[Diary 116]



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                                                      VOL.117

 2006年11月ダイジェスト (Part 4)
 11月 9日
 今日は、お待ちかねの玉三郎さまの公演へ。(わ〜い♪) 「アマテラス」の舞台で、すっかり玉三郎さまの魅力に魅せられてしまった私。この公演のことは、そのすぐ後に知って、発売と同時に予約していた。

 場所は、熊本の山鹿市。ちゃんと公演のための直行バスも出ている。(有難いです) 広川のSAで休憩。ここに来たら、お約束の「八女茶の力あんぱん」を買っておかないと。(久し振り〜♪) 季節限定の渋皮マロンアイスも、見つけちゃった。(へへへ)

 気持ち良くウトウトしていて、ふっと目が覚めて窓の外に目をやると、「111」ナンバーが目に入ってきた。(ちゃんと起こしてくれるのね。^^) 今日も意味ある一日になりそう♪

 予定よりも早めに、山鹿市に到着。 公演まで、まだまだ時間があるので周囲を散策。静かで小さな町。落ち着きますね〜。周辺には、日本一の装飾古墳群もあるそうだ。
 豊前街道には、昔ながらの御土産屋さんが数軒並んでいる。お店には、玉三郎さまグッズもあり。(^^) お土産のお菓子は、「西益屋」の燈篭もなかに、栗どらやきにマロンパイをゲット。バラ売りしているので、いろいろ食べてみたい私にはピッタリ。(欲張りさん。笑) ・・・どれもおいしかったです♪

 山鹿は、灯籠祭りでも知られている。伝統工芸の金の灯籠も、独特で素敵。また繭の生産でも知られているようで、可愛い小さな福まゆ人形があった。その中で、頭に金と銀の灯籠を乗せている、ペアの人形を買うことにした。(「まゆちゃんず」と名付けました。^^) また、福を呼んじゃった。(ふふふ)

 公園の中にある、あし湯へ。何気にみると、鹿ちゃんの絵が! そうよ、だってここは山鹿市だものね。 山鹿温泉は、手負い鹿が傷を癒しているのをみて、温泉の存在が知られたとのこと。まあまあ、ここでも鹿ちゃんが・・・。(呼んでくれて、ありがとね) 泉質は、「乙女の素肌」に例えられるほど、まろやかで柔らかい肌触りとして知られているそうだ。確かに、やさし〜い肌触り。(目指せ、乙女の素肌! 笑) 来た時は誰もいなかったけど、チャプチャプしてたら、一人また一人と集まってきた。(^^)


 乙女に戻ったところで(心はいつも。笑)、会場の八千代座へ。 あっ、また八千代だ! そうなのです〜。 今頃になって気付く私。(^^; やっぱり、来ることになっていたのね・・・。

 八千代座は、明治時代に芝居小屋として建てられ、様々な復興活動により、昭和63年に国の重要文化財に指定されている。
 外装も内装も、当時の良さや趣きが、そのまま残されている感じだ。丁寧に、一人ひとり座席まで案内してくれる。どの辺りかなと思ったら、前から3列目で花道側の席だ! わ〜い♪ 予約するときに、桝席か、その周囲の席かだけはリクエスト出来ていた。出来るだけ前で、正面で観たいけれど、桝席は時間が長いと、きつくなることがあると聞いていたので、周囲の席にしてもらっていた。
 それが花道側だったなんてラッキー! 見たところ、桝席は近いけれども、舞台より低いので、見上げるようになっている。私たちの席は、舞台と同じ高さで、背中に寄りかかれるようになっているから、その分座っていてもラクみたい。(ちなみに、桟敷席は「い・ろ・は」で番号が付けられています。)

 天井を見上げると、中央には対になっている鳳凰の絵。それも、鮮やかな虹色できれ〜い♪ そこから、金色の大きなシャンデリアが吊るされている。周囲には、明治時代からの広告画があり、それもまた良い雰囲気を出している。こじんまりとして広くはないけれど、近代的な設備の博多座とは、また違った味がある。(トイレも面白いです。^^)

 予約していたお弁当を頂いて、開演を待った。そして、いよいよ幕が上がった。 照明の光に照らされて、玉三郎さまが花道から登場! 一斉に歓声が上がる。すぐ目の前を、ゆっくりと艶やかな姿で歩いて来る。 いきなり、どアップだ〜。 きゃあ〜。(心の中で大歓声!) 早くも、目がウルウル。

 今回の公演は、「天守物語」の朗読の会。
 
― 坂東玉三郎が愛してやまない泉鏡花の世界。中でも舞台、映画とも自らが主演し、映画監督まで務めた傑作戯曲『天守物語』を門弟と朗読する。播州姫路城の天守に棲みつく妖怪の主・富姫と人間界の若侍・図書之助の恋を描いた幻想的な時代劇 ─

 今年の八千代座公演は、最初の10日間に日本舞踊公演があり、朗読会はこの2日間だけで、この日が千秋楽。日舞は「藤娘と鷺娘」だった。 どちらも華やかで美しい舞なので、是非観てみたいと思った。でも、今回は迷いながらも、朗読会を選ぶことにした。朗読会は、玉三郎さま初の試みだそうで、どんな感じなのか想像出来なかったけれど、新しくチャレンジした玉さまを観たいと思ったのです。そして、それは大金星でした!

