[聖なる旅]


聖なる旅 



2005 初日の出 編



2005.1.1
                          

 1月 1日
 今年は父を誘って3人で、初日の出ツアーに参加することにした。昨夜はこの冬最初の雪が降って、一気に冷え込んでいた。年越し蕎麦を食べ、甘酒で温まって余裕の出発。駅まで寒い中を待つこともなく、タイミング良くバスも来てくれ、その時間に合わせたかのように、ツアーバスも早目の到着。私達の席は・・・9列目の33番からの並び。(そういえば、ツアー費も3人で3並びの数字になっていた) 今年も、おもしろくなりそう♪
 私達の席は、後部で一段高くなっていて、上に荷物を入れられない代わりに天井も高く、足も伸ばせるスペースがあって、ゆったりと快適。(移動が長いのでラッキー) 窓も大きくて、ライトまでシャンデリア風のデラックスバージョン。何から何まで、良い感じだわ〜。(^^)
 バスの中で、みんなでカウントダウン。HAPPY NEW YEAR !!  窓からは、月がくっきり見えていた。途中で何度か休憩しながら、宮崎へと向かった。しばらくウトウト眠っていて、ふっと目を覚ますと、海が見えた。海岸線を走っているみたい。うっすらと波も見える。月明かりの夜の海も素敵♪
 予定通り4時過ぎに到着。場所は、都井岬の観光ホテル。日の出まで時間があるので、先にお風呂に入って、食事をするとのこと。(まあ!) 露天風呂に入り、空を見上げると、星がキラキラ光っていて、お月さまのオーラもくっきり。いつもありがとうございます☆
 朝食は、おせち料理のビュッフェ。おめでたい気分で、いただきま〜す♪ 日の出の時間まで、畳のお部屋でお休み。これまでは、現地に着いたら、そのまま駐車場に停めたバスの中で、数時間待っているのがパターンだった。私たちは慣れているけれど、父が疲れないかな〜と少し気になっていたのだ。それが先にお風呂や食事も出来て、暖かい室内で横になって休めるだなんて、まあ何て有難い。その分、時間も有効に使えるし言うことなし! v(^^)v

 7時頃になって、外に出てみた。空が明るくなり始めていた。音が聴こえると思ったら、海の前のステージで和太鼓の演奏をしていた。 まあ素敵! それに、お酒やコーヒー、お茶などの飲み物から、温かいふかし芋を振舞ったり、当たりくじの付いた福玉を撒いたりと、何から何まで至れり尽くせり。 おかげで、寒さもあまり感じられずに、みんなで楽しんで待っていた。
 いよいよ日の出が昇り始めた。またしても、大きな一羽の鳥が太陽に向かって飛んでいった。次第に、空がオレンジ色に光り始める。「来る、来る!」 みんなで息を呑んで待つ。太鼓の音が、さらに盛り上げる。このことだったのね。・・・出発の準備をしていた時、いつものように五十鈴と笛を持って行こうとしたが(日の出を迎えるために)、今回は何故か必要ないように感じてやめていた。まさかここまで用意してくれていたとは・・・。う〜感激。


 眩い光を放ちながら、ゆっくりとその姿を現していく。あ〜、この瞬間は何度経験しても、ドキドキと興奮する。 胸が高鳴り、感動で涙が込み上がる。 何て迫力! 太平洋の水平線に浮かんでいるからか、今まで見た日の出よりも遥かに大きく見えていた。ありがとうございます・・・。合掌して、何度も何度も繰り返していた。そして誓っていた。私は、この素晴らしい太陽の前に開かれた光りの道を、ただ信じて進んでいくことを・・・☆


 空全体が光り輝いていた。本当に、素晴らしい初日の出だった。父は、朝から雪と雨で天気が悪かったので、日の出はまず無理だろうと言っていた。でも私は信じていた。例え見れなかったとしても、その代わりに何か受け取るものがあるはずだから、それならそれで良い。行くことに意味があると感じていたから。
 父にも初日の出を見せてあげたい。私の思いは、完璧な状態で現実になった。数年前の正月に、愛宕神社で一緒に日の出を見たことがあった。あれは凄かったと、その時のことを良く覚えていた。(Diary14) そして、「(元旦に)本当の初日の出が見れた。」 あまり感情を外に出さない父だけれど、私にはその一言で伝わった。v(^^)v


