするよりも、このままゆっくりしたい気持ちになっていた。それで、またソファにゴロンと横になっていた。 ・・・今にして思えば、前の日に初めて会ったばかりの彼らのお家で、リビングルームを占領し、お昼までご馳走になって横たわっているなんて、どうなのでしょうね。(ははは ^^;) 日本だったら、違っていた気もするけど。(たぶん^^)

 音楽に合わせて、ノリノリで踊っている二人♪ たまゆらも、ふわふわ〜。


 一番下のシスターも登場。恥ずかしそうにして、また可愛い♪ あ〜、何かプレゼントしたかったけれど、ここには何も持って来ていなかった。バッグの中を探っても、それらしいものもなくて・・・。(ぐすん) 代わりに、撫で撫でよしよし。(^^) 
 そうこうしている内に、時間が近づいてきた。結局、4時間半ぐらいは居たのよね。(ほほほ) 最後に、パパさんママさんともハグしてお別れ。 暖かく迎えて頂いて、本当にありがとうございました。

 外に出たら、お空には羽が広がったような雲が出ていた。モハメッドくんは、タクシーでそのままお仕事へ。どうやら私たちのために、二人は仕事の時間をずらしてくれていたみたい。・・・
 イサムくんは、夜のシフトまで時間があるということで、私たちと車で戻り、ホテルの近くにあるカフェでお茶することに。川沿いにあって、雰囲気が良い。今度は、グアバのジュースにしてみた。これも100%生なので、濃厚でおいしい♪  ここでまた、シーシャが出てきた。だんだん吸い方も慣れてきちゃった。(へへへ) 

 気がつけば、ガイドさんとの待ち合わせ時間に。おっとっと! 急いでホテルに戻って、イサムくんともお別れ。 ロビーで待っていたガイドさんと、車に乗って出発。イサムくんは、道の反対側から手を振って見送ってくれていた。いろいろありがとうね〜、お世話になりました〜♪ ・・・ここでも一期一会なのでした。

 ルクソールは、ナイル川を境として、王家の谷のある側が西岸、カルナック神殿とルクソール神殿側が東岸として、「死」と「生」の象徴になっている。 一般のツアーでは、一日で周るのがほとんど。最初はガイドさんも、こちらから何も言わなければ、東岸から周ろうとしたけれど、ここは「再生と蘇生」の意味で、この順番にしてもらっていた。

 まず先に、カルナック神殿へ。夜の神殿のショーで御挨拶をして、翌日にお参りという同じパターン。ところが、ここではまた! 神殿内に入ったところで・・・実際にはチケットを購入したぐらいから、急に脱力感と共に眠気が襲ってきた。あららら、どうしよう。
 ガイドさんが、それぞれのスポットで説明してくれているのだけれど、ほとんど頭に入らない。(^^;失礼だと思って頷きながら、あくびを堪えるのがやっと。 それでも何とか、カメラのシャッターだけは押していた。

 カルナック神殿は、古代エジプトで最大の神殿であり、中心には太陽神ラーと融合して最高神となったアメン神の大神殿がある。入り口のスフィンクス参道は、頭が羊の聖獣羊になっていて、この参道でルクソ−ル神殿まで繋がっていたといわれている。
 第一塔門をくぐると、儀式に使う聖船を置いていたセティ神殿と、王の像が建ち並ぶラムセス三世の神殿。



 見所は何と言っても、映画(ナイル殺人事件)のシーンでお馴染みの大列柱室。高さは20m以上、直径は3.6m。目の前でみると、その大きさと迫力に圧倒されて、ずっと見上げていたら首が痛くなるくらい。柱はパピルスの形になっていて、花が開いたものと、閉じた形のものがある。その柱の一つ一つに、ヒエログリフとレリーフがびっしり。
 (写真下 右) アメン神は、頭の上がウサギさんの耳みたいになっているから、個人的に親しみを感じる私。(図々しいったら。笑)




 その奥に出てくるのが、トトメス一世とハトシェプスト女王のオベリスク。オベリスクは、太陽神のシンボルとして光を反射して輝くように作られていた。ハトシェプスト女王のものは、エジプトに現存する中では最大級で(高さ約30m)、当時は金と銀の合金で光り輝いていたという。(きゃっ 素敵♪) ・・・著書の中では、ツタンカーメンの玉し霊が肉体を離れて、最初に存在して地上を見下ろしていたのは、このオベリスクの尖った先端と書かれていた。(!)