 最初に、舞台の中央に正座された玉さまのお話があった。品の良い薄紫の美しいお着物に、金色の帯が素敵。自らの言葉で、朗読会の説明を、ゆっくりと丁寧にお話して下さっている。テレビのドキュメンタリーで、素の玉さまの話し方にウットリしていた私。(^^)  これだけでも、やはり朗読会にして良かったと思った。

 再び幕が上がったときは、「天守物語」の世界へ。玉さまと数名の門弟たちが、椅子に腰掛けた状態で始まった。玉さまの顔つきも、さっきとは変わっている。あっというまに、その独特の世界に引き込まれていった。 
 玉さまはもちろんのこと、門弟たちも素晴らしい。その演技力は、超一級!(太鼓印ポ〜ン!) セリフに音、顔の表情と手の動きだけなのに、それが逆に私たち観客の創造力を刺激してくれていて、目の前に各シーンの幻想的な世界が広がってくる感じ。

 物語には、魔界の話も出てくる。富姫の妖艶な感じが、アマテラスさまとは対照的で、光と闇を思わせる。「アマテラス」では、セリフがなく動きだけで表現していて、今回は声だけ。そのどちらも、完璧に演じきっている玉さまって、やっぱり素晴らしい。(絶賛!) 
 その表現方法も、決して大袈裟なものではない。ここまで表現するまでには、かなりの時間と練習、影の努力があるはず。とても綿密で、手が込んでいるけれど、前面に出さない。だからこそ、その細やかさが、心にじわ〜っと伝わってくる。それが、日本文化の奥ゆかしさかもしれない。その中に、真の美しさがあるように感じた。私がその美しさに惹かれるのは、日本人としての魂が、根源の中に強く刻まれているからかも。

 玉さまの魅力は、演技力や表現力の上手さだけではなく、これまでの生き方、歩み方が、輝きとして出てきているから。それが、品性として表れている。たおやかな美しさと、真っ直ぐに芯の通った強さを同時に持っている。そして、胸に秘めた深い愛と思いやりの心。それがまた、強く惹きつけるのですね。 私も、そうありたいと願っているから。

 ラストは、魔界に棲んでいても、人間よりも美しい心を持っていた富姫と人間の若侍が、光を取り戻して結ばれる。 そのストーリーも象徴的だった。 
 そして、カーテンコール。待ってました〜。 幕が降りて上がる度に、大きな拍手と歓声に包まれる。その声に応えるように、玉さまが美しく丁寧にお辞儀をしながら、観客全体に感謝のまなざしを送る。ここで、涙・涙です・・・。(う〜うるうる)
 
 そして、全員揃って最後に花道へ。しかも、目の前で止まってくれた! わ〜わ〜♪ 第二部で着替えた衣装は、白地に大きく龍が描かれていた。(上のポスターの写真) 背中を向けられた時に、その龍のお顔が、ちょうど帯のふくらみのところで盛り上がっていて、しっかり目が合ってしまった。 しかもライトで照らされているので、光って見える。(お〜っ、ちょっと凄すぎる〜!) あ〜、この席で良かった〜。しあわせ〜♪

 帰ってから気付いたけれど、金色に縁取られていた龍は、太宰府から連れて帰ったガラス製の金龍の置物に、そっくりでした。 この完璧な宇宙の演出には、たまりません。全く何と言っていいやら。(^^) 

 平成2年に市民の手づくりで行われた、玉三郎さまの公演の成功が、八千代座復興の追い風となったのだそうです。それ以来、玉三郎さまも毎年ここで公演されている。小さな舞台で座席数も少ないのに、そうして地域のために貢献して下さっているのですね。(う〜) 来年も、絶対観に行きたい。いえ、行けるようにしま〜す♪ (^^)
 山鹿を出るときに観た夕日も、きれいでした〜。そうそう、帰りには 「222」のナンバーが。(最後までやってくれます。^^)

 この時に、来年のカレンダーを買った。すると、表紙が「アマテラス」さまだった! 金色のベールでアップの美しいアマテラスさま。(写真はブログで。^^) セッションルームに飾っているけれど、目が合うと自然に手を合わせたくなります。(笑) アマテラスさまも、ありがとうございました☆