 寒い中、夜明け前から太鼓を叩き続けてくれた「くるみ太鼓」の人たちにも感謝でした。(大人から小さい子供達まで)  今回のツアーは、初詣の場所で決めていたので、日の出の場所は気に留めていなかったのです。それが、こんなに素晴らしいセッティングまでしてくれて・・・。(うるうる)
 出発までもタップリ時間があったので、しばらく横になった後、ホテルの広いお庭も散歩した。本当に今回は、のんびりゆったりと良い時間を過ごせた。ホテルを出る頃には、雲ひとつない青空に太陽が光り輝いていた。反対側には白い月もにっこり。大きな鳥が一羽だけ現れて、旋回して見送ってくれた。

 光る海を眺めながら、走っていた。冬の海は清らかで、一層輝いて見える。空をそのまま鏡に映し出したように。
 「元旦早々に、こんなに水平線がはっきりと見られるなんて、みなさん運が良いですね。」と添乗員さん。私は、大自然の美しさと素晴らしさに包まれた時、幸福感で一杯になり、心が満たされてくるのです。それが自然界からの祝福だと感じるから・・・。

 初詣の鵜戸神宮に到着。10月に鹿児島神宮で参拝したときに、系譜を見ながら説明してもらっていた。鹿児島神宮では、霧島神宮のニニギノミコトと木の花ちゃんの息子になる彦火火出見尊(ひこほほでのみこと)を祀っており、その息子を祀っているのが鵜戸神宮の鵜葺屋葺不合命(うがやふきあえずのみこと)で、あることがわかった。ちょうど霧島で、今度の初詣はどこにしようかなと考えていたので、その答えが鵜戸神宮だと思った。
 とは言うものの、鵜戸神宮の入った初日の出ツアーとかあったかな。・・・いや呼ばれているのなら、必ず用意されるはずと思っていたら、ちゃんと出て来たのでした。おまけに、そのまた息子にあたる神武天皇を祀ってある宮崎神宮まで、しっかり入っていたのです。 それも、そのインスピレーションを受け取った時に一緒だった、この3人で行く意味があると感じたのでした。(^^)


 昇り降りのある参道を通って、楼門の前へ出た。お〜! 青い海の前に立った門は、龍宮城の入り口のようだった。(写真上) 日向灘を見下ろす断崖の道を辿りながら、本殿へと向かう。昨日の天気が嘘のように暖かい。海も穏やかで、そよぐ風が気持ち良い。
 橋を渡り、急な石段を下った海蝕洞の中に本殿があった。反対側は断崖絶壁で、二柱岩や亀石桝形岩の奇岩が横たわっているという景観。こんなに凄いところだったなんて・・・! 鳥肌が立つくらいワクワクする場所で、まさに私好み。(^^) 


 巨大な洞窟の中に、本殿がすっぽり入り、屋根の上には岩塊が覆い被さっている。(すごすぎる〜) 参拝して、さらに奥に入ると、様々な神を祀った末社や神秘的な霊石がある。中でも有名なのが、豊玉姫が海に帰る際に我が子のために置いていった乳房の「お乳岩」。鵜葺屋葺不合命は、この岩から滴る清水から作ったお乳飴で育てられたという。


 ここは山幸彦・海幸彦伝説の場所であり、山幸彦とは彦火火出見尊(ひこほほでのみこと)のことで、妻である豊玉姫は、この洞窟の産屋で出産された。(その時に、海神である豊玉姫は、本来の姿であるワニに変化したそうです!) 龍宮城を思い起こさせたのも当然という感じで、まさにそのものが残っているようだった。
 磯辺にある亀の形をした亀石桝形岩には、注連縄で囲まれた窪みがあり、それをめがけて「運玉」を投げ入れ、見事に中に入れば願い事が叶うという。 (5つセットで、境内に売られている)
 もう個人のことを願う必要はなかった。(願わなくても、いつでも想いは通じているから) その代わりに、地球の蘇生と世界平和を祈って投げた。(写真左) ビー玉ほどの玉は、岩にあたっても海に弾き出されてしまう。浅い窪みの水の中に入れるのは、ほとんど不可能のように思えた。これは無理かな〜と思っていたら、最後の玉が注連縄に当たり、囲まれた岩の上に何とか載った。(ふ〜っ、セーフ) そして、答えが返ってきた。
 ” その願いは、今すぐ簡単に実現するものではない。でも神々は、いつも見守っている。私たち人間が、その希望を失わなければ、必ず実現させることが出来る。それには、自分たちの努力が必要である。・・・”
 続けて引いたおみくじ(末吉)には、こう書かれていた。
 「次第次第に運がひらけて盛んになります。あまりに一足とびに飛んで 事をしようとするとあやまります。時を見て心ながく望みを達しなさい。」
 はい、その通りですね。(^^) そして、駐車場で向かいに停めていたバスのナンバーが、「12−34」「56−78」「33−33」と三台きれいに並んでいたことを思い出した。(それも珍しい!) 
 ”一歩一歩信じて進むこと。それが神の示された道であること。”
 海の上には、またしても一羽の大きな鳥が現れ、ゆっくりと旋回していた。青く澄みきった、この日の穏やかな海と空のような心で、歩めば良いのですね。 たくさんのメッセージ、ありがとうございます。
 境内を出たところでは、お乳飴で作ったあめ湯を振舞ってくれていた。豊玉姫の母性と愛のエネルギーを頂いた。 全てを包み込む母性の心で、地球に慈愛を・・・☆