 その先に、上下エジプトを表すロータスとパピルスの柱があり、至聖所へと続く。


 少し戻って脇に入ったところに、神殿ショーのステージになっていた聖なる池。その前に、ハトシェプスト女王のもう一本のオベリスクが倒れている。良くみると、先端部分に描かれている女王のレリーフは、珍しく女性の姿になっている。(!)


 ここで、ようやくフリータイムに。待ってました〜。早く座りたかったけれど、その前に一つだけやることがあった。聖なる池の前にある、巨大なスカラベちゃんの像へ。
 このスカラベには伝説があり、祈りながら回ることで、その願いが叶うといわれている。古代エジプト人は、太陽が朝に昇り、夕に沈むのはスカラベの働きによると信じられ、太陽神の象徴になっていた。
 去年のグランドキャニオンからの道で現れて、後になってその意味を知った。(セドナ編 Page 5) そして、この旅の途中でも、現地の人からプレゼントされることが続いて、導いてくれているのを感じていた。 その感謝と、地球の復活と再生を、ここで祈りたかった。

 ゆっくりと3回まわりながら、祈りを捧げた。一般には、3回まわると「幸運」、5回は「縁結び」、7回は「子宝」と言われているそうで、多いときは順番に並んで次々に回っていると聞いていた。でも有難いことに、この時には誰もいなくて、また私たちだけになっていた。・・・ありがとうございます☆


 その後は、もうたまらなくなって近くの壁際へ。眠いのと、身体に力が入らないのとでフラフラ状態。 そのまま、うずくまるように座り込んでいた。この間も、ガラベーヤを着た現地のおじさんが通り掛かったくらいで静かだった。

 ほとんど瞑想状態で歩きながら、ガイドさんに付いて周っていたので、どれが何だったか良くわかっていないけれど、こうして写真を見ると、無意識でも主要部分はちゃんと撮っていたのね。 昨日の夜、ショーで先に周っておいたのも良かった。「聖なる旅」は、突然何があるやらわからないから。(ほほほ) ・・・・・ 帰国してから、ある人を通して、この旅で別の次元に出入りしていたと言われた。シナイ山でもそうだったようです。

 時間になって次へと移動。あとは、ルクソール神殿のみ。昼間よりも、夜のライトアップされた神殿が素敵と聞いていたので、その時間に合わせるようにしていた。着いた頃は、ライトアップがスタートされたばかりでベストタイミング。風も涼しくなっていて、気持ち良い。気分は良いものの、まだ力が入らない。身体を半分、どこかに置いてきたような感じ。ここに居て、ここに居ないような・・・。

 またガイドさんが、いろいろ説明してくれていたけれど、英語を聞き取る集中力もないから、そのまま頭の中を通り過ぎる。(ごめんなさ〜い。^^;) 私の中で、はっきり残っているのは、神秘的に光っていたラムセス2世のお顔。その存在感が凄くて、しばらく前に立って眺めていた。・・・今でも、こうして見るとビンビンきます。


 その横には、光に照らされたオベリスク。もう一本は、パリのコンコルド広場に。この神殿は、アメン神の妻に捧げられた神殿ということで、カルナックと対になっているみたい。(こちらも仲が良いことで何より♪) 


 モスクのあるラムセス二世の中庭を過ぎると、大列柱廊へ。暗くなるにつれて、神殿全体が黄金色に光り輝いて、幻想的に映し出されている。 (素敵〜♪) ここには、上下エジプト統一を示すレリーフがあり。パピルスとロータスの花を象徴として、手を結んでいる。 ・・・改めてみると、平和のシンボルのようですね。この精神を大切にしたいものです。