 堀切峠を通り、次は青島へと向かった。お雑煮定食のおいしい昼食を済ませ、青島神宮へと歩いた。青島は、周囲1.5kmほどの小さな島。白い橋を渡ると、鬼の洗濯板と呼ばれる奇岩が広がり、宮崎を代表する観光スポットになっている。約一千万年から八百万年前の地層が侵食により、独特な形状へと変化した岩になり、干潮の際には沖合い100mにも及び、その景観は訪れる人々の目を引き付けている。
 白い砂浜がキラキラ光り、高く昇った太陽が眩しい。島は、亜熱帯性植物に覆われていてジャングルのよう。その中に青島神宮がある。何て素敵なのかしらと、またワクワクする私。(^^) 祀られているのは、山幸彦と豊玉姫。 二人が結ばれた場所と言われている。(ロマンティック〜♪) 参拝した後で、感じるままにおみくじを引いてみると、今度は「大吉」。
 「祈りましょう。幸運は、その後に訪れます。新しい心を持って物事にあたることが大事です。気を引き締めて人生に立ち向かいましょう・・・。」
 お土産に売られていた赤い蘇鉄の実を、持ち帰ることにした。橋を渡って戻るときには、飛ばされそうなくらいの強い風が吹いていた。ピシっと全身が引き締まった。
 「この美しい海を守ってください。」 
 自然の災害は全て、地球からのSOS。海は、私達の魂のふるさとであり、生命の源。 私も、この大切な海を守るため、最善を尽くすことを誓います☆


 最後は、宮崎神宮。参道の途中から、人混みで前に進まなくなった。すごい人だった。ゆっくり参拝出来そうになかったので、並んでいる間にお祈りをしておいた。
 数年前(2001年)に宮崎を訪れたとき、すぐ前まで通っていた。あの旅は、神武天皇に導かれた旅だった。(日向・高千穂編) 今思えば、その旅は、半年前の幣立から始まった聖なる旅の流れで、翌年にはそこから卑弥呼(日御子)に繋がり、、伊勢神宮まで続く旅になっていた。そして、一年前の霧島神宮からの旅が、ここで完了した。私は何もわからないままに、ただその導きを信じて動いていた。全てが一本の道だったことが、終わってからわかる。私達の歩むべき道は、全て用意されている。心を開いていれば、自ずと導かれて、その道は見えてくるはず。後は信頼して、真っ直ぐに歩んで行くだけです。

 新しい年は、見事な初日と共に明けた。これからの一年は、今日のこの日に全て表れている。途中で父が酉年だったことを思い出し、誘って良かったとつくづく思った。柾至は、31日の朝から身体に変化が出ていて、鵜戸神宮で引いたおみくじ(大吉)で、大事なメッセージを受け取っていた。それぞれにとって、素晴らしい幕開けになり、感謝と歓びで新しい年が迎えられた。

 メッセージは、自然界を通して伝えられていた。
 ” 例え、世の中が冬の寒さのように厳しくても、その現状に惑わされないで。この日の太陽のような暖かさを、常に自分の中に持ち続けるように。この日の穏やかな海と澄んだ空のような心で、内にある輝きを放っていくように・・・。”
 本当に、素晴らしい一日をありがとうございました☆