 また、脇にはツタンカーメン夫妻が仲良く並んだ坐像もあって、にっこり微笑んでいるように感じられた。(うふっ) ちょっぴりご無沙汰でした〜。ヨレヨレ姿で失礼します。(^^; その先は、アメンホテプ三世の中庭へ。 光で浮かび上がり、別世界に来たような美しさで、ますます夢心地状態に。・・・天空にある、光の神殿のようでした。


 奥には、アレキサンダー大王の祠堂。壁には、供物を捧げる大王のレリーフも。


 一番奥には、至聖所がある。ここで、フリータイム。(やった!) 限界も近づいていたので、そのまま入り口に戻ってから、最後にスフィンクス参道まで行った。光に照らされて、一列に並んでいる光景は、また何とも神秘的だった。この先にある、私たちが歩むべき光の道が、示されているかのように・・・。
 写真には、アンクの輪のようなものが写っている。(!) そこから振り返ると、神殿が大きなゲートのようにみえていた。神の世界への入り口として・・・。


 待ち合わせ場所で、そのまま地面に座り込んでいたけれど、もう周りのことまで気にしていられなかった。 その後は、ホテルのロビーに戻って、列車の時間まで待つことに。
 ここで約一時間以上はあった。ロビーの奥の陰で、目立たない場所があったので、そこのソファに横たわった。もう〜動けない、動きたくない。目も開けていられない状態でバタンキュー。

 時間になってお迎えが来たので、何とか起き上がった。今夜は、寝台列車でカイロまで移動する。これも、エジプト観光のお約束の一つ。(^^) それに、移動の時間の節約にもなる。
 ホームには、冷たくて固い椅子しかないので、列車が来るのを待つのが長く感じた。予定より少し遅れて到着し、ルクソールに別れを告げて出発。

 ・・・当時は、これらの意味を感じ取る余裕もなく、自分の姿に情けなくも思っていた。ただ、眠れなくなるのは何度も経験していたし、ここがルクソールであることから、睡眠不足だけが原因ではないとは思っていた。

 帰国して、例の霊視が出来る人に話してみると・・・、シナイ山でのことも同じで、ある次元のスポットに呼ばれて(!?)、その中を出たり入ったりしていたのだとか。今のところでは、何のために、何をしていたのか、具体的なことまではわからないけれど、よく夢の中で必要なところまで飛んで行って、肉体がある時には出来ないことを、やって来るのと同じような感じらしい。確かに、セルフヒーリングをしている時に、魂が出たり入ったりして、意識があったりなくなったりするのと似たような感覚だった。 それを実際に、肉体を動かした状態で、その場に行って体験したということのようです。 写真を撮っていたことも、ほとんど記憶になかったりして、自分では夢の中で歩いていたような感じ。(夢遊病者かい!)

 初めてセドナへの旅を訪れた時に、ラスベガスのルクソールホテルに入ることになり、その中にあった像に惹きつけられていたことも思い出した。(春のセドナ編 Page2 ) まだあの時は、実際にエジプトへ行くことになるとは思っていなかったし、ルクソールがどんな場所かさえも、わかってはいなかった。その翌年に再び訪れた時には、宿泊することになり、その時には呼ばれていることを確信出来ていた。(セドナ編 Page16) 

 神々の眠る王家の谷を訪れて、目覚めたファラオ達によって、私の中で眠っていた何かが呼び起こされたのかもしれない。そこに、シーシャも一役買って、身体の奥深くまで作用することになった。「死」から「生」への蘇りのように・・・。 そのプロセスのために、ルクソールの街を散策するよりも、ゆっくりリラックスする時間と機会を与えてくれていた。
 そして、二つの聖なる神殿で、一つに統合させる。 ここで、さっきの上下エジプト統合のレリーフの絵が浮かんできた。二人が手を結んでいるように、私の中で分離していたものを一つにするために。 生と死が統合された、このルクソールの場所で。・・・・
 ここまでが、レポートを書いていて、ようやくわかったところです。(2009年最初の新月&日食が明けた日にて